魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ハオコゼ

2013年06月29日 23時33分25秒 | 魚紹介

先週の釣りの話。

私は普段防波堤釣りへ行くときは靴下をはかないのですがそのために悲劇がおきてしまいました。

ハオコゼHypodytes rubripinnis (Temminck and Schlegel, 1843)は、ハオコゼ科の魚の仲間で珍しく、本州・四国・九州の広い地域に生息する普通種です。釣りの外道としておなじみで、また鰭棘に毒があることでも知られています。私はこの魚に毒棘があるというのは知っていましたので、タオルに本種をつつみ、背鰭棘に触れないように慎重に針をはずしました。

もう1匹同じようにしてこの個体が釣れたのですが、この個体は結構おくまで飲み込んでおり針はずしを使ってとりました。すると、悲劇が起こります。足のくるぶしの上に落ちてしまいました。しかも背鰭がぐさっと。

ハイ、もうお分かりですね。私はハオコゼの痛みに苦しんだのでした。

痛みは結構長いこと続きましたが、夕方になってようやく痛みも引いて釣りを再開したのでした。いずれにせよ図鑑だけで「刺されると痛い」というのを実感することができたのは非常に貴重な経験でした・・・。

ハオコゼ科の魚は涙骨に大きな棘があります。この棘にも刺されていたのですがそのときにもちくりと、痛みがありました。これにも毒があるのかもしれません。


小さなカサゴみたい、でも・・・。

 

防波堤や地磯ではほかにも、小さなカサゴによく似ているものの、刺されると痛い、という魚がいくつかいます。

●イソカサゴの仲間


イソカサゴScorpaenodes evides (Jordan and Thompson, 1914)


グアムカサゴScorpaenodes guamensis Quoy and Gaimard, 1824

イソカサゴ属魚類は、スズキ目フサカサゴ科に属し、その多くの種類がインド‐太平洋域のサンゴ礁に生息しています。日本には9種類が生息し、イソカサゴは本州の岩礁域でよくみられる種類です。本種は釣り人におなじみのカサゴの小ぶりなものによく似ていますが、カサゴに見られる白色斑が本種には明瞭に見られず、むしろ鰓の近くにある大きな赤褐色斑が目立ちます。ほかにも背鰭棘数がカサゴに比べ多いことや、本種の頬には2棘あるのに対しカサゴでは頬部に棘がないかあっても明瞭でないなどの特徴があります。高知県の磯釣り・防波堤からの釣りではごく普通に釣れるものでした。

沖縄などのサンゴ礁や、八丈島の沿岸ではイソカサゴ属の魚がほかにも何種類か生息していて、採集できます。写真のグアムカサゴは、喜界島のタイドプールで採集したもので、引き潮の時間に子供の膝くらいの深さの潮溜まりで採集したものです。磯遊びの際にはこういう危険な魚がいることを、子供たちに注意するべきでしょう。楽しい磯遊びが台無しになっては可哀そうです。私もグアムカサゴには実際に刺されたことがあり、かなり傷みました。

●コクチフサカサゴ

コクチフサカサゴScorpaena miostoma Günther, 1877は、フサカサゴ科・フサカサゴ属の魚です。フサカサゴ属魚類は日本には5種類が分布し、多くの種類が水深100m前後の岩礁域に生息するのですが、この種類は水深10mほどの深さの場所にも見られ、釣れることがあります。フサカサゴ属魚類は、フサカサゴやイズカサゴに刺されて痛むという話がありますが、本種ではどうでしょうか。幸いにも刺されていたくなったという話は聞かないのですが注意するべきでしょう。千葉県から宮崎県の太平洋岸・日本海沿岸に分布しています。

たまにカサゴに似たマーブル模様のものがいて、体に白色斑があるのもいるようですが、頭がやや大きいことや、頬に棘があることなどでカサゴと区別できます。ほかの日本産フサカサゴ属魚類とは、胸鰭腋部に皮弁がないこと、口がやや小さいこと、側線が胸鰭上方で急にまがること、などにより区別されます。

●オニカサゴの仲間

オニカサゴ属の魚もフサカサゴ科に属し、日本からは13種類が知られます。多くの種類が琉球列島や小笠原諸島に生息していますが、本州から九州にかけての主に太平洋沿岸にも数種類が分布しています。

写真はイヌカサゴScorpaenopsis ramaraoi Randall and Eschmeyer, 2001という種類で、この個体は高知県の水深3mほどの場所で釣りました。このイヌカサゴも南日本の太平洋岸からインド・西部太平洋のサンゴ礁、岩礁、河口域に生息する普通種です。オニカサゴ属の一部の種類もやはり背鰭棘に毒があるようで注意するべき魚です。

イヌカサゴ頭部。長く伸びた赤いのは釣り針。サヨリ針って飲み込みやすいのです。オニカサゴ属魚類は、体には多数の皮弁があること、頬に多数の棘があることなどでカサゴと区別できます。オニカサゴ属魚類の同定については、胸鰭の軟条数や、頭部にある棘数などによってされますが、私のような素人が同定するには、その現物がないと難しいものです。

●カサゴ

最後にカサゴSebastiscus marmoratus (Cuvier, 1829)。カサゴの場合は体側の模様はマーブル模様であったり、白い模様が目立っていますので慣れれば先ほどまでご紹介しました危ない魚たちと区別できると思います。しかし釣りをはじめたばかりという方には、似たような魚に見えてしまうのは仕方がないでしょう。

カサゴは先ほどまでご紹介したものと比べ、眼下、頬の部分の棘が見られません。たまにある個体もいるようですが、その場合は小さく目立たないようです。ただしアヤメカサゴには眼の下に棘があります。写真に写っている棘は前鰓蓋骨で、これは旧フサカサゴ科の多くの種類に見られます。ちなみにカサゴ属魚類は、近年はメバル属やユメカサゴ属、場合によってはキチジ属とともに独立した「メバル科」の中に含まれる場合が多くなっているようです。

カサゴの棘については一般に無毒という場合もありますが、有毒というひともおり、よくわかりません。いずれにせよ棘には触らないほうがよいでしょう。

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ハナダイギンポ

2013年06月28日 23時05分48秒 | 魚介類飼育(海水)

水槽に新しいおともだちが加わりました。イソギンポ科のハナダイギンポEcsenius midas Starck, 1969です。昨日(6月28日購入)名古屋のラパスで購入。

ハナダイギンポは遊泳性が強く、中部太平洋に全身まっ黄色のものが分布するオウゴンニジギンポの仲間のようにも見えますが、ニラミギンポ属に含まれます。ニラミギンポ属にはマリンアクアリストにはおなじみのフタイロカエルウオや、ヒトスジギンポ、高価なタイガーブレニーなど、50種前後を含み、日本では太平洋側、琉球列島を中心に6種類が分布します。もちろん本種もその6種に含まれており、屋久島と、沖縄県の何か所かで見られます。

カラーバリエーションは若干あるようですが、黄色のものはとても美しいです。学名のmidasは、ミダス王のことでしょうか。尾鰭の様子もほかのニラミギンポの仲間とは違います。強い遊泳力をもちます。

眼の色は青く、頬の部分にオレンジ色の目立つラインがあります。標準和名に「ハナダイ」の名前があるようにキンギョハナダイの幼魚や雌にそっくり、それもそのはず、自然の海ではキンギョハナダイの群れに混ざってプランクトンを捕食するようです。実際に飼育していると、こけはほとんど口にする様子が見られません。

現在、非常によく餌 (メガバイト S) をおっています。餌はとくにプランクトン・フードでなくても構わないのですが、我が家ではサンゴにも与えられるようにプランクトン・フードも与える予定です。

またよく表に出てくるというのも飼育していて楽しいポイントです。ヤエヤマギンポは、ハナダイギンポを意識しているでしょうか??いえいえ、マイペースにコケをはんでいます。一方、この間ご紹介しましたアオモンギンポのほうは、ハナダイギンポを意識したのか、今日は初めてメガバイトを口にしました。

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マサバ

2013年06月26日 21時12分15秒 | 魚紹介

この間ちょっと遠めの防波堤に釣りに行ったときによく釣れたのがこの小サバ。

マサバScomber japonicus Houttuyn, 1782の幼魚です。

日本産のサバ属魚類はマサバと、ゴマサバの2種からなります。世界では4種ほどが知られ、マサバは日本の各地から西部太平洋、カリフォルニア沖まで分布するようです。日本では古くから「秋鯖は嫁に食わすな」とか「サバを読む」などといったサバにまつわる諺や慣用句などがあるなど身近な魚ではありますが、最近は海外、特にノルウェーのサバが多く輸入されており、それがスーパーの総菜コーナーに並ぶというのがあるようです。

マサバの幼魚はゴマサバによく似ていますが、背鰭の棘条数などによって区別されます。またマサバはヒラサバ、ゴマサバはマルサバなどというようにマサバはやや平たいように思います。

今回はサバを海辺で首おりなどを行い、鮮度たっぷりの状態で持ち帰ったのですが、さて刺身にしていただこうとすると、小骨が

 

多くて気になりました。ということで煮つけにしていただきました。ちょっと小さいけど、缶詰のサバと同じような味。しかも自分で作れる!

これをご飯の上に載せて食べると美味しいものです。

 

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イトヒキアジ

2013年06月23日 23時11分05秒 | 魚介類採集(海水)

今日はやや遠い場所まで車で行きました。その港ではこんな素晴らしい光景が見られました。

イトヒキアジです。アジ科の魚で、2匹で表層を遊泳していました。

この時の釣りの魚はまた書きます。

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アオモンギンポ

2013年06月22日 22時36分03秒 | 魚介類飼育(海水)

珍しいカエルウオの仲間を採集することができました。アオモンギンポEntomacrodus caudofasciatus (Regan, 1909)という種類です。

日本の本州中部以南太平洋岸や、日本海側西部ではいろいろなイソギンポ科・カエルウオ族魚類を見ることができます。アオモンギンポは八丈島、和歌山県、高知県、屋久島、琉球列島、小笠原と広い範囲に生息していますが、私は初めて見ました。

本種は分類上はスジギンポ属に含まれます。スジギンポ属、と言ってもピンとこないかもしれませんが、同属の中では分布が北によっているホシギンポは、新潟県・神奈川県三浦以南の日本海・太平洋沿岸および瀬戸内海や天草に生息するもので磯採集をされる方にはおなじみの存在です。スジギンポ属は日本に7種が分布しているとされます。

アオモンギンポの特徴は胸鰭の上方にある青緑色斑。よくにた名前の魚にアオテンギンポというのがいますが間違えないように。アオテンギンポは、ハナカエルウオ属の種類で日本では琉球列島に分布します。

我が家の水槽にはイソギンポ科の魚が5匹もいるのですが、その中では一番臆病な感じです。水槽の岩組の上のほうにいて、カエルウオなどと対峙しています。カエルウオは水槽の表層から中層を泳ぎ回り、最古参のヤエヤマギンポは底から中層にいることが多く、クモギンポはあちこち移動しまくります。

アオモンギンポもほかのカエルウオの仲間の多くの種類と同様植物食と思われます。この水槽では海藻がしげっていますが、この個体はサボテングサに付着する藻類を食っているようです。実際にコケのはえた水槽での飼育をすすめられる場合があるほどです。明るい富栄養の環境がよいのでしょうか。

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