魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ツノガレイ

2017年01月31日 10時16分34秒 | 魚紹介

1月も今日で終わりです。

以前いただいたカレイ。カレイ目・カレイ科・ツノガレイ属のツノガレイ。

ツノガレイは日本では北海道でしかお目に罹れない貴重な種だ。魚類検索第二版では北海道の限られた地域にしかいないような感じに書かれていたように思うが、第三版では北海道全域に生息することになっている。ほかに朝鮮半島の日本海沿岸や、北米の西海岸(北東太平洋)にも分布する。

本種の最大の特徴は眼の後方から側線始部までにある5個前後の突起である。これが整列して並ぶことで日本産のほかのカレイの仲間と区別することができる。この突起はかなり大きなもので、ほかのカレイと見間違えることはほとんどないといえる。頭部の背面から見るとカレイの仲間とは思えない雰囲気。最も頭部が右を向いているのでカレイの仲間だとすぐにわかってしまいそうではあるが。

有眼側の体側は黒っぽい、というか褐色の色彩であるが無眼側はマツカワみたいに黄色っぽいのがきれい。鰭には有眼側、無眼側、ともに目立つ縞模様がない。有眼側の体には白い斑点があるが、赤い斑点などは見られない。

Fishbaseによると全長が87cmとか言われているが、普通はもっと小さい。Pleuronectes属(ツノガレイ属)はいろいろと分類がややこしくなっている。魚類検索ではマコガレイやマガレイなどもツノガレイ属に含めていて、この考えに従っていることが多いが、Limanda属やPseudopleuronectes属に細分化する考えも強くなってきている。個人的にはマコガレイ・クロガレイ・クロガシラガレイはマガレイやアサバガレイなどとやや違う仲間のように思えるがどうなるだろうか。Fishbaseによるとツノガレイ属は3種だがうち1種は別属に含められる可能性が高いだろう。もう1種Pleuronectes platessaという種は大西洋産で全長50cm。有眼側に赤い、または橙色の斑点がありツノガレイよりはだいぶ華やかな印象。

今回は唐揚げにして食べた。旧年中に坂口さんに送っていただいたのだが、今回は年明けまで冷蔵して揚げて食べた。レモン汁をかけて「フレッシュレモン」10位のお祝い。坂口さん送っていただきありがとうございました。

 

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アカメ

2017年01月30日 22時55分04秒 | 魚紹介

またぶろぐを書くのを忘れてしまい申し訳ありません。気が付けば1月ももうお終いです。1月は茨城県の河川を開拓したり、雑誌(本日届きました、ありがとうございました)にも関われたりと充実した月でした。

アカメ科の魚は世界で3属約10数種が知られている。日本に生息しているのは少なくとも2属2種。沖縄県の西表島かたアカメ科と思われる魚の記録があるのだが標本が得られておらず、どの種かは不明だ。

アカメ科の魚は日本にも多数輸入されている。通称「ナイルパーチ」と呼ばれるナイルアカメ(以下、ナイルパーチ)と、バラマンディの2種。バラマンディはおもに観賞魚として輸入され、通称「シーパーチ」と呼ばれている。ただし成魚は巨大化することを考えるとあまり飼育するのには向いていないのかもしれない。ナイルパーチはここ数年ものすごく輸入されていて、沖縄や奄美など、スーパーではこれの加工品がよく販売されていたものだ。今も販売されているだろうか。現在日本に輸入されるナイルパーチはすべて冷凍されたもの。従来は観賞魚としても輸入されていたが、悪名高い「外来生物法」の対象種となり、輸入や無許可の飼育が禁止される。しかし実際には巨大な水槽があれば飼育できる種で、一律に「飼育禁止」とするのは頭が悪いように思う。まずは生き物の放流を禁止するようなルールをつくるのが先決なんだろうが、環境省など行政系は「放流」が大好きなのだ。

アカメ科は以前はもっと種類がいた。大西洋と東太平洋に生息するホソアカメ科の魚がアカメ科に含まれていたためである。現在は独立した科Centropomidaeとなっている。この科の中にはホソアカメ科の魚12種が含まれ、つい最近この属の魚が観賞魚として日本にも輸入され話題になった。ホソアカメはメーターを超えないのでこの仲間としては飼育しやすいのかもしれない。

分布域は神奈川県~種子島。日本固有種と考えられている。数が減少し、採集や釣りが禁止されている県もあるが、その理由は乱獲というよりも(もちろん幼魚の多数の採集なども問題があるのだが)、生息地の改変である。幼魚はアマモ場にもよく見られ、そのアマモ場を守ることがアカメの保全につながっている。現在ではかなり多くの個体が見られ、危機は脱しているように思われるが、それでも生息地の破壊ということはほかの魚でもよく見られる危機のパターンだ。今の日本は河川の改修を行い、「治水」「保安」の御旗のもとに生き物たちを殺しまくっている。アカメの飼育についても興味がある人が多いだろうが、最大でメーターオーバーにもなる種なので、一般的な家庭にはすすめられない。将来的に幅300cmの巨大水槽の購入を約束できる人しか飼育してはいけない魚である。

さて、長々と難しい話が続いたので、アカメの特徴をご紹介。重要な特徴として、側線が尾鰭にまで達するのだ(ただし写真ではわかりにくい)。尾鰭は大きく丸い形で、体高も高く背鰭棘もよく伸びており、この間のスズキとは容易に区別できる。ちなみに今回は2個体入手しているが、この尾の写真はトップとは別の個体のものである。

頭部の様子。高い体からしゅっとした、小さい頭が特徴的。眼が赤いから「アカメ」。口は下顎のほうが長い。アカメ科の魚は先ほども述べた通り、日本に明らかに分布しているといえるのはアカメとアカメモドキの2種類。アカメモドキは1属1種で、インド洋の東部~西太平洋に生息し、日本では奄美大島以南の琉球列島に産する。ややずんぐりした体で、上顎が下顎より長く、側線有孔鱗数がアカメよりも少ないのが特徴である。

なお、食味については不明。アカメは以前魚市場に入ったときに購入を逃してしまったことがある。今回の個体は、残念ながら冷凍→自然解凍→冷凍ということをしているため、あまり食さないほうがいいかも、ということであった。今回のアカメも、前回のスズキ同様に「サビキのカネマン」さんにいただきました。本日、無事耳石も採集できました。ありがとうございました。

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スズキ

2017年01月27日 21時46分52秒 | 魚紹介

ぶろぐ久々に更新。スズキ目・スズキ科・スズキ属のスズキ。宮崎釣行記事以来久しぶりの登場。今回の個体はちょっと痩せている。餌が少ないのか、それとも産卵後なのかげっそり。

スズキの特徴は吻がややとがっていること、体側に黒色斑がないこと。ただし幼魚、場合によっては成魚でも黒い斑点が出ていることがある。その場合タイリクスズキとは顔を見るほうがいいが、これも微妙なところ。宇和海ではタイリクスズキがよく釣れる。再生産しているかどうかは定かではないが、再生産しているかもしれない。いずれにせよ喜んではいられない。新しい外来魚問題を引き起こしそうだ。宇和島ではスズキはほとんど見たことがなく、タイリクスズキとヒラスズキが多い。河口付近の魚食魚としてはほかに、夏になるとギンガメアジ、ロウニンアジ(いずれも幼魚が多い)なども見られる。

尾部がほっそりしているのもスズキの特徴。ヒラスズキは尾柄部が太くて短い。背鰭鰭条数にも違いがあり、スズキは背鰭軟条数12~14、ヒラスズキは15~16が普通である。

最近とある理由があり、スズキが欲しかった。Twitterにその旨を書いたところ、サビキのカネマンさんに送っていただいたのである。とてもうれしかった。今回はスズキを2個体、ほかの種の魚(次回ご紹介します)を2個体。計4個体も送っていただきました。ありがとうございました。これではかどりそうです。サビキのカネマンさんはサビキの製造業者さん。ボラ皮で作ったサビキなどを販売されております。高知県の釣具店などで購入することもできるようです^^

さて。私の研究は主に魚の頭部を対象としているので、身は食べることができる。そうするにはまず魚体のサイズを測定する必要がある。全長、標準体長、頭長、そして種によっては肛門前長も。場合によっては魚体重もはかる。そうした計測データがないと、せっかく魚を手に入れてもむだになってしまうおそれがある。

スズキを食べたのはいったいいつ以来か。おそらく2005年以来ではないだろうか。私にとって釣りとはいつも餌釣りであり、ルアーやエギなどで釣ることはほとんどしないので、スズキとはあまり縁がない。以前釣ったスズキもサビキや投げ釣りで釣ったもの。あるいは定置網や地びき網で入手したものだ。最近ルアーでのスズキ釣りはシーバスフィッシングとよばれ、ライン、ロッド、そして標準和名を有する魚種まで横文字が並ぶようになりあまりなじめない。私は投げ釣りで狙う小ぶりのスズキ釣りのほうが好きなのだろう。

今回はムニエルにして食べた。新鮮なものは刺身でもいけるが、今回は一度冷凍していたもので、このような料理法がよいと思い、実際にかなり美味であった。きれいな水の場所で獲れたものならスズキの刺身も美味しい。

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ヌマガレイ

2017年01月23日 10時48分43秒 | 魚紹介

5年以上ぶりに登場。カレイ目・カレイ科・ヌマガレイ属のヌマガレイ。

ヌマガレイはカレイ科ではあるが(少なくとも日本近海産のものでは)眼が体の左側にあることがほとんど。カレイ科の魚では眼が体の右側にあるものが多いが、たまに眼が体の左側にある個体もいる。もっとも、それは「たまに」であり、ヌマガレイのようなケースは日本産のカレイ科魚類では珍しいといえそうだ。

ヌマガレイの体には骨質の小突起がある。1個1個が小さいもので、有眼側はもちろん、無眼側にもある。有眼側おものは薄い茶色っぽくわかりやすいが、無眼側のものは白くて写真では見にくい。でも確認できるであろう。そのほかの特徴としては背鰭や臀鰭の縞模様。本種のように明瞭な縞模様を有する日本産カレイ科魚類はほかにマツカワやトウガレイなどがいるが、これらの種類は鱗があるので区別は容易。このぶろぐでも以前にトウガレイについて書いているので参考にしてほしい。なお、ヌマガレイ属は分類学的にはイシガレイ属と近縁とされている。鱗がなく骨質の板があるのがイシガレイの特徴。この両種の間の交雑個体も知られている。

ヌマガレイは汽水域はもちろん、カレイの仲間では珍しく淡水域にも入ることが多い。同じように、先述のトウガレイも汽水域に入る。またヌマガレイもトウガレイも沿岸の海域に生息し、ヌマガレイと分類学的に近い仲間とされるイシガレイも温帯の浅海から河川の汽水域に生息している。ほかの沿岸性カレイ同様に投げ釣りで釣れる。ほか、刺し網などの漁法でも漁獲されている。ヌマガレイは口が小さく、甲殻類などの底生動物や小魚などを捕食していると考えられる。分布域は北海道から島根県までの日本海、千葉県までの太平洋岸で、茨城県以北に多い。海外では朝鮮半島の日本海沿岸からカリフォルニアまでの広い範囲に分布していて、北米産のものは眼か体の右側にあるのもいるそうだ。Fishbaseのサイトでも眼が体の右側にある個体が紹介されている。

ヌマガレイは意外なほど味についてよい評判を聞かないが、以前食べたものは臭みもなく美味であった。今回は煮つけにして食べてみた。皮はやはり小突起があるため皮ごと食べることがしにくい。皮は外して身を食したが美味。今回の個体は卵をもった「子持ち」の個体で卵も食したが美味であった。今回の個体も北海道産で坂口太一さんに送っていただいたもの。ありがとうございます。

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ヒフキアイゴ

2017年01月22日 16時25分28秒 | 魚介類飼育(海水)

久しぶりに我が家の魚、ヒフキアイゴ。昨年7月に我が家にやって来たものの、来た時からあまり大きくなっておらず、太ってもいない。藻類を食する魚は水槽ではやせやすい傾向にあるためまめに餌を与えて太らせるのがよいのだ。

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