昨日飼育していたミスジテンジクダイが亡くなってしまった。病気のようであったが、おそらくタスジイシモチに追い掛け回されたのが遠因かもしれない。テンジクダイの仲間でスジイシモチ属は種類が多いが、キンセンイシモチが流通するくらいで、複数種飼育するということはあまりないようである。
スジイシモチ属の複数種混泳については、難しいところがある。種数が多すぎてなかなか性格もつかみにくいのである。今回死亡してしまったミスジテンジクダイは中間的な性格をしているが、同じように太い縦線が入る、同じくらいのキンセンイシモチを追い掛け回していたことがあった。それにより、キンセンイシモチが傷ついて死んでしまうということがあった。今回のミスジテンジクダイも、タスジイシモチも、どちらも体側に太い縦線が入っているタイプでよくにており、攻撃対象になってしまったかもしれない。
以前、やはり採集してきたタスジイシモチとスジイシモチを飼育していたが、その時はスジイシモチのほうが、タスジイシモチよりも明らかに大きかった。にもかかわらず、スジイシモチはタスジイシモチに追いまわされてやがて死亡してしまった。おそらくタスジイシモチというのは、スジイシモチ属の中でもかなり気が強い種、といえるのかもしれない。今後は単独飼育になるかなー。タスジイシモチをよく見ると、吻がとがっていて、威嚇するときにほかの魚を突いてしまってけがをさせるというのもあるかもしれない。
以前飼育していたヤクシマダテイシモチ。2016年からしばらく飼育していたのだが、当時は種の標準和名がなかったので英語でハイフィンカーディナルとか、イエローストライプドカーディナルフィッシュなどと呼ばれていた種類である。結構大きくなり、がっしりしていた種類ではあるが、頭部が丸みを帯びていて吻端もまるいためか、ほかのテンジクダイの仲間とはうまくやっていたように思う。もっとも一緒に飼育していたテンジクダイが、シールズカーディナルフィッシュであったため、模様が大きく異なっていたからあまり攻撃的にならなかった、ということもあるかもしれない。タスジイシモチも、イトヒキテンジクダイやヤミテンジクダイにはあまり関心がない。
ミスジテンジクダイもタスジイシモチも、体形や斑紋が大きく異なればあまり攻撃的にならないかもしれない。ミスジテンジクダイとベラの一種パーリースポッテッドラスの混泳では互いにあまり意識していなかった様子。もちろん、テンジクダイの仲間の飼育は水質にも左右されうる。種によっては白点病などの病気にかかりやすいため、水槽をきれいに保ち、一定の水温や十分な水量とろ過システムが必須である。ろ過装置のない水槽であっても、健全なサンゴ水槽では長期飼育が可能だろう。