2011年3月9~12日に弟が沖縄に修学旅行に行っていました。その時、ブダイ、ハタ、タカサゴの購入をお願いしたのですが、ブダイはナンヨウブダイChlorurus microrhinos (Bleeker)を買ってきてくれました。
写真をみてもお分かりの通り、鱗が落とされています。また鰓も抜かれ、そこから咽頭骨も抜かれていました(これによってタカサゴの耳石はピンチとなるのですが)が、頭部はこの個体はちゃんとあり、また耳石のある場所もこの個体については問題なさそうです。実際、耳石を左右とも採取することができました。
さて、タイトルにありましたブダイの顎骨標本です。
ブダイの仲間のうち、アオブダイ亜科の魚は歯が癒合した「歯板」というのを形成します。この歯板が筋肉におおわれるか否かで種同定にも役立つ場合があったりします。ブダイの仲間の幼魚稚魚は常に同定に悩まされていますが、それを解消する手助けになるでしょうか。
これはナンヨウブダイChlorurus microrhinos (Bleeker)の顎骨にある筋肉を取り除く作業です。
このあと、接着剤で顎の骨をくっつけます。
完成したブダイの仲間の顎骨です。
アオブダイ属のナガブダイScarus rubroviolaceus Bleekerです。
イロブダイ属のイロブダイCetoscarus bicolor (Rüppell)です。
ブダイ亜科(スパリソマ亜科)、ブダイ属、ブダイCalotomus japonicus (Valenciennes)
前3種は主にサンゴ礁域で付着藻類を死サンゴや岩から削り取るようにして捕食します。最後のブダイは磯で甲殻類や大型藻類を捕食します。