魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

イロブダイ

2020年07月11日 19時19分36秒 | 魚紹介

3月に沖縄・石垣島へ行ったときに出会った魚。ブダイ科のイロブダイである。

イロブダイはその奇抜な色彩・斑点が目を引く魚だが、琉球列島ではふつうに見られる魚のようだ。成魚は全長50cmになり、最大80cmにまでなるという。

この種が有名なのは幼魚と成魚、成魚でも雌雄で色彩や模様が大きく変わるということだ。幼魚は白とオレンジ色のツートンカラーが特徴だが、雌の成魚は赤みを帯びた色彩で、成魚の雄はトップ写真のように極めてカラフルになる。

イロブダイの刺身。奥のほうにあるのはバラハタの刺身

イロブダイはこのように極めてカラフルな色彩をしていても食用になり、今回の個体は刺身で食したのだが美味であった。肝臓も大きいので食べたくなるが、ブダイ科の魚は肝臓が毒化しやすいようでアオブダイやナンヨウブダイで毒が検出されたことがある。下手に手を出すと命にかかわることがあるのだ。

なお、イロブダイは従来から学名が変更されている。従来はCetoscarus bicolorという学名が採用されてきたが、これは紅海のものにあてられ、インドー太平洋産のものの学名はCetoscarus ocellatusとなっているようだ。両種の違いを記した文献は残念ながら見つからなかったが、紅海のは下顎が白いようにみえる。ブダイ類は広域分布種とされていても、地域変異があるものが多いようだ。ハゲブダイも太平洋のものとインド洋のものは別種となっているし、オニハゲブダイも同様という。ヒブダイも日本近海にいるものと、紅海のものはちょっと違うような気がする。

この個体は石垣島の公設市場で購入したもの。前に石垣島を訪れたときにはこのイロブダイのとチョウチョウコショウダイ、ナミハタを購入したのだが、当時購入したイロブダイは雌であったため、緑色が美しい雄のイロブダイを購入したのは今回が初めてとなった。このほかにも何種かの魚を石垣島の公設市場で購入したが、それはまた今度ご紹介したいと思っている。

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「NAVERまとめ」終了について思うこと

2020年07月01日 15時07分09秒 | 魚類とインターネット

「NAVERまとめ」がついに終了することになった。今年7月いっぱいをもって新規アカウント申請を停止し、9月いっぱいでサービスも終了となるという。

さて、これについてはYahoo!ニュースでもトップに来ていて、ハフポスト日本語版の記事にたくさんのコメントがついて盛り上がっている。しかし、どうもあまり評判がよろしくない。
このタイプのサイトは従来からほかの人の画像を勝手に使ってきて使用していることもあり、引用がついていることもあるが、引用元さえ表記していないこともある。これでは引用の定義を満たさず違反となるだろう。筆者もこのサイトに画像を転載されていたが、引用の定義を満たさないものもあった。

さらに信ぴょう性の問題というものもある。

芸能人のだれがだれと付き合っているとか、だれがどこの学校に通っていたとか、だれが違法薬物をやっていたとか、これは場合によっては名誉棄損につながりうることであるが、このような情報がNAVERまとめやその関連サイトで散見されるものである。

2016年にDeNAの「WELQ」騒動というものがあった。これはWELQという医療情報サイトであるが、DeNAはゲームを開発したり、プロ野球の横浜DeNAベイスターズを運営していても、医療従事者ではない。つまりこの分野では素人であった。記事は外部のライターが委託で書いていたというが、チェックする体制が整っていなかったとみられる。

私がかつて作っていた魚図鑑サイトでは、少なくとも魚の解説はその魚について理解している人が書いていた。これは医療にせよ、魚にせよ、扱いを間違ったら生命の危機に至る場合があると考えていたからである。しかしWELQのライターについても医療従事者であればよかったのであるいが、実際はそうでもなく、肩こりの原因は霊のせいかもなどという、お笑い系かと思わせるような記事もあった。医療のサイトをつくるにせよ、魚のサイトをつくるにせよ、やはりその分野の専門家をつなぎ留めておく必要があるのである。そして鎖が切れたらその分野からの撤退も考えるべきだろう。医療サイトを作るのであれば医者だとか、製薬会社だとか(ただし製薬会社は自らがメディアを持つことも多い)。あるいは厚生労働省だとか。ただし厚労省のすべての人が正しい医療情報を提供できるかはわからない。魚であればやはり魚類学者だとか、釣り人、大学教授、市場関係者などで、できればそれぞれの分野から何人かが入ってくるのが望ましいといえる。偏ってしまうと「絶滅危惧種は放流して復活させればよい」とか「アユは水産上重要種なので放流は問題ない」だの、「このフグは無毒であるため食べても問題ない」という意見が出てきても誰も指摘しないという問題がある。

タグつきの越前がに

現在私はインターネット上でアクアリウム情報サイトを運営している。ほかのアクアリウム飼育系サイトとは異なり、自分で飼育した魚のみで、どうしても飼育したことがない魚の飼育情報の記事を書く時には取材のために実際に福井県の越前町にまで赴いた(仕事ではあったが、タグつきの越前がには本当においしかった)。

昨今は低品質サイトも、アクアリウムの分野ではだいぶ淘汰はされてきたものの、私自身は今後もポリシーを変更することなく、量よりも品質を重視したサイトを作成していこうと思う。

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