魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

5月は長いな

2012年05月31日 14時29分46秒 | 魚介類飼育(海水)

5月って本当に長く感じます。ミトさんと「名古屋港水族館」へ行ったのがまだ1か月まえなの?というのは、かなり意外なのです。

最近、イザヨイベンケイハゼPriolepis nocturna (Smith)がよく姿を見せるようになりましたので、久しぶりに写真におさめました。ハゼ科の魚はタフなものが多く、大型水槽で大きめの魚と飼っても動じない種もいます。写真でのお披露目は15か月ぶりでしょうか??昨年の2月に来て以来、まったく問題なく健康そのもの。

2年前の5月に喜界島のタイドプールで採集したヤエヤマギンポSalarias fasciatus (Bloch)。こちらも元気で暮らしています。長くいる割には登場回数が少ない種です。

ヤエヤマギンポは藻食性の魚です。採集した個体を解剖すると、緑色の藻類が胃の中にぱんぱんにつまっていたりすることがあります。ギンポの仲間は常に餌を欲しているのです。たくさんの餌をあげ、水槽によくコケがつくような環境ですと長生きさせやすいかもしれません。

水深30m位の色をイメージした、青い光の中で撮影。家はサンゴ岩の中、もしくは隙間。

レッドシーから出ている、「硝酸塩・亜硝酸塩テストキット」を購入。

ウツボ水槽の硝酸塩を測ってみました。真っ赤になっています。赤い色がつよいほど、硝酸塩が多いということです。水替えは、ちょくちょくとしていますが、濾過装置は13か月間フィルター掃除無しで動いています。フィルター交換の時期でしょうか。

90cm水槽のサンゴは変化なし。ムラサキハナヅタが領地を少し広げた感じでしょうか。ちょっとちぎって、別の場所に刺したりもしています。ハードコーラルで一番元気なのが写真のカビラタバサンゴ、よくポリプを広げています。飼いやすいサンゴということですが、餌もよく食べる種類、我が家ではコペポーダ、ワムシ、魚(イワシ)ミンチなどを与えています。

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フィリピン魚58.ブラックストライプドティバック

2012年05月30日 20時49分33秒 | 魚紹介

今日のフィリピン魚はブラックストライプドティバックPseudochromis perspicillatus Güntherです。メギス科の魚で、日本には分布しないとされている種類です。

本種の分布域は、インドネシアからフィリピンにかけての、狭いサンゴ礁海域。その見た目は、セダカニセスズメによく似ています。しかし、体が白っぽく、吻端から、体側の背部にかけて黒色線が入るので、よく目立ちます。

また、側線鱗は、前方が明瞭に白く、海中ではよく目立っています。色彩はこのツートーン・タイプのがおおく、茶褐色のものもありますが、変異は多くはありません。

ややとがった顔つきなどは、セダカニセスズメにもよく似ています。

歯の形も、セダカニセスズメのようで、上・下に1対、ほかの歯よりも長い歯を有しています。残念ながら、顕微鏡写真はあまりうまく撮れていないのですが・・・。

本種のコモンネームについては、 Blackstripe dottybackというものがよく使われており、ほかにもいる黒い縦帯をもつメギス類と区別するため Southeast Asian blackstripe dottyback というコモンネームも使用されています。日本には分布しておらず、標本に基づく和名の提唱もされていません。

 

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フィリピン魚57.トノサマダイ

2012年05月29日 18時09分38秒 | 魚紹介

久しぶりのチョウチョウウオ科魚類、今回はトノサマダイChaetodon speculum Cuvierです。名前から想像するのとは異なり、黄色い色で体側に黒色斑があるというかわいいチョウチョウウオです。

トノサマダイはフィリピンのほか、東はインドネシア、西はニューギニア、そして北は相模湾にまで見られる種類です。西部太平洋が分布の中心ですが、東アフリカでも見つかっているらしいです。本種はサンゴのポリプや、付着生物などを捕食しています。

斑紋は先ほどご紹介しましたように、黒色斑がひとつあるのみというもの。

その周辺が白くなく、背鰭や臀鰭の後方に黒色帯がないことなどによりイッテンチョウチョウウオと区別できます。以前ご紹介しました、「ウミヅキチョウチョウウオ」では、縁取りのほか、白い縁取りがなく腹部に白色線があるので、本種とは容易に区別できます。

本種は南日本の太平洋側でもよくみられます。幼魚だけでなく、成魚サイズの個体が採集されることがあります。サンゴ礁の枝状サンゴの多いポイントでは採集も難しいですが、漁港や磯などで容易に採集できるといいます。ポリプ食性の種類で飼育は難しいと思われがちですが、丈夫で長期飼育もできるのだそうです。ただ、それでもポリプ食性ということで、サンゴ水槽には向かないと思われます。

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フィリピン魚56.タンザクテグリ

2012年05月28日 13時53分55秒 | 魚紹介

今日は5月28日。ブログ6周年の記念日です。

今日のフィリピン魚はタンザクテグリAnaora tentaculata Grayです。タンザクテグリはネズッポ科の魚で、サンゴ礁域に生息する小型の種類です。

ネズッポ科といえば、釣り人におなじみの「外道」であるヤリヌメリやハタタテヌメリ、大きくなり天ぷらにして喜ばれる「ヨメゴチ」「ネズミゴチ」などの魚があります。これらの種類はおもに日本の沿岸に生息しているものですが、サンゴ礁域にもさまざまな種類のネズッポが生息しています。このほか、水深200mの深海に生息するもの、亜寒帯の寒い海にすむものまでおります。分布域も南日本、三大洋から地中海まで、世界中の温帯から熱帯までの広範囲におよびます。

タンザクテグリは西部太平洋の浅いサンゴ礁域に生息するものです。日本でも沖縄に分布しています。水深30m以浅のサンゴ礁域や、その周辺の藻場、海草場などにみられます。成魚でも全長6㎝ほどの小型種。

腹面には大きな斑点があり、ヒョウのような雰囲気もあります。大阪のおばちゃんは好きかな?

ネズッポの仲間は間鰓蓋の棘に特徴があります。本種では内側の突起が1本のみなのが特徴です。

ネズッポ科の魚は背鰭棘が「ぴん」と張っている、あるいは伸びるものが多いのですが、本種の背鰭は丸く、鰭が伸びたりすることはないようです。

フィリピンには30種近くのネズッポ科魚類が生息していますが、このタンザクテグリ属は本種のみの1属1種です。

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フィリピン魚55.テングハギ属の1種

2012年05月27日 02時51分11秒 | 魚紹介

今日のフィリピン魚は、ニザダイ科、テングハギ属の1種Naso sp.です。幼魚で、種の特徴がまだあまり、あらわれていません。

 


テングハギNaso unicornis (Forsskål)の成魚と、その頭部。大きな角状突起があり。長崎県産


テングハギの仲間の特徴といえば、頭部の「角状突起」思い浮かべますでしょうが、この突起がない種類も多いです。日本には13種のテングハギ属魚類が分布しているとされますが、うち、角があるのは4種ほどです。この仲間は尾柄部に骨質板があり、腹鰭が1棘3軟条と少ないのが特徴です。

写真のテングハギNaso unicornis (Forsskål)は、全長70cmになる種類です。ほかの種も50cmを超える大型種。この仲間はその独特な風貌から英語ではユニコーンフィッシュと呼ばれています。ただし、角のない種も「ユニコーンフィッシュ」と呼ばれていたりします。

骨質板は多くの種で2個以上ありますが、ボウズハギの類は1個のみ。ニザダイ属の魚の骨質板は4つほどあるのですが、この仲間は腹鰭の軟条数が5であり、テングハギの仲間と区別できます。


ツマリテングハギNaso brevirostris (Valenciennes)

ヒメテングハギNaso annulatus (Quoy and Gaimard)。まだ若いので頭部があまり伸びていない。定置網で漁獲された個体。三重県産

ツマリテングハギNaso brevirostris (Valenciennes)や、ヒメテングハギNaso annulatus (Quoy and Gaimard)などは尾鰭に特徴があります。ヒメテングハギは尾鰭後端が白くなり、ツマリテングハギでは尾鰭に横帯があります。

さて、先ほどの個体の尾鰭です。

この個体も、尾鰭の後端が白く、ヒメテングハギにしてよいのかもしれません。大きさの関係か、ちょっと白色の面積が狭いようにも感じられるのですが。この仲間は成長するにつれ斑紋が変わるものも多く、結局、同定は見合わせです。

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