魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

オニカマス

2010年08月19日 19時58分14秒 | 魚介類採集(海水)

17日に我が家のすぐ近くの湾で採集しました。網に入ったのは、これ!

カマスの仲間のオニカマスSphyraena barracuda (Walbaum)の幼魚です。

オニカマスは成魚で2m近くになる巨大魚です。しかし幼魚は湾内に生息し、沖縄などではルアーやフライで河川からも釣れるそうです。

オニカマスの含まれるカマス属は世界で26種、本邦からは10種が知られています。本種は鰓弓に鰓耙を有せず、巨大化するグループに含まれます。この仲間は日本近海には本種、オオカマス、ブラックフィンバラクーダの3種が知られています。

では、お味は・・・といいますと、本種はシガテラ毒をもつので成魚は食用にはなりません。沖縄でも市場に流通せず、多くの都道府県では流通禁止の魚種に指定しています。

さらに、時に人を襲うことがあるほど凶暴な性格で、その鋭い牙で泳いでいる人に襲いかかったというケースがあり、海外では死亡例もあるのだといいます。ダツと同じように光るものに襲いかかる習性があるようです。

では我が家の個体は・・・?翌朝みると、姿を消していました(涙 どのくらい大きくなるか見てみたかっただけに残念です。

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イズヒメエイ

2010年08月17日 22時42分06秒 | 魚紹介

大敷網で漁獲された魚です。

アカエイ科のイズヒメエイDasyatis izuensis Nishida and Nakayaです。

イズヒメエイは伊豆半島で見つかったのでこの名がつきましたがのちに高知県以布利でも発見されました。この個体も以布利産です。

アカエイとは尾の裏側にある、皮しゅうと呼ばれる部分の色が異なります。また体盤腹面の縁辺部の色もアカエイとは違う感じがします。

尾にはもちろん大きな毒棘があります。この個体には2本ついていました。これに刺されると、痛い目を見るのは確実でしょう。

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バショウカジキとヒシコバン

2010年08月14日 09時05分35秒 | 魚紹介

先日高知県土佐清水市・以布利(いぶり)に行ってきました。

以布利には大阪海遊館の研究所があったり、沖合には世界最大の魚類である「ジンベエザメ」と一緒に泳げるイケス(有料)があるなどで有名ですが、「大敷」という大型定置網でも有名です。

港で漁獲される大物といえばこのバショウカジキIstiophorus platypterus (Shaw and Nodder) です。定置網で漁獲されるのは沿岸性のバショウカジキばかりで、他のカジキはあがりません。このカジキは同じく定置網で漁獲されるマルソウダ (メジカ) を食べていたようです。ほぼ毎朝あがっていたように思います。

 

愛らしいバショウカジキの稚魚です。幼魚でも高い背鰭を有し、親をミニチュア化したようなものです。この個体は体長40cmほど。成魚は食用になるのですが、このくらいのサイズは残念ながら捨てられてしまいます。楽々ゲット。


バショウカジキが網に入ると、こんな魚も網に入ってきます。コバンザメ科のヒシコバンRemora osteochir (Cuvier)です。
コバンザメ科は大概、吸着する魚がきまっており、この種は主にカジキの類に吸着するようです。

ヒシコバンの稚魚です。これはバショウカジキの幼魚についていたもので、体長4cm前後の個体です。以前紹介したナガコバンはジンベエザメなどの大型サメ類につき、スジコバンはウミスズメなどフグの類についています。

 

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カワアナゴ

2010年08月09日 22時43分32秒 | 魚介類飼育(汽水)

飼育しているカワアナゴEleotris oxycephala Temminck and Schlegelを撮影しました。カワアナゴは「アナゴ」という名がついているものの、アナゴの仲間ではもちろんなく、広義でいうハゼの仲間(ハゼ亜目・カワアナゴ科)です。ハゼ科と異なり、腹鰭が吸盤状になっていません(腹鰭が吸盤状になっていないハゼ科の種もいる)。原始的な種です。

カワアナゴは河川下流~汽水域に生息します。穴ぼこの中などが大好きで、夜間は餌を探してすみかより出てきます。

肉食魚で、小魚や、甲殻類、特にエビを好んで食べます。近縁種のチチブモドキは、貝なども食べるようですが、本種はどうでしょうか。

上から見ると案外スレンダー。

この魚は手網でも採集できますが、釣りで釣れることもあるそうです。この日はウナギを狙っていましたが、結局獲れませんでした。

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ヤミハタ・マハタの見分け方

2010年08月08日 23時15分01秒 | 魚の見分け方

最近頂き物の記事ばかりが多いですね・・・

今日はヤミハタCephalopholis boenak  (Bloch)をご紹介します。

ヤミハタはユカタハタ属の魚です。ユカタハタの仲間は世界中の熱帯・亜熱帯海域に生息します。フレックルドハインドという種は本種に似ていますが本種の頭部には青い斑点がありません。ヤミハタの体側には白い斑模様があって、マハタHyporthodus septemfasciatus (Thunberg)に似ます。


マハタ

この2種の最もたやすい見分け方は、背鰭棘をみることです。

ヤミハタ背鰭

ヤミハタは背鰭棘が9本あります。この背鰭棘数9というのは日本産ユカタハタ属の全ての種にあてはまります。このほか、クロハタ、タテスジハタ、バラハタ属も背鰭棘を9本もちます。ちなみにスジアラ属は8本、アズキハタは10本です。

マハタ背鰭

マハタの背鰭棘は11本からなります。この写真では第8棘が短くて見えにくいですが・・・。このマハタ属は従来の「マハタ属」を構成する重要なメンバーだったのですが、近年本種が体高のあるハタが所属する別属にうつされました。しかし、この11本の背鰭棘というのは旧マハタ属の共通する特徴です。ただし中には12棘のもいるようですが・・・

またヤミハタが主として琉球列島など、珊瑚礁の浅瀬にいるのに対しマハタは幼魚では浅海、成長したものは深海にうつるなど、生態も大きく異なっています。ヤミハタは大きくても25cmくらい、一方マハタは大きいものでは1.9mに達します。

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