月曜日にこんな魚を見つけました。チゴダラという魚です。
チゴダラはタラ目・チゴダラ科の魚。この魚は深海性のものが多く、釣り人になじみがあるものはこれとエゾイソアイナメの2種くらいです。エゾイソアイナメと本種は同種である、という意見を聞きますが、別種にすべきという意見も多くあります。体色は本種が茶褐色、エゾイソアイナメは黒褐色、眼はチゴダラのほうがやや大きいなどの違いがあります。
チゴダラのひげ
本種もタラの仲間で下顎に1本のひげが生えています。
チゴダラの背鰭
背鰭は2基。第2背鰭は第1背鰭よりも極端に低いなんていうことはありません。第2背鰭には欠刻はなく、同じタラ目のメルルーサの仲間と見分けることができます。タラ科魚類では日本産の多くのものでは背鰭は3基になります。
チゴダラの尾鰭
チゴダラの尾鰭は顕著であり、背鰭や臀鰭とつながるようなことはありません。
チゴダラとエゾイソアイナメは先ほども述べたように非常によく似ており、この2種を合わせて「どんこ」と呼んだりして刺身や汁物などで食用になったりしますが、これは注意を必要とする名称です。というのも、日本の淡水魚の中にも「どんこ」と呼ばれる種類がいるからです。
チチブ
西日本で「どんこ」と称される、もしくは似た名前で呼ばれているのは淡水のハゼの仲間で、写真のチチブなども「どんこ」と呼ばれていたりします。この種類は河川の汽水域、泥の多い場所や人の手が入った場所にもよく見られる種類です。寄生虫がいる可能性もあるので生食はやめたほうがよいのかもしれません。ただしつくだ煮や揚げ物などではよく食べられる種類です。
ドンコ
一方標準和名でドンコ、と呼ばれる魚もいます。こちらが標準和名でドンコ、と呼ばれている種類。本種はハゼ科ではなく、同じハゼ亜目の「ドンコ科」とよばれているグループの魚です。ドンコ科の魚種は日本からは在来のものが2種、外来のものが1種知られているのみですが、ドンコは地理的・遺伝的に分化が著しい種類です。ドンコはドブのような河川で採集できるようなことも多く、生食には向かないですが、揚げ物などで食すると美味しいようです。
チゴダラの別名としての「どんこ」は現在では関東だけでなく、各種情報媒体であちこち使われていますが、これはあまり好ましいことではありません。今日か、明日にはチゴダラを美味しく食べたいと思います。