2024年もあと1か月となりました。さてこの間届いた久しぶりの魚。フグ目・カワハギ科・ウスバハギ属のソウシハギ。
ソウシハギはカワハギ科の魚でメーターオーバーになることもあるらしく、この科では最大級といえる。沖縄では「せんするー」と呼ばれ、そこそこよく知られた食用魚で、市場にもよく出る魚ではある。しかし、今回の個体はそのような個体と大きく異なる特徴がある。
ソウシハギの背鰭棘
それが頭部の棘。これは背鰭棘である。カワハギ科の棘はモンガラカワハギほど強靭なものではない。ゆえに折れやすく、市場にソウシハギや、同じ属のウスバハギが並ぶときはほとんどこの棘は取り除かれてしまうのである。以前(2021年)に入手したものも、残念ながら背鰭は短く切られてしまっていた。そのため背鰭棘つきのソウシハギを入手することができるのは釣り人の特権であるとされた。しかしながら今回ついに背鰭棘のあるソウシハギを某所から購入。それも2匹。長崎県の五島列島近海、定置網に入ったものだという。ソウシハギといえば夏から秋に流れ藻などについて北上、年によっては北海道、三陸近海にもその姿を現すという。ただ冬の到来とともに死んでしまう、所謂死滅回遊魚である。ただしこの個体は五島列島産なので死滅はしないかもしれない。高知県では防波堤でメーター近いソウシハギがうろうろしていることもあり、こういうとこのは間違いなく越冬しているだろう。
前回ソウシハギを購入したのは9月。例のトンキンオリンピックがあった年である。あの年のあの季節も暑かった。そのためお刺身でいただいた。しかし今回入手したのは冬。すでに夜間は氷点下に近くなる季節で、鍋の美味しい季節でもある。そのため身を薄く切ってしゃぶしゃぶのようにして食したが、これは美味であった。そのままでも美味しいのだが、ゆずこしょうもよく合うので悩ましいところだ。ただしソウシハギは内臓に毒をもつこともあるため、身のみを食べるようにしたい。また防波堤などで釣れた個体では、びっくりするほど臭う個体もいる。そのような個体の場合、とくに血が臭いように思う。
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