魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

セスジスズメ

2024年09月25日 16時54分08秒 | 昆虫・クモ

ようやく過ごしやすくなってきたかなと思うのだが、来週はまた暑いらしい。あまりにも忙しくお家ですら寝るだけのところと化した9月下旬、ようやく終わりそうでちょっとほっとしている。

さて。写真はセスジスズメというガ(蛾)の一種。このスズメガ系は幼虫(イモムシタイプ)が独特の模様や色彩をしていて(比較的)わかりやすいが、成虫は識別が難しいと思われた。しかしながら背中に走る白い線のおかげで、ほかのスズメガとは見分けやすいようだ。

幼虫はこんな感じで今の時期お馴染みのものだが、これが出現するということは秋であり、同時に寂しさというのも感じる。

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アメリカシロヒトリ

2024年09月23日 15時58分36秒 | 昆虫・クモ

外来昆虫のチョウ目ヒトリガ科アメリカシロヒトリさんの幼虫(毛虫)。いわゆる毛虫だが毒はないよう。ただしヒトリガ科には有毒のものもいるのだとか。幼虫は夏から秋に出現するので、この種でいいと思われるが、間違っている可能性もあり、一応未同定ということにしたい。なお、誤同定でなくてもコメント大歓迎いたします。ただし「魚のぶろぐなのに昆虫は」なんてご意見は一切受け付けておりません。あらかじめご了承ください。

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アフター学会その2

2024年09月16日 16時22分37秒 | 水族館・博物館

しものせき水族館 海響館の紹介の続き。今回はこの水族館の誇るフグ目の展示をご紹介。

入館するといきなりヤバイ魚が登場。フグ科シッポウフグ属のアマミホシゾラフグである。例の海底にミステリーサークルをつくるフグ。今回はこれを見るために福岡から関門海峡を渡る甲斐があったというもの。

クサフグ

釣り人には嫌われるクサフグも水槽でじっくり観察するとその社交性に驚かされるもの。水槽のレイアウトが波打ち際の転石域を再現しているのもすばらしい。実際にこういう環境の場所でよく出会うフグである。

ケショウフグ

色彩は派手ではないのだが迷路のような模様が面白いケショウフグ。英語名マップパファーもこの模様に由来する。モヨウフグ属のフグはその多くが40cmをこえることもあり、家庭水槽で飼育するのには限界がある。こういう水族館での飼育には向いている。

タスジフグ

やはり大型種のタスジフグ。残念ながらこのタスジフグはサザナミフグと他種によるハイブリッドとされてしまった。幻のナガレモヨウフグについても同様である。それにしても体側の模様が面白い種である。サザナミフグも分布が広いが、紅海のものなどは明らかに色彩が異なり、別種と思われるのだが、どうだろう?なお以前この水槽で飼育されていたアラレフグはいなくなってしまった。残念である。

トラフグ

食用魚としておなじみのトラフグ。複数匹入っているので、残念ながら自慢の尾鰭が短くなってしまっている。顔がかわいい。

アカメフグ

これもやはり珍しいアカメフグ。現物を見たのも2012年以来というフグ。「アカメフグなど東京湾では普通種でないか」とおっしゃる人も多いだろうが、東京湾などでいうアカメフグはヒガンフグのことで、毒のある場所も違っている。この水槽ではヒガンフグと思しきフグもいるので、トラフグ属同定ゲームなんていうのをやるのも面白そうだが、これは以前、というか数日前にもこの「魚のぶろぐ」で似たようなネタを書いたような気がする。

ミドリフグ

アクアリストにもお馴染みのミドリフグ。昔はTetraodon属とされていたが現在はDichotomyctere属という別属に変更されている。小さいメタリックグリーンのものがペットショップでしばしば売られているが、このくらいの大きさに育てることができた人は何人いるだろうか。アベニーパファーなどとは異なり、飼育には塩分が必須。海水でも飼育できる。

オーネイトカウフィッシュ

相変わらず外国のフグ科の充実もうれしい。イトマキフグ科・ウシハコフグ属のオーネイトカウフィッシュ。こういうカラフル系のものだけでなくMeuschenia属のカワハギのような地味な種の展示もうれしい限りである。

なおしものせき水族館 海響館は間もなく(11月末日)閉館し、2025年7月にリニューアルオープンの予定だという。リニューアル後の生物展示や研究の展示のさらなる充実を期待したい。フグ目で見てみたい魚が非常に多いのである。具体的な種はソウシハギ・コクテンハギ・キスジイトマキフグ・ベニカワムキ・フエカワムキ・そして国内で初記録となったサンサイフグ。そんなフグが泳いでいる様子をみたい。

帰宅後はすぐに現実に引き戻されることに。土曜日は暑い中12時間も立たされて椎名さんの心は完全におれてしまった。

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アフター学会その1

2024年09月15日 15時34分29秒 | 水族館・博物館

学会も終わった水曜日。関門海峡をこえて市立しものせき水族館 海響館を訪問。この水族館では地元関門海峡の魚、瀬戸内海の魚、日本海の魚を中心に色々と見せてくれるのですが、今回はその中でもちょっと変わった種類やお気に入りの魚、水槽などをピックアップしてご紹介したいと思います。

アカエイ

アカエイはあちこちの水族館でみられる一般種、ではあるのだが、ここのアカエイは見てもわかるように、全身の色素が抜けた神々しいアルビノ個体。よくぞここまで生き残っていたんだなあ、というような奇跡の魚。

ホシエイ

全身真っ黒で何が何だかわかりにくいのだがホシエイ。日本の温帯に生息するアカエイ科としては最大になるのではなかろうかという種。従来はアカエイ属に含まれていたがBathytoshiaという属に移動された。学名はBathytoshia brevicaudataとされたが、南アフリカやオーストラリア、ニュージーランドのものと北半球に生息するものではどこか違った印象を受けるため、日本産のホシエイの学名はおそらくBathytoshia matsubaraiとするべきなのだろう。

ホシエイ2匹

巨大なホシエイなのだが、水槽の壁面にへばりついて入館者たちを歓迎していた。水槽サイズには余裕があるようでホシエイが複数匹、のんびりと漂っていたり、ほかのエイと同じように底でたむろしていたり。アカエイとことなり、腹面縁は黄色っぽくはない。

スズキ

近海産の魚の展示にも素晴らしいところがある。このスズキもホシエイと同じ水槽に入っていたものであるが、スリムなフォルムが美しい。この水槽ではほかにもマダイ、ヘダイ、マアジ、イサキ、キジハタ、スギなど色々展示されていた。

ヒゲソリダイ

ドチザメといっしょにいるのはヒゲソリダイ。従来はイサキ科とされたが、近年は別科とされていることもある。金色の尾鰭、背鰭と臀鰭のそれぞれの軟条部はうす暗い水槽の中でも目立って見えていた。このヒゲソリダイも、意外なほど飼育している水族館は少ないと思っている(個人的には飼育されているのははじめてみたかも)。水槽にはほかにもカゴカキダイやキジハタ、珍しい近海産のゴマフエダイなども飼育展示されている。昔はヒゲダイなども飼育されていたが今回はお目に罹れなかった。

コイ

淡水魚水槽も充実しているかとおもいきや、魚の数は以前よりもだいぶ少なくなっていた。写真のコイやオイカワやカワムツ、フナ類は水槽のなかでも見られたが、イトモロコやギギ、ヌマムツなどはどこへ行ってしまったのだろうか。かわりになぜかニホンイシガメが2頭愛嬌を振りまいていた。しかしいつも思うのだが、この水槽のカメ、フタがないのに脱走したりしないのだろうか。気になるところである。

アケボノチョウチョウウオ...??

ここまでも十分にやばい生物を堪能したのだが、ここからはさらにすごい。サンゴ礁水槽にいたアケボノチョウチョウウオ、とおもいきやなんとスポットテールバタフライフィッシュである。アケボノチョウチョウウオよりも黄色が鮮やかで、尾鰭付け根の黒色斑もアケボノチョウチョウウオとはだいぶことなる印象をうける。上はイソギンチャクの一種で、ハマクマノミと共生している。イソギンチャクの触手には毒があり、魚が触れると麻痺してしまい、イソギンチャクに食べられてしまうのだが、この水槽のように遊泳のためのスペースが広くとられていると、深刻な事態にはならないのかもしれない。

クラカケチョウチョウウオ

クラカケチョウチョウウオは何気に初見のチョウチョウウオである。パンダの愛称で(狭い界隈ではあるが)人気も高いが、輸入されるのは小さく、飼育が非常に難しいという。しかしここで飼育されている個体はかなり大きく俊敏に泳いでいる。同じ水槽にはツキチョウチョウウオも泳いでいたが、ツキチョウチョウウオはオレンジというか、茶色というか、という感じの色彩をしており、容易に見分けることができるだろう。

ハクセンタマガシラ

ヨコシマタマガシラ属のハクセンタマガシラ。ヨコシマタマガシラ属でもフタスジタマガシラはまだ水族館では見られる種であるが、そのほかの魚は少ないように思われ、この属のフタスジタマガシラ以外の種で私が見たのは、他にいおワールドかごしま水族館のヨコシマタマガシラくらいである。そもそもイトヨリダイ科魚類が飼育展示される例は少ない。色は美しい魚であるため、やはり飼育がしにくいのだろうか。やや深場の種であるイトヨリダイ属などはそもそも飼育できる状態ではない個体も多そうである。背中の黄色い線が特徴的だが体側の模様も派手ではないが味わい深い。上品な色彩。

え!?ナンヨウアゴナシが!!

サンゴ水槽にはカクレクマノミやアカハラヤッコ、黄色いコガネキュウセンといったエース魚がそろうのはほかの水族館と同様。しかしここの水族館はほかの水族館と大きく異なり、なんとツバメコノシロ科のナンヨウアゴナシがいるのだ!日本産ツバメコノシロ属は本種をふくめ3種がいるが、私はこれでこの属3種すべてをみたことになる。この素晴らしい魚の出どころはどこなんだろう?

マメウツボ

地元山口県産のマメウツボ、なんていうヤバイしろものも。沖縄美ら海水族館にいるやばいキカイウツボ同様、のちに標本になるのだろうか。体側に大きな斑点があり、ニセゴイシウツボやヘリゴイシウツボと似ているとされたが、どうもこれらのウツボとは別グループのように思えてしまう。さて、この水族館といえばフグ目の展示なのだが、これはまた次回に続く。

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魚類学会2024

2024年09月12日 23時52分26秒 | 魚類関係の集まり

魚類学会の年会に参加。今年は福岡県の福岡工業大学で行われることに。昨年は長崎で行われたが今年も福岡ということで2年連続で九州での学会ということになる。土曜日の口頭発表ではいきなりアカエソ属の分類学的再検討からスタートするなど、熱い発表が二日間にわたって繰り広げられたのであった。

もっとも注目すべき魚類として、例のアジ科については未記載種らしい。日本で採集されてそう日は長くないアジ科の魚であるが、筆者は鹿児島産の個体を入手したことがある。実際に入手したときはインド洋に分布する同種よりも色彩的特徴が大きく異なり、別のアジとの交雑個体であることを疑ったが、実際には別種らしい。沖縄や東南アジアなどではこちらは見られるが、インド洋では見られないようである。過去にシノニムとされた個体についてもこの種とはことなっているらしいのだ。ただ何のアジ科はまだ書かない。そのうち文章でまとめられるだろうから、しばしの間のお楽しみということで。

ほかにもヘビギンポ科の某種の近似種群についてであるとか、あるいはヒラ科のある属についての発表、さらにはメバル科メバル属のある重要産業種については実は未記載であった、など新発見・新知見が盛りだくさんであった。

Twitterの世界で親しくなった知人も多数のポスターを発表していた。前日マリンワールド海の中道にご一緒していただいた「動脈」さんも某魚類についてポスター発表を行っていた。うちもそろそろ何か発表しなければ...。

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