魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

テンジクダイ類の混泳

2016年10月30日 11時51分09秒 | 魚介類飼育(海水)

最近のうちの水槽。テンジクダイ科は現在3種を飼育している。以前にもご紹介したイエローラインドカーディナルフィッシュとヤミテンジクダイ、そしてシールズカーディナルフィッシュ。最も前からいるのがシールズ(チークバー)カーディナルフィッシュ。我が家には2匹いる。我が家にいる2匹は其々尾部付近の斑紋の形が違うので、個体を識別しやすい。

強いほうは尾部付近のラインがまっすぐで点状になっていない。

弱いほうは尾部付近のラインが点状になっている。強いほうが弱いほうを追っかけまわしたため弱い方はかなりビビってしまった。そのため強い方を隔離し、弱い方を水槽で育て、弱い方を強いほうよりも大きく育てたあと、強いほうを水槽にいれた。

しかし今度は弱かったほうが強いほうを追い掛け回すようになってしまった。立場が逆転してしまったので、水槽にカクレクマノミを射れたら、少しは喧嘩は収まった。そして同時期に購入したイエローラインドカーディナルフィッシュを餌付け後に水槽に入れたらあまり追いかけるようなこともしなくなった。イエローラインドカーディナルフィッシュのほうがシールズカーディナルフィッシュより若干大きめだったのも影響したかもしれない。ヤッコ(キンチャクダイ科)の混泳の場合、後から追加するほうをちょっと大きくするというのはテクニックのひとつだ。またほかの種を同時に入れるというのもよく使われるテクニックといえる。この場合攻撃の対象を分散させるのだ。ただしヤッコの仲間は藻類やカイメンなどを食う。そのため餌場に縄張りをもち、入ってきた魚を攻撃してしまう。その攻撃はテンジクダイの仲間よりもきつい。

イエローラインドカーディナルフィッシュが近づくとシールズカーディナルフィッシュはライブロックの隙間に隠れる。このときはイエローラインドカーディナルフィッシュの特徴である体側の縦線が薄くなり、頭部が鮮やかな色に染まる。

テンジクダイの仲間はこのほかにも様々な種がいる。自然の海では群れているが、水槽で争うようになるような種もいる。そのような種との混泳は強い魚をいれて力関係を修正するのが一番。しかし強すぎる魚を入れるとバランスは崩れてしまいやすいので、そのあたりは注意する必要がある。

一方ヤミテンジクダイは同種同士では争うものの、ほかのテンジクダイ科魚類との喧嘩はあまりしない。おそらく属が違うためだろうか。自分の住処をもちそこからあまり離れようとしない。

多くの個体、多くの種、あるいは多くの属のテンジクダイ科魚類を一つの水槽で飼育するのなら、多くの隠れ家が必要になる。ライブロックを日本庭園風に置くのではなく、複雑に組み合わせて洞窟のようにするとよいだろう。

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コーラルフリークス20号

2016年10月28日 21時12分49秒 | 書籍

本日北千住→八潮に用事あり。八潮のお店でコーラルフリークス20号を発見、購入しました。

残念ながら20号記念「水槽レイアウトフォトコンテスト」に応募したものの、入賞することはできませんでしたが、私もたいへん楽しませていただきました。ありがとうございました。

また次のチャンスでは入賞狙います。

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アヤメカサゴ

2016年10月25日 01時23分27秒 | 魚紹介

カサゴ亜目・メバル科のカサゴ属といえば、釣り人にはお馴染みの魚だろう。陸からの釣りで釣れてくるのはほとんどがカサゴであるが、沖に出るとほかのカサゴ属の魚も釣れてくる。ウッカリカサゴと、アヤメカサゴだ。

アヤメカサゴは沖合でイワシやエビなどを餌にしていると釣れる普通種だ。全長30cmほどになり、イズカサゴやウッカリカサゴなどと同様に深場のカサゴ釣りの対象になっているようだ。写真の個体は和歌山県の串本近海で、おそらく釣りによって得られた個体と思われる。カボチャフサカサゴやヒオドシなどと一緒に我が家にやってきた。南方系の魚と思われるが、日本海では新潟県、太平洋側では岩手県以南に分布している。南は澎湖、香港付近までだが、屋久島付近では獲れているものの、琉球列島近海では見られないようだ。

写真からわかる特徴は、体側にある黄色の虫食い模様。ただしこれは不明瞭な個体も多いし、擦れて上がってきたものはウッカリカサゴやカサゴと見た目があまり変わらなくなってしまうことがある。

この個体は沖合底曳網漁業で上がってきた個体。かなりスレており、写真からはアヤメカサゴとはわかりにくい。

アヤメカサゴと、ほかのカサゴ属魚類を見分ける確実なポイントは、眼下から頬部に目立つ棘があることだろう。フサカサゴの仲間にはよく見られるが、メバル科ではあまり見られない特徴である。カサゴやウッカリカサゴにもまれにあるようだが、極めて小さいとされる。ほか、胸鰭軟条数がカサゴやウッカリカサゴよりも少ないのが特徴。

この個体の頬部にも立派な棘があった。

カサゴ属の魚はいずれも美味である。唐揚げや焼き物は定番であるが、新鮮な大型個体は刺身にしても美味しい。

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ナベカ

2016年10月19日 22時16分09秒 | 魚介類飼育(海水)

今回三浦での磯採集では、久しぶりな魚と出会うことになった。スズキ目・イソギンポ科のナベカである。

ナベカはほとんど日本各地の海にいるようだが、黒潮が強く当たるような海域にはあまり生息していないようで、温帯の海域を好む魚といえるだろう。私は今回三浦半島で本種を見ているほか、九州北岸、天草沿岸などで本種をみているが、なぜか宇和海でも見たことがない。なお、今回のナベカは私はうまく採集できず、別の方が採集したのをもらっただけ・・・。

ナベカ族は日本に6種が分布している。多くの種が褐色の地色で薄い模様があるだけという地味な種であるが、ナベカは鮮やかな黄色と、背鰭に入るきれいな青白い斑点が特徴の美しい種である。そして体側前半に黒い横帯があるのも特徴だ。鮮やかな体色から熱帯魚と思われがちだが、先ほども述べたように基本温帯性の種類である。分布は北海道から九州までの各地沿岸、朝鮮半島、中国沿岸で、沖縄などでは見ることができない。

イソギンポは世界で400種ほどが知られ、日本にも80種ほどが知られている。これらの仲間はイソギンポ族、カエルウオ族、ナベカ族、ニジギンポ族に分ける、または前ふたつの族と後ふたつの族とふたつの族をそれぞれ亜科にするなどしている。ナベカ属はナベカ族にふくまれ、この族にはほかにもクロギンポ属やマダラギンポ属の魚が含まれている。

カエルウオなどは水槽やライブロック、あるいは飾りサンゴに付着する藻類を食うため「掃除屋さん」として水槽に入れられるケースも多いが、このナベカの仲間は藻類も少しは食うものの空腹のときに付着する藻類を少し食うだけであることが多い。その一方で餌は配合飼料をよく食べてくれるため、餌付けが問題になることは少ない。本種のみの飼育で注意するべきことは夏の高水温だろうか。温帯性のため、あまり高い水温での飼育には向いていないようだ。

他の魚との混泳は、共生ハゼなどとはあまり向いていないことがある。ヒレナガネジリンボウと喧嘩し鰭が傷ついてしまった。上の写真はおしゃべりをしていてヒレナガネジリンボウが驚いたのではなく、威嚇をしていて大きく口を開けているのだ。ナベカはほかの魚にかみつくこともあり注意しなければならない。逆に強すぎる魚と一緒に飼育するのも向いていないようである。

ナベカ属の魚は長生きする。2012年7月の終わりに高知県の潮だまりで採集してきたクモギンポは飼育して4年になる。雑食性で餌もよく食い、丸く太っている。

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カミナリベラを飼育する

2016年10月17日 23時17分11秒 | 魚介類飼育(海水)

この間三浦半島へ磯遊びに行ってきたときに、カミナリベラを持ち帰ってきた。カミナリベラは磯に生息するベラで、幼魚はやや地味な色彩。大きくなると雌は頭部が赤色、雌は緑色の斑紋があるという、ベラの仲間らしい派手な色彩になる。

カミナリベラはよく磯採集で採集されるが、なぜかあまり長生きしないことが多い。カミナリベラの仲間は意外と神経質なのだ。同じように磯遊びで採集されるキュウセンやホンベラ属、あるいはカンムリベラ属とはそこが違う。カミナリベラは非常に神経質で、強い魚がいると何日も砂の中に潜ったままになってしまう。オグロベラ属も比較的神経質で飼育しにくいのだが、このカミナリベラも同じように扱ってあげるべき魚であろう。

以前飼育していた個体は、ソラスズメダイやミツボシキュウセンのハイブリッド個体などと飼育していて、砂の中に隠れたままになってしまい、結局長生きさせることはできなかった。今回は温和な魚を中心にした混泳で長生きさせたいと思う。餌はすでにメガバイトやコペポーダなどを食したりしているほか、壁やライブロックに付着している小動物を食しているようである。

カミナリベラは浅い岩礁域を群れで泳いでいるが、夜間は砂に潜って休息する。水槽に砂がないとストレスで短命に終わってしまう可能性が高い。また夜寝ているときにほかの魚に襲われてしまう可能性がある。砂はちゃんと敷いてあげなければならないだろう。

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