魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ロウニンアジ

2023年10月31日 14時39分36秒 | 魚紹介

諸事情により忙しくしばらく更新しておりませんでした。今日で10月もおしまいです。こちらはアジ科・ギンガメアジ属のロウニンアジ。

ロウニンアジはギンガメアジ属の中で最大級であり、それと同時にアジ亜科の魚としても最大級の魚である。なぜ最近アジ科魚類のぶろぐ記事が多いのかわからないが、これほどでかいロウニンアジを入手する機会はそうそうないので、紹介させていただいた。全長900mmを超え (正しくは976mmTL) 、もちろんこの数値は2021年冬のミナミギンガメアジをこえるもので、我が家にやってきた最大のアジ科魚類ということになった。もっとはやく紹介したかったのだが、例の太陽の冠のせいでなかなか食べられずにいたのでサクにして冷凍していた。

沖縄美ら海水族館のロウニンアジ

ギンガメアジ属のうち何種かの幼魚は河川に入ることで知られている。ロウニンアジも河川の上流、とまではいかないが河口域でギンガメアジやカスミアジといった種の幼魚とともによく釣れる。私は残念ながらロウニンアジは釣ったことがないのだが、それでも汽水域周辺で見ている。そしてほかの種と同様に成長した個体は内湾からサンゴ礁域にまで広くすむようになる。本種は頭部の傾斜が急であったり、やや体高が高いなどの点でギンガメアジなどと区別できる。また稚魚から幼魚の期間には体側に横帯が数本入るという点も特徴である。幼魚はたまに観賞魚店で販売されているものの、成魚は家庭の水槽で飼育することは不可能なので要注意である。巨大な水槽を有する水族館で飼育されていることも多い。

ロウニンアジは刺身にして食べたりバター焼きにして食べたが、いずれも美味であった。ただし熱帯・亜熱帯域の個体についてはシガテラ毒を有する可能性もあるため、あまりすすめられないのが残念である。下瀬 環氏の「沖縄さかな図鑑」においての評価としては「冬に脂がのったものは美味しい」としているが、「一般に市場価値はほとんどない」とされている。一方ルアー釣りの対象としては評価が高く、ロウニンアジという種標準和名よりも英名の「Giant trevally」またはそれを略した「GT」の名前でお馴染みであろう。

今回ロウニンアジを食したことにより、日本産ギンガメアジ属魚類のなかでまだ食していないものはカッポレのみとなった。カッポレは沖縄県や伊豆・小笠原諸島には多いものの、九州以北ではなかなかお目に罹れない幻のアジである。ただし水揚げはそこそこあるらしく、なんとか入手可能な種であるように思うのだが、いまだに入手がかなっていない。

今回のロウニンアジは鹿児島県の甑島近海産。鈴木享平さんより。いつもありがとうございます。

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市場に上がっていたそのほかの魚

2023年10月25日 08時16分09秒 | 魚市場

今回は長崎魚市場にいたそのほかの魚をご紹介したい。なお、これまでご紹介した魚のリンクを以下に貼っておく。

ベニテグリ

マアナゴ

ハマフエフキ

フエフキダイ

ヒラマサ

アラ

メイチダイ

長崎魚市場は本当にいろいろな魚がいる。こんなに心躍る体験は久しぶりであった。なんといっても驚いたのは初めてみたこの魚。あこがれの超巨大魚、メカジキである。メカジキは1科1属1種の魚であり、バショウカジキなどで知られるマカジキとは別科の魚である。残念ながらカジキ類のアイデンティティであるビル(吻)は落とされてしまっていた。この吻つきのカジキの写真を撮影したいのだが、どなたか...

メカジキがマカジキ科と異なる特徴のひとつが鰭である。マカジキ科の魚には腹鰭があるのに対し、メカジキにはそれがない。写真の腹部にある鰭は胸鰭である。浅いところから深いところにまで見られ、水深500mくらいの場所にまでいるらしい。突き漁や延縄などで漁獲され缶詰や切り身に使用される。分布は世界中におよび、日本でも北海道~九州までの太平洋・日本海・東シナ海、琉球列島にいる。

長崎県産のエビ。イセエビもそこそこ上がるよう。ほかクルマエビやクマエビなど。エビは専門ではないのでさよなら。ただ撮影だけはしておく。

トラザメ科のナヌカザメ。軟骨魚も専門ではないのでパス。この個体かどうかはわからないが、魚類学会懇親会ではサメの湯引きが登場するのである。サメは専門外であるが、テンジクザメ目のオオセ、ネズミザメ目のサメは欲しいところである(ここでもたまにあがるらしい)。いずれにせよサメを好んで食する地域でなければ、変わったサメは手に入らない。

ウチワエビは以西モノ。美味しいエビなので購入したかったのだが高価なため断念。以西はほかにも面白系のハコがいろいろあった。

やはり以西モノのシキシマハナダイ。シキシマハナダイはハタ科のハナダイ亜科、ないしはハナダイ科のアカイサキに似ているが、別科のシキシマハナダイ科に含められている。この種は刺身にしても塩焼きにしても大変に美味しい。これはピンク色が強く熱帯魚みたいに見えるが、基本的には秋田県以南の日本海岸、相模湾以南の太平洋岸、東シナ海に生息する温帯性の魚で、水深300m以浅の深場にいる魚である。

シキシマハナダイの雄(たぶん)。シキシマハナダイは雌雄で色彩の差は小さいといわれるがこれは雄のようである。鰭もよくのびて格好いい個体であった。安価な魚で自分で捌けるのであれば庶民の味方となる魚である。基本的に船釣りで釣れることがあるが、昔は持って帰るなんて人は少なかったのかもしれないが、現在は持って帰る人も多くなっているように思える(某SNSの投稿から)。

今回の魚市場は石田拓治さんにご案内していただきました。大変お世話になりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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クロボシヒラアジ

2023年10月23日 21時01分34秒 | 魚紹介

今朝Twitter...じゃなかったXでクロボシヒラアジを検索していて、だいぶカイワリやシマアジと混同されていた。しかもシマアジやカイワリをクロボシヒラアジと誤同定しているケースも目立った。どこぞのAIによる自動判定のせいなのか、それとも誰かがデマを流布しているのか。どちらかはわからない。だからシマアジやカイワリとの見分け方なるものを考えていこうと思って記事を書こうとしたら、なんとわが「魚のぶろぐ」にはクロボシヒラアジの記事がひとつもないではないか。ということで、今日はスズキ系・アジ科・アジ亜科・マブタシマアジ属のクロボシヒラアジのご紹介。

日本産のマブタシマアジ属魚類は3種が知られている。マブタシマアジは入手しているのでこの種も機会があればまたいつかご紹介したいが、もう1種のミヤカミヒラアジは全く見たことがなく、日本でも九州の定置網で何回か上がったのみという非常にまれな種とされる。いつかはお目にかかりたいアジの仲間である。クロボシヒラアジの特徴はいくつかあるが、マブタシマアジ属魚類のほかの種と見分けやすいポイントとしては鰓蓋の黒色斑である。この黒色斑が小さく、より上方にありかつ大きく目立つミヤカミヒラアジと見分けやすいが、同定形質として使えるかは微妙。クロボシヒラアジでは上顎が1列でミヤカミヒラアジは帯状となっている。もう1種のマブタシマアジは鰓蓋の黒色斑がないことにより見分けられる。

鰓蓋の黒色斑については日本産の本属魚類で黒色斑を有するものはこのクロボシヒラアジとミヤカミヒラアジのみであるが、ほかの属にもこの模様があるのは多数いる。体高がやや高めのもののみを上げてもマルヒラアジ、ヒシヨロイアジ、ギンガメアジ、ミナミギンガメアジなど。ただし顔の形状や模様などの雰囲気同定でも見分けられるし、九州をのぞくほとんどの地域ではクロボシヒラアジはほぼお目に罹れない(もっとも御徒町駅前の食料品店では本種はそこそこ並ぶようであるが)。黒い点があるからクロボシヒラアジと勘違いされたのであろう。しかし黒色点が入ることがほとんどないカイワリも本種と間違えられることがあるのはなんでだろう。

稜鱗(ぜんご)は39-51枚、ミヤカミヒラアジ(35-45)よりも多く、マブタシマアジ(48-69)よりも少ない。尾鰭は黄色で美しい。

クロボシヒラアジは紅海を含むインドー太平洋に広く生息し、ハワイ諸島にも分布する(本当か?)。また紅海からスエズ運河を経て地中海にも入っている。日本においては九州沿岸、とくに鹿児島県ではよく見られる。宮崎県においても門川湾や贄波の定置網で漁獲されており、両県での流通が多くみられる。しかしほかの県ではまったくといいほど見られず、高知県でも、お世話になった愛媛県宇和海の定置網でも見たことがない。地中海で分布を拡大したときは簡単なようにみえたが、日本近海ではアジ科の種が多様であり、本種の勢力が入り込む隙間がないのかもしれない。近縁属で1属1種のマテアジも以前は鹿児島でたまに見られたらしいが、最近は全く見られないようである。

アジ科の魚は「味がいい」ことから名前がついたとされるが、本種も刺身にして美味しい。日本では九州や一部の店舗で並ぶのみであるが、東南アジアではほかのアジの仲間とともに市場に並ぶ重要食用魚である。今回のクロボシヒラアジは鹿児島の田中水産 田中 積さんより購入したもの。いつもありがとうございます。

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メイチダイ

2023年10月21日 04時38分58秒 | 魚紹介

ついにこの日がやって来た。AKB48 3期生 柏木由紀さんがついにAKB48を去る日が近いうちにやって来るのである。2007年4月にデビューだから、16年もアイドルを続けていたことになる。ここまで長く続けるのは難しい。ちなみに現在のAKBメンバーの最年少メンバーは2008年生とのことで柏木さんがアイドルをやっていた時はまだ生まれていなかったことになる。おつかれさまでした。

さてここから本題、長崎魚市場で入手した魚の紹介も今回が最後。フエフキダイ科・メイチダイ亜科・メイチダイ属のメイチダイ。メイチダイは見た目がタイの仲間に似ているが、フエフキダイ科という別科の魚である。今回の長崎魚市場で見た魚としては重量では一番多いと思っているくらい多く、その数の多さには驚かされたものである。この個体は五島列島の定置網にて漁獲されるもので、大型船にのってやって来た。だから食用にならない小魚がぽろぽろと落ちていることもある。これは見ていてたのしいが、現地の定置網でもどれほどの種の魚がいるのか見てみたいものである。太平洋岸は魚類層がよく紹介されるが日本海側は死滅回遊魚が少ないためか、そんな報告も少ない。

市場を訪問したときには泳がせ(いけす)の中もメイチダイばかりであった。いけすにタイやハタなどがはいっているのはよく見るが、メイチダイをみるのははじめてであった。

そういえばメイチダイは去年も紹介した。しかしそれ以前に食したのは2011年にさかのぼるのではないかと思う。高知県産または鹿児島県産の個体ばかりであったため、長崎県産のものは初めて(だったと思われる)。探してもないときはない、のだがあるときはまとまってやってくる。それも「魚あるある」であろう。

今回のメイチダイは刺身で美味しく食した。美しい身に程よく脂がのっている。この魚も石田拓治さんより。いつもありがとうございます。さて、長崎の魚市場の魚紹介はとりあえずこれで最後にする予定であったが、購入はしなかったものの、市場にはほかにも多数の魚がおり、それも撮っていたものがあるので、また今度アップしたいと思う。

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シオカラトンボ

2023年10月17日 23時39分49秒 | 昆虫・クモ

トンボの仲間の昆虫は、すくなくとも成虫の登場はこのぶろぐでは初めてだと思う。茨城県で撮影したシオカラトンボ。

トンボの仲間をこれまで紹介できなかった理由は簡単である。トンボのような飛び回る昆虫はどうしても撮影が難しいためである。そしてその飛び回るトンボの写真を私に同定できるとは思えない。同定できるとすれば静止しているものを撮影した。尾部が細くなっているのでシオカラトンボと思われるが、本当にシオカラトンボかは私の同定では怪しいものである。

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