魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

久々のシコロサンゴと添加剤

2015年12月26日 21時35分21秒 | 魚介類飼育(海水)

購入してから長いことたっているシコロサンゴに若干のダメージ。水かえのときに新しい水を直接サンゴに当ててしまったことが問題だったようで、一部が白っぽくなってしまいました。もともと丈夫なハードコーラルであり、すでに白化はおさまりました。もともとそれ以前にある薬剤を水槽に入れたらサンゴが弱ってしまったということもあるのかもしれません。


現在は上から見るとこんな状況で、悪くはないのですが、白化したところが目立ってしまっています。


ブライトウェルシリーズの「リストア」という添加剤を使用することに。ストレスを受けたり、一部が白化してしまったサンゴにもある程度の効果があるようなので使ってみました。ジュースみたいな色で、いい香りがしています。このシリーズの添加剤はかゆいところに手が届くようなラインナップで非常に使いやすく、我が家でもいろいろ使っている安心のブランド。


我が家の水槽で使用している添加剤。カルシウム、ストロンチウム以外は全部この会社の製品です。カルシウムやストロンチウムは名古屋にいたときに通っていたお店でおすすめされたものなのですが、現在そのお店ではあつかっていないよう。

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ヒフキアイゴ

2015年12月25日 23時11分02秒 | 魚紹介

最近、とはいっても先月の19日のことなのですがwアイゴ科のヒフキアイゴをお迎えしました。水槽に長い毛状のコケがよく生えてしまうので、コーラルタウンの店長さんと相談してお迎えしました。

釣りをしていてアイゴに刺されたことのある母親はこの子をお迎えするのに難色を示していたのですが、実際に水槽で泳いでいる様子をみて納得してくれました。実はアイゴの仲間を飼育するのは2006年に福岡・津屋崎の磯でアイゴを採集して以来9年ぶりだったりします。ほかアミアイゴなども採集した経験はありますが、飼育はしていませんでした。

こちらは標準和名アイゴ。体は褐色で白い斑点があり、そこそこきれいな魚です。しかし鰭棘に強い毒があるので素手で触るということはしないほうがよいでしょう。概ね魚には背鰭・臀鰭・胸鰭・腹鰭・尾鰭がありますが、有毒の棘があるのは背鰭・臀鰭・腹鰭。アイゴ科の魚は腹鰭に2対も棘があるので特に注意。

実際にお迎えするとハゼに怯えて(!)最初はなかなか洞窟の中から隠れて出てこなかったのですが、しばらくすると出てくるようになりました。水槽の壁面に会ったやや長い毛のようなコケはだいぶなくなり、ライブロックに生えたコケも捕食してくれているようです。図鑑「世界の海水魚」(益田一・ジェラルドRアレン、山と渓谷社、1987年)によれば雑食性とあり、コケだけでなく配合飼料なども食べています。

ヒフキアイゴの体側にある黒い模様は個体によって若干異なります。黒い楕円形に近い形や、小さな円形のものなどいろいろあります。全く模様がないのはSiganus vulpinusとされていましたが、この種はヒフキアイゴと同種である可能性もあるようです。そうなるならば、ヒフキアイゴの学名はSiganus vulpinusとなります。

昼間はきれいな体色ですが、夜間はまだら模様に色彩を変えます。アイゴの仲間は色を変えるのが上手。

アイゴの幼魚

アイゴの仲間は食用としても人気があり、幼魚は沖縄の名産「すくがらす」、成魚は焼き物が美味しいです。沖縄では本種も食用になるようで多数漁獲されるのですが、観賞魚としてはフィリピンやインドネシアから入ってきます。この子もマニラ産。

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オキアカグツ

2015年12月24日 22時07分50秒 | 魚紹介

先日、私がどうしても欲しかったとある魚が漁獲されたと長崎 まる井商店の石田拓治さんからSNSで連絡がありました。その魚と、何種類か別の魚を入れて送ってくださったものです。

その中にこの魚が。

アカグツかと思ったのですが、これは触ってみるとまた別の魚でした。オキアカグツHalieutaea fitzsimonsi (Gilchrist and Thompson, 1916)という種類です。

アカグツは以前にもご紹介したことがありましたが、オキアカグツは初めて見る種類でした。アカグツ、オキアカグツともにやや深海性のアンコウ目・アカグツ科・アカグツ属の魚。アカグツは八戸から鹿児島までの太平洋岸と新潟県以南の日本海岸及び東シナ海沿岸、一方このオキアカグツは千葉県、九州-パラオ海嶺、台湾に分布するとされていましたが、魚類写真資料データベースによれば伊豆半島の沼津などでも確認されているということでした。

アカグツ

日本に分布するアカグツ属の魚はこのオキアカグツのほかに以前に紹介したアカグツ、ヒメアカグツ、ヘリグロアカグツ、まだ学名が決まっていないトゲアカグツ、そして日本近海ではほとんど記録のないテンジクアカグツの計5種類がいます。

オキアカグツの腹面

アカグツの腹面

オキアカグツとアカグツは背面からの写真だけでは区別するのは難しいです。よく写真で背中に線状の細かい模様があるのはオキアカグツにされたこともあるのですが、この特徴はアカグツにも出ることがあるのであまり参考にはならないようです。

おなかをなでると両種のちがいがよくわかります。オキアカグツは腹面がつるつる、アカグツにはビロード状の小棘が多数あり、ざらざらした感じです。また魚類検索によれば胸鰭の軟条数にも違いがあり、それによればアカグツのほうが少し多いようです。

オキアカグツと近いものにもう1種ヒメアカグツというのがいます。このヒメアカグツはオキアカグツと同様に腹部にビロード状の棘がなく円滑であるのですが、体の背面に模様がないことが異なっています。アカグツとオキアカグツでは背中の模様は同定ポイントにならないのですが、オキアカグツとヒメアカグツではちゃんとした同定ポイントになっているようです。

アカグツの仲間の消化管の中には線虫の仲間が多数生息していることがあります。いわゆる「アニサキス」に似たものが多数絡み合うような感じで入っています。写真のシャーレの中の状態では元気に体を動かしていたのですが、海水を張ったプラスチックバットの中に入れたら翌日には全員お亡くなりになってしまっていました。

キンセンモドキの仲間

コブシガニの仲間

胃の中からは線虫のほか甲殻類も多数出てきました。コブシガニの仲間やキンセンモドキの仲間。コブシガニの仲間はチョウチンコブシガニ?との意見もありましたが、なかなか難しいです。キンセンモドキも種類が多く同定困難。なおこのほかにコシオリエビと思われるものが出てきました。甲殻類以外では巻貝が3種ほど出てきましたが、同定はできません。魚類は出てきませんでした。

いよいよ食するのですが、アカグツの仲間はなかなか解体が難しい種類です。キッチンバサミで解体しました。

可食部は意外と少ないです。尾の身、肝臓、胃。皮は腹面のみ。胸鰭基部にも肉がありました。

それを味噌汁に。尾の部分はかなり大きな棘があり食べにくかったですが美味でした。

石田拓治さん、ありがとうございました。今日は12月24日。今年もあと1週間となりました。今年は我が家にとって激動の1年でした。来年は今年よりもっといい記事を書きたい。

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イトヒキイタチウオ

2015年12月19日 11時01分59秒 | 魚紹介

深海にはアシロの仲間がいろいろおりますが、日本では浅海性の種類はイタチウオやアシロ、ウミドジョウ(ウミドジョウは浅いといっても70mくらいですが...)くらいしかおらず、釣りではあまりなじみのない種類といえます。水深1000mより深い場所では、ソコボウズなどいろいろな種類が見られ、世界で最も深い海に住む魚類はこのアシロ科の一種の、ヨミノアシロであるといわれています。

この魚は駿河湾の深海で採集されたイトヒキイタチウオ。日本では東北地方太平洋沖から土佐湾にまで見られます。生息水深はアシロ科の中では比較的浅くて300m以深。その名の通り腹鰭が長いのが特徴です。口が開きっぱなしになってしまい、あまりいい写真とはいえないのですが、でも初めてみるイトヒキイタチウオに興奮です。この魚を送っていただいた「さかな人」長谷川さんには感謝です!

イトヒキイタチウオの特徴は、なんといっても長い腹鰭!腹鰭は1本の軟条からなり、臀鰭の起部を超えるほど長いのが特徴です。ちなみにイタチウオやヨロイイタチウオの腹鰭は2本。腹鰭が1本の日本産アシロ科魚類はほかにウミドジョウやモモイタチウオ、スカシチョウマンなどおりますが、同じ属の魚とされているものでも腹鰭の軟条数が1本であったり、2本だったりするのです。

アシロの仲間は刺身はもちろん、鍋や焼き物なども美味しい。今回の個体も小型ではありましたが美味しく鍋でいただきました。

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