我が家の水槽にすむロウソクギンポ。先代のアオモンギンポを一年ほど前に失ってしまい、2代目「かわいいカエルウオ」を襲名した。眼上のアンテナのような皮弁が細長く発達しているのが先代とちょっと違うところ。
喜界島で採集した個体であるが、紀伊半島以南の太平洋岸でも採集することができるようだ。ごく浅い磯の潮だまりに数匹で見られた。孔の中の潮だまりにいたのだが、そのような場所では潮だまりごとに全く別のカエルウオの仲間が生息していた。カエルウオの仲間はサンゴにいたずらし、捕食してしまうような種もいるのだが、ロウソクギンポはサンゴにいたずらをするようなことはないようである。体にある細い白い線のような模様があるのも特徴。眼の上の皮弁と合わせ、ほかのイソギンポ科とは区別しやすい。
カエルウオの仲間は主に藻類を捕食する。実際に磯でカエルウオを見ると腹がぱんぱんに膨らんでいるものが多いが、これは常時、岩に付着している藻類を食んでいるため。水槽でも餌をたくさん食う。やせた個体を絶対回復させることはできないというわけではないが、観賞魚店でこの仲間を購入するときはよく餌を食い、太った個体を選ぶべきであろう。
水槽では壁面に生えるコケを食べてくれるが、それだけでは足りない。植物食性魚類用の配合飼料も与えたい。我が家では植物食性魚類用の餌は、キョーリンの「海藻70」と、同社製の配合飼料メガバイトシリーズ「メガバイト グリーン」の2種類を与えている。メガバイト レッドはクマノミやハゼの類が好む。海藻70は大きな丸い餌で、底に沈みやすい。そのため底の方にすむカエルウオの類やハゼの類が好んで捕食する。
水槽の最近の変更点はサザナミサンゴ?を6月25日に新しく入れたこと。最初は私の好きなキクメイシの仲間かと思ったが、帰ってインターネットと睨めっこしていたらサザナミサンゴに近いものであるようだ。私は以前サザナミサンゴの飼育に失敗してしまっている。今度こそ長生きさせたい。最初はシコロサンゴの手前に置こうかと思ったが、ちょっと離したところに置くようにする。それは正解で、夜間にたくさんのスイーパー触手を出していた。この触手に触れると弱いサンゴが溶かされてしまうのである。夜間はラパスオリジナルのLEDを当てると鮮やかなメタリックグリーンに光り輝き美しい。
さて、今日は6月30日。今日でちょうど2016年も半分が終わってしまった。なお本日はコーラルフリークスの特別編集版「クマノミの飼い方がわかる本」(ネコ・パブリッシング)という本が発売になった。例のねずみの会社の映画「ファインディング・ドリー」の公開に合わせた特別編集版である。この映画にあわせた本としては以前コーラルフィッシュ誌を出していた枻出版社からも「カクレクマノミの上手な飼い方」という本が出されている。さらにマリンアクアリスト誌も健在。また海水魚ブームが来るのではないかと少しは期待しているのだが、前作のクマノミ映画の時のように魚をトイレなどに捨てたり、乱獲されることがあるのではないかと、若干ではあるが気になっているところである。期待しているところもたくさんあるがそのなかで一番大きいのは、さらに海水魚やサンゴが飼育しやすくなる、新しいテクノロジーが登場するのではないかというところである。前回の映画の後は器具の小型化がすすみ、だれでも海水魚を飼育することができるようになった。さらにこの本の中にはすごいクマノミ飼育のテクニックもある。詳細は中を見てほしいが、表紙にもそのヒントがある。なおこの本の私の執筆分は71~73ページ。仕事をもらうことができて私もうれしい。