魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

アゴハタ

2015年09月18日 18時49分23秒 | 魚紹介

先月はこのブログで毒のあるハタの1種「ルリハタ」について書いてきた。今回は再び毒のあるハタが我が家にやってきたので食することになった。これについて記録したい。

それがこの「アゴハタ」である。アゴハタは和歌山県以南に分布するハタの仲間だが、見た目は他のハタの仲間とは大きく異なる。他の日本に分布するハタ科の魚とは、ヌノサラシに近いようだ。ヌノサラシについては前回のルリハタのところで書いている。



アゴハタの属名Pogonopercaとは「髭のあるスズキ」という意味であるようだ。その理由は顔を見ればわかるというものであろう。下顎には大きな「ひげ」のような皮弁がある。この特徴はヌノサラシとも共通であるが色彩は大きく異なる。ヌノサラシは真っ黒な体に白色の縦線が多数入り、アゴハタは背中に大きな暗色斑があり、体全体に白色斑が散らばるのだ。このほか下顎の「ひげ」の大きさ。ヌノサラシにもある特徴であるが、ヌノサラシはこれが小さい。臀鰭は8軟条で、棘条も3本あるのだが、棘条は写真ではうまく撮影できず。今回の個体は、高知県の宿毛湾の市場で水揚げされたものである。送ってくれたお友達「与力水産」の竹村さんにには感謝です。


これを刺身で食べてみた。ものすごい脂でさばくのが難しい。味は意外と美味しい。こりこりとした食感も良いものである。身の一部には独特のにがみ?があるように思えた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8年ぶりの風来坊

2015年09月16日 11時18分27秒 | 魚介類飼育(海水)

今年の海はスズメダイ科の魚が少ない。スズメダイはそこそこいて、イソスズメダイとシマスズメダイは潮溜まりに多数。ネズスズメダイは採集できたが、他はオヤビッチャが少しいるくらいで、例年たくさんいるオヤビッチャはあまり見ない。そのほか、例年はたくさんいるソラスズメダイさえ殆ど見ていない。

しかしその割には「久々に採集」というのが多い年のような気もする。神奈川のコショウダイ、この間釣ったスズメダイもそう。イシダイも採集はするのだが釣ったのは久し振りかもしれない。



そしてフウライチョウチョウウオ。

私たち磯採集を好む人にとって、毎年目標とするのはチョウチョウウオの仲間。よく「ナミチョウ」と呼ばれるチョウチョウウオや、濃い橙色がまぶしいトゲチョウチョウウオ、「あらいぐま」ことチョウハン、白い色がほかのチョウチョウウオと異なるセグロチョウチョウウオなどがよく採集されるが、このフウライチョウチョウウオも同様に夏から秋に磯採集に繰り出す愛好家をわくわくさせてくれる種類だ。

熱帯性の魚であるこの仲間は、卵や稚魚が黒潮にのって運ばれてくる。このような魚は死滅回遊魚、あるいは季節来遊魚とか呼ばれたりする。多くの場合は冬になると死んでしまうので、死滅回遊と呼ばれるのだが、ベラや、スズメダイの仲間など、最近は死滅しないでそのまま磯に残っていたりする。

フウライチョウチョウウオは8年ぶりに採集した。チョウチョウウオの仲間の採集を楽しむ人にとってはお馴染みの魚。しかしお馴染みとはいえ、その白と黄色のコントラストにはわくわくさせられるものである。


無事に自宅へ帰り着いて、サンプに透明の板で隔離した個室で飼育。まさしくV.I.P.と同じような待遇であるわけだ。ただ完全な個室ではなく同じ日に同じ磯で採集したワニグチボラを入れた。ネズスズメダイやイソスズメダイも同様に採集してきたがこの2匹はかなり強いのでカクレクマノミと同じ水槽でも十分やっていけるはずなのでカクレクマノミ水槽へ。



フウライチョウチョウウオは実は難しい種類だという。サンゴのポリプもつついたりしているが、基本は雑食性である。餌付けはチョウチョウウオ飼育の為の重要なステップ。

まずは冷凍したアサリを与えてみる。むき身にしたアサリをライブロックの隙間に押し込むようにしておいたが食べる気配はない。カイメン。つついている。これで餓死するようなことはない。配合飼料を湿らせたものをライブロックに塗る。これはうまくいきそうだ。フウライチョウチョウウオは何度もつついている。

しかし1回に食べる量は少ない。餌付けにはだいぶ根気が要りそう。そして性格もおとなしく常にきょろきょろしている。臆病なのだろう。これが飼育が難しいといわれる理由かもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネズスズメダイ

2015年09月08日 18時47分07秒 | 魚介類飼育(海水)


土曜日にごく浅い潮溜まりで採集してきたスズメダイ科のネズスズメダイ。この魚を飼うのは久し振り。

ネズスズメダイは観賞魚としておなじみのルリスズメダイや、シリキルリスズメダイなどと同じルリスズメダイ属の種類。スズメダイの仲間は付着性の卵を産むためか、関東では見られない種類も多いのですが、このネズスズメダイは関東地方の磯でもたまに見られる。

幼魚には青い斑点があり、頭部から体の背部にかけて青いラインがあるのが綺麗。しかしこれらの特徴は幼魚にのみみられるもの。成魚になると、これらの特徴的な色彩は薄くなりやがて消えてしまう。


以前採集した個体。この個体はヒトのおとなの膝もないくらいのごく浅い潮溜まりにいて、2本の手網で大きな岩の下にいたものを掬ったもの。ネズスズメダイは成魚も、幼魚も極めて浅いタイドプールやサンゴ礁に見られ、とくに熱帯ではやけどするくらいの太陽光のもと青いラインが輝いていて非常に美しいものだ。

飼育の際の注意としては、あまりたくさん持ち帰らないことがあげられる。スズメダイの仲間のうち、このルリスズメダイの仲間はテリトリーを作りたがる。幼魚のうちはまだよいが成魚は数匹入れると殺し合いが始まってしまう。他の魚に対しても気が強いので、成魚は同じように気が強い魚と一緒に飼うようにしたい。餌は自然下では主に付着藻類を食うが、水槽では生の餌から配合飼料までなんでもよく食べ、病気にもあまりならず、とても飼育しやすい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スズメダイ

2015年09月07日 21時13分23秒 | 魚紹介

昨日日曜に久しぶりにスズメダイを釣った。

「ソラスズメダイ」「ナガサキスズメダイ」「ミツボシクロスズメダイ」など「~スズメダイ」を釣ったことは何度もあるが、この標準和名「スズメダイ」を釣ったのは久し振りである。おそらく5年ぶりくらいかもしれない。

スズメダイは全身が青いわけではないし、黄色いわけでもない、体の後方に小さな白い斑があるだけの地味なスズメダイだが、尾鰭の形が格好良く個人的には好きな魚である。

地味ではあるが、おなかの部分が薄らと青っぽい。この魚を釣った防波堤ではメジナ等も群れていたがこの種類は先ほど述べた白色斑のおかげで海の上からでもよく目立っていた。しかし不思議と釣れたのはこの2匹のみ。美味しい魚であるが面倒くさいので結局この日釣った魚でお持ち帰りした魚はなかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒラテンジクダイ

2015年09月04日 10時43分53秒 | 魚介類飼育(海水)

新しい子が我が家の水槽にやってきました。テンジクダイ科のヒラテンジクダイOstorhinchus compressus(Smith and Radcliffe,1911)です。

テンジクダイ科の魚はあまり観賞魚としての人気が高いとはいえないのですが、それでも本種は赤茶色の縦帯と尾部の黄色、青く光る眼などよく見たら美しい魚です。ほかにも美しいテンジクダイ科の魚は多く観賞魚としての人気が出てほしい魚といえます。

テンジクダイの仲間は群れで行動するものが多く、数匹で飼育するとよいものがいます。ネオンテンジクダイ、スカシテンジクダイなどは群れで飼育するとよいでしょう、というか群れで飼育するべきでしょう。一方シボリなど単独でいる種も知られています。今回のヒラテンジクダイは枝状サンゴの合間を数匹で泳ぐことが多い種です。


テンジクダイの仲間は動物食性でプランクトンや冷凍のミシスなどを食べさせます。しかしながら今回のヒラテンジクダイはいきなり配合飼料を食い始めましたので、これを軸に様々な餌を食べさせたいと思っています。ちなみにヒラテンジクダイは大きいもので10㎝近くになります。親が口腔内で卵を保護するという習性はよく知られており、難しいですが繁殖も夢ではないかもしれません。


最後にシコロサンゴ。我が家の水槽でもかなりよく成長しているサンゴです。3月に破片をライブロックに接着したのですが、もうかなりよく成長しています。前回の6月18日のと比べてみてください。もうライブロックの頂にまでとどいてしまいました。

6月18日


8月31日

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする