マスコミの多くが安倍首相をこきおろしている。ネットがなければ国民の多くが安倍政権の安全保障や外交政策に反対しただろう。60年安保騒動の再現もあり得ただろう。しかし、そうしたデマゴーグに踊らされるほど、今の国民は愚かではない。思い起こしてみればいい。「若者を戦場に送るな」「日本軍国主義の復活」とかの言葉は、耳にタコができるほどに私たちは絶えず聞かされてきた。今度は自衛隊の活動がどこまで拡大するかどうかだそうだ。冷戦体制が崩壊するまでは、日本はアメリカの核抑止力と制海制空権の庇護のもとに甘んじてきた。平和がタダで手に入るかのような錯覚があった。とくにアメリカの核の傘は圧倒的であった。今や事態は急変している。アメリカは東アジアから手を引きつつあり、中共の軍事的脅威に直面している。日本がアメリカとの同盟関係を強化するのは当然だ。それをしなければ、日本も韓国と同じように中共の属国と化すだろう。何度もお花畑は現実によって否定されてきた。戦後間もなく全面講和にこだわった平和問題談話会は、小泉信三がソ連の脅威を説いたのに対して、全体主義国家ソ連の崩壊も予想できず、都留重人らが「ソ連恐怖症」と一蹴したのである。陸海空の自衛隊が発足したのが昭和29年であった。それから日米安保と自衛隊が日本の安全を維持してきた。中共の軍隊はアメリカ軍にすら挑発を行っている。第二の平和問題懇話会の過ちを繰り返すマスコミは、中共の侵略に手を貸すだけの言説に、本当に責任を持てるのだろうか。とんでもないお花畑である。
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