日本国民のなかにある亀裂は情報の違いによるものである。世代間の差が浮き彫りになっており、60歳以上はアベガ―ばかりである。新聞やテレビが唯一の情報源であり、連日の朝日新聞の反安倍報道に振り回されてしまっているのだ▼葦津珍彦は『土民のことば―信頼と忠誠との情理』に収録された「右翼ハイ・ティーン」において、昭和35年の安保騒動の頃から若者の間に日教組への反発が広がっていたと書いている。「日教組の教員たちの独断的無知を立証するのは、少年たちにとっ決してむつかしいことではない。少年たちは、教師とは独立して、読書する。図書館や古本屋で発見した右翼文書は、いまでは国家権力の背景をもたず、むしろ公的な場所では悪書として断罪されている。だがそれだけに、それは切々として、わかい日本人のたましいの要求に、素直に呼びかける生命力を復活したとすらいい得るであろう」▼58年前からすでに日教組の偏向教育への反発は広がっていたのだ。そうした情報も今はネットで自由に手にすることができる。葦津が「教師がいかに非難しようとも、英雄的な日本の戦記文学に心をひかれ、悲壮な戦争映画にあこがれるのは自然である。そして子供たちは、戦争についても、公式平和論者の教員たちよりも遥かに豊富で、遥かに正確な知識を有つにいたる」と指摘したとき以上に、若者の意識はまともになってきたのである。
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