言葉探し 2016-11-02 09:33:37 | エッセイ 「失われた言葉の断片」はかなり好意的に読まれた。 話の展開に引き込まれたという嬉しい感想も戴いた。 ただ、最後の「この男に抱かれてもいいとさえ思った。」の言葉に違和感を覚えた読者が多かった。 推敲では、「この男に抱かれてもいいとさえ思った。私は淋しかった。悲しかった」と言葉を追加した。それからまた言葉探しをしている。 昨晩「助ける」という言葉が浮かんだ。 何度も頭の中で繰り返した。 案の定眠れなかった。 「この男に抱かれてもいいとさえ思った。」→「私はこの男を助けたいと思った。」 とした。文章の場所も変えた。 有賀の腕から血がにじんでいた。彼は気にならないようだ。痛覚もないのか。私はこの男を助けたいと思った。 確かに、作者の思うところはぐっと近くなった。 私の中でこの小説はなかなか終わらない。