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そっくり
私の父母は二人とも亡くなっています。
歳をとるにつれ、父母のことを思い出す頻度が増えました。
話は変わりますが、母系制の島(キリウィナ諸島)があるそうです。
母方の血筋が最優先する社会制度だそうです。
確信のない父系よりその方が確かですよね。
落語にもこんなのがありました。うろ覚えですけれど。
―七人の子共のうち、三番目の与太郎はどうも俺に似てへん。
頭は悪いし、いつも鼻を垂らしてやがる。日頃から疑っていたやさき、
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女房が交通事故に、
今際の際に、思い切って女房に聞きます。
「頼む教えてくれ! 与太郎は俺の子か」
「なにを言うてんのんあんた。あの子だけはあんたの子やで」
―
確かに、父親はDNA鑑定でもしない限り確証はないわけですね。
しかし、ある歳になると、父親は自分の体のいたるところに現れてきます。そうして、呟くことになります。
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「そっくりやなあ」