創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

狩りの時代・津島佑子著

2016-11-03 14:34:42 | 読書
狩りの時代・津島佑子著を読んだ。
巻末に津島 香以さんの
『「狩りの時代」の発見と経緯』があり、
「差別の話になったわ。」
―母がそう言ったのは二〇一五年の暮れ。夏前から新作に取りかかっていた。―
とある。
津島祐子さんの言葉を深読みすると、「差別の話になった」ことが作者にとって不本意のようにもとれる。
作者のテーマは、「不適格者」という言葉である。
あの人は教師には不適格だというが、不適格者という言葉はない。
不適格な者(人)とは、人としての資格がないと言うことになる。
もっともひどい差別語である。
そんな小説を書きながら、それも「差別の話」ねえという作者の嘆きと諦めのように私には聞こえた。
そして、「狩りの時代」は相模原障害者施設殺傷事件として私達の目の前で起こった。