昨夜眠りにつけたのは日付が変わってから。夫の鼾には悩まされつつも夜中に起きることなく、朝まで5時間以上連続して眠れた。朝の連続テレビ小説をベッドで視るという罰当たりな月曜日の朝である。お腹は有難いことに落ち着いている。昨夜軽く済ませておいてよかったと思う(夫は足りなくておやつを頂いていたけれど・・・)。
今日はお天気が崩れるという予報。恐々カーテンを開けると雲は厚いが、雨が降り出しているわけではない。
息子は打ち上げの2次会まで出て、ホテルにチェックインしたのも大分遅かった模様。何時頃なら来られるのかと連絡したところ、10時なら、ということになった。相当二日酔いの様子だ。
私たちは、足湯を済ませてからホテルのラウンジでのんびりモーニングセットを頂く。窓の外は灰色。今にも降りそうな雲行きだ。この3日間で一番気温が低いようだ。
ゆっくり食事を済ませ、部屋に戻る途中に息子と合流出来た。部屋で荷物をまとめ、お土産等を渡し、チェックアウト。荷物を預けて、いざ紅葉狩りである。
お昼にお友達と会う予定もあり、手短に紅葉を愛でるならここだろう、ということで、タクシーで東福寺に向かう。
私たちも数年前の新緑の頃、青紅葉は拝んだけれど、こんな紅葉のトップシーズンに訪れるのは初めて。いくら平日とはいっても相当の人出を覚悟した。タクシーを降りて、お寺までの道々、見事な紅葉があちらこちらに。皆カメラを構えてなかなか歩みが進まない。「そうだ、京都、行こう」のCMでも登場した通天橋は言わずと知れた京都を代表する紅葉の名所である。
臥雲橋を渡る前の道から「写真撮影禁止、立ち止まらないでください」と係員の方たちが厳しく誘導するが、ここで立ち止まるなとはなんとも無粋なこと。皆、名残惜しそうにカメラやスマホを向けて、じりじりと歩く。橋の拝観受付でチケットを購入し、沢山の観光客に紛れて庭園を愛でつつ歩く。どこを見ても、濃淡の紅葉が途切れるところがない。青空でなかったのがちょっぴり惜しかったけれど、これほどの絶景を拝めて文字通り眼福である。お堂の黒い屋根と紅葉の赤のコントラストが本当に素晴らしい。
アップダウンの砂利道を歩きながら足の裏の痛みも忘れて、空を仰ぎ、あまりの美しさに知らず知らずのうちに口が空いている。間抜けな顔をしているなあと苦笑するばかり。夫も息子もそれぞれたっぷり写真を撮り、開山堂をお参りして、帰途に就く。
朝、ポットの紅茶を3杯も頂いたせいか、お手洗いに行きたくなるが、当然混雑しているから長蛇の列。うーん、これは駅まで頑張ろうとハイペースで歩き始めたところ、天の助け!駐車場のお手洗いが目に入る。ガラガラで綺麗。ラッキーだった。
その後、私はお友達とランチをご一緒する約束になっていた。東福寺の駅から三条まで京阪電車に乗り、そこから烏丸御池方面に向けて3人でぶらぶら歩き。待ち合わせ場所のレストランに向かった。鴨川、高瀬川を渡り、白鷺の姿も見、久しぶりの京都の街中を散策。雨は降りそうだったが何とかもってくれて感謝。携えた折りたたみ傘はお守り替わりである。
お友達が予約してくださったのは八百屋さん(とは思えないお洒落な建物!)が母体となったというフレンチのお店。私が到着するとMさんは既に到着されていた。案内された窓際の席からは屋上の農園が一望できる。畑土は丹波で丁寧に土作りされ、土厚はなんと50cmもあるそうだ。あたかも田舎の農場を切り取ってビルの上に設置したかのよう。街の中心部でこれだけ本格的かつ大規模な屋上農場は日本でも初めてだそう。
野菜をふんだんに使ったお料理は盛り付けも彩りも目で楽しめ、口に入れると優しい味わいが広がる素敵なものだったが、悲しいかな、お腹の調子がちょっと心配で、調子に乗って頂いて後で酷い目にあっては、と完食出来ず、控えめ控えめ・・・である。
私としてはあるまじきデザートも半分でおしまい・・・という羽目になったが、久しぶりにお目にかかってお喋り出来て、とても幸福な時間を過ごせた。
たっぷり2時間、積もる話に興じた後は、私は地下鉄駅へ、彼女は駅前の本屋さんへ、ということで「またお目にかかりましょう」とお別れし、私はチェックアウトしたホテルのロビーを目指した。
一方、2人は四条河原町にある老舗の中華料理店で豪食した模様。こちらの到着が待ち合わせの時間ピッタリだったので、既に2人が着いているのではとラウンジに行ってみたが、姿が見えない。心配になってLINEをしたところ夫から電話があり、息子の買い物に手間取ってまだ駅構内にいるので、職場のお土産を先に購入しておいてほしいとのこと。慌てて駅地下で自分の職場の分も合わせて買い求めていると、夫が到着。
若干時間があったので、ラウンジで3人でお茶。新幹線の時間が迫ったところで、息子にはどうぞごゆっくりということで、2人で席を立った。
予約したのぞみは時間どおりに発車。車中でも腹痛に見舞われることはなく、帰路も読書タイムとした。夫は疲れたのだろう。あっという間にコックリコックリ。そして起きたかと思ったら、アイスクリームを買って一人幸せそうに頂いていた。私は一口だけ頂いてじっと我慢。ああ、お腹の調子が悪いって本当に切ない。
定刻通り到着し、在来線に乗り換える。乗換駅の駅ビルで和食を摂る。外はポツポツと雨が降り出していた。旅先では一度も傘を使うことがなかったが、こちらはずっとお天気が悪かったようだ。最寄り駅からタクシーで帰宅。2人で手分けをして急いで荷物を片付け、洗濯機を廻しつつ、昨日購入した息子たちの演奏のライブCDを何度か聴いた。
今回の2泊3日は息子のおかげで紅葉の眼福、コンクールの耳福、各国料理の口福と、沢山の幸せに恵まれた。有難いことである。来年のコンクール全国大会は夫の郷里の県で開催とのこと。さて、また酔狂に遠征することが叶うだろうか。
今月2回目のお花も届いていた。ピンクのカーネーションが3本、濃いピンクのスプレーカーネーションが2本、ピンクと濃い紫のスイートピー、マトリカリア(夏白菊)が1本ずつにレザーファン。花言葉はそれぞれ「純粋な愛」、「母への想い」、「優しい思い出」、「楽しむ」、「魅力」だそうだ。すっかり気温が下がり、お花のもちが良い。2週間前のお花もまだ全然元気である。
明日からまた新しい1週間。気づけば11月も最終週である。いよいよ師走は目の前、である。