毎年やって来るこの日。
卒部して行く塾生だけに限らず、指導陣も父兄も寂しさを感じます。
今年の卒部生は長い塾生だと丸4年間。
学校の思い出より平成塾の思い出の方が多い子供もいるのではないでしょうか?
夏の暑い日、冬の寒い日、挨拶をやり直させられた時、学校内で行われた肝試し、体育館にみんなで寝泊りした合宿。
お互いに色んな事を学び、入塾当時とは比較にならないほど成長しました。
塾長が何よりも嬉しかったのは、色んな場所でこの小学校の子供達は礼儀正しいと評価される事です。
そして、その会場に行く小学生とは大半が塾生。
あのまともにお辞儀も出来なかった子供達が、各方面で礼儀正しいと評価されるのは指導陣冥利に尽きますね。
何しろ父兄の掛け替えの無い宝物をお預かりしている平成塾。
安全は当然の事として、少しは宝物を磨いて返してあげたいと言うのが本音です。
さて、そんな指導陣の感傷的な気分も知らずに、グラウンドでは卒部して行く塾生がお気楽に野球を楽しんでいます。
バッチ来~い。
日頃は守った事も無いファーストの守備に着く前主将。
最後の練習とあって、卒部生のお母さん達もビデオ持参で練習の見学です。
「やっぱ矢田くんは格好良いわよね~」
「うちのも、もっとドキッとするようなプレーをしてくれないかしら・・・」
ドキッ!
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ・・・・・
さあ、最後の引継ぎは出欠の取り方。
これも副将の大切な仕事です。
「え~っと・・・ 俺が書くからぁ・・・ プリが読んでくれよぉ・・・ 」
「えーっ! 俺が読むのぉ?」
いきなり後ろから副大のケリが飛びます。
「いいから、さっさと読めっ!」
素直に従うプリ。
思い切り名前を読み間違えて、何度も副大にケリを貰います。
「読み仮名がひらがなで書いてあるだろっ!」
横のポワワン。
同様にポロ和からケリ。
「書いてる行が違うぞ」
大丈夫でしょうか?
みんな自分の出欠は後で確認しておいてね。
整列した卒部生。
何度並ばせても、不思議と同じ姿勢で立ちます。
こうして立っているだけでも個性が出るんですね。
見送る塾生から「お疲れ様でした」の御挨拶。
全員が心を込めてお辞儀をしています。
憧れの先輩達でしたからね。
「ありがとうございました」
同様に深々と頭を下げる卒部生。
色んな思い出が走馬灯のように頭の中を過ぎっている事でしょう。
最後はお世話になった指導陣とがっちり握手。
「ありがとうございました」
「おおっ お疲れ様」
「ありがとうございました」
「また遊びに来いよ♪」
晴々とした顔で卒部して行く卒部生。
長い間、本当にお疲れ様でした。
色んな思い出が有りますが、中でも最も記憶に残る思い出は、他の塾生達の為に君達が自ら立ち上がって、校長室まで訪問した事です。
恐らくこの小学校の歴史の中でも、このように小学生が自ら立ち上がった事は無かったでしょう。
結果は君達の思いが聞き入れられなかったとしても、この事は君達の貴重な体験であり、今後の人生の大きな糧となったと思います。
今でこそ、残る塾生に成り代わりお礼を申し上げます。
ありがとう。
そして
本当にお疲れ様でした。
今後の君達の活躍を、指導陣全員が心より祈っています。