前に、原作を読んでから『天使と悪魔』を見たら物足りなかったと書いたが、
『ダ・ヴィンチ・コード』の方は原作を読んだあとでも満足できる出来だった。
じつにうまく映画にまとめられていると思った。
さて、『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』。
この映画、劇場公開されたときは聞いたこともなかった。
うちのような地方都市のシネコンではそもそも公開されなかったのかもしれない。
フィンランドを舞台にした、フィンランド人監督による映画。
でも、ここで出てくる大統領はアメリカの大統領で、
演じているのはサミュエル・L・ジャクソンだ。
ビッグゲームのゲームは獲物という意味で、ビッグゲームはその大物ということ。
13歳のフィンランド人少年オスカリは、伝説のハンターを父に持ち、
狩りの腕を磨いているが、じつは弓もちゃんと引けない落ちこぼれ。
でも、13歳の通過儀礼として、大物を仕留める決意でひとりで森に入る。
たまたまその上空をフィンランドを訪問するアメリカ大統領を乗せた
エアフォースワンが高度を下げつつ通過中。
そしてテロリストの地対空ミサイルに攻撃され、墜落する。
直前に緊急脱出ポッドで逃れた大統領は、ひとり森の奥深くに着地した。
テロリストに追われる大統領はオスカリに出会い、ともに行動することになる。
この映画、まるで質のいい少年マンガのようなのだ。
まじめに考えたらありえないという突っ込みどころ満載なのだが、
そんな突っ込みどころさえも好きっていう映画、たまにあるでしょ。
冷蔵庫に入ったまま崖を数百メートルも転がり落ちて、
大した怪我をしないのも、マンガならありうる!
(森の奥に人間ふたりが入れるような冷蔵庫があったのにも
じつは大きな意味があるのだ)
オスカリを演じているフィンランド人少年、はじめのうちは
まったくさえないし、ハッキリ言ってかわいくない。
ところが、大統領と危機をかわすうち、だんだん精悍な顔つきに見えてくる。
ラストの「記念の1ショット」ときたら、背景に突如現われたたくさんの
ヘリも相まって、痛快なことこの上ない。
適度にハラハラしながら、楽しんで見られる佳作。
ただ最後のエピソードは余分だった。
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