先週の旅行で宿泊した苗場プリンスホテルは、夕食も朝食もビュッフェスタイルだったが、
そのとき、パン・コーナーで、大多数の人が使っていた大型の自動トースターの横に
ひっそりと置かれていたのが、バルミューダ・ザ・トースターだった。
「3分だけあなたの時間をください」というようなことが書いてあった。
たしかに、ビュッフェのパン・コーナーで3分じっと待つのは面倒な気もしたが……
じつは、1年ほど前、購入しようかとネットでレビューをチェックしたことがあった。
そのときは、わざわざ買うほどでもないかという結論で、購入を見送っていた。
パンはIHのグリルで焼いているので、今より物を増やして、キッチンのすっきり感を
損ないたくないという気持ちも強かった。信じられないおいしさと書いてあっても、
それは、「百聞」でしかなかった。
さて、夕食では、リーンなバンズを選んだ。とてもおいしかったが、
ホテルで焼いていて、もともとおいしいパンなんだろうと思っただけだった。
次の朝は、クロワッサンがあったので、それと、もうひとつデニッシュを選んだ。
サクッとしていて、まるで焼きたてのようにおいしかった。
わたしは前に、かなりパン作りにはまっていた時期があった。
世界各国の、本に載っているようなパンはほとんどの種類を焼いたが、
クロワッサンは一度作っただけだった。
というのも、クロワッサンはものすごく手間がかかるのだ。
バターをはさんだ生地を伸ばして折りたたみ、冷蔵庫で冷やす。
それをまた伸ばして折りたたみ冷蔵庫へ、という手順を繰り返さないといけない。
そうした苦労のあと、焼きたてを食べたとき、なんておいしいんだろう!と思った。
クロワッサンは焼きたてでないと、ほんとうのおいしさじゃないと思った。
でも、あの手間ひまは無理。ということで一度しか焼かなかったのだ。
バルミューダで焼いたクロワッサンは、まさにあの焼きたての味だった。
家に帰っても、あの味が忘れられなかった。
ちょうど楽天ポイントがかなり貯まっていて、1万5千円ほどの値段で買えたので、
思い切って注文した。置き場所は、L字キッチンのコーナー部分にした。

右の壁を背にしても、左の壁を背にしても、ややパンが取り出しにくい。
この置き方が一番出し入れしやすく、左右背後に熱を逃がす空間も空けられる。
毎回、水を5cc、専用のカップで入れるのだが、その注ぎ口が広いのは
ストレスがなくていい。

これまでに試したのは、ネオ・レーズンバターロール、
塩バター・レーズンフランスパン、そして、クロワッサンだ。
クロワッサンは、いつも行くスーパーにはフジパンのしかなかった。

とはいえ、これがおいしくなったら、それこそ本物ということだ。
結果は、サクサクでとてもおいしかった。
ホテルで食べたのよりはやや劣る気がしたが、それは本体の差ということで。
バターロールはふだん、焼かずに、冷蔵庫から出したものを
電子レンジで7~8秒チンしていた。
バルミューダで焼くと、外側はパリッと、内側はふんわり。
中のマーガリンもいい具合に軟らかかった。
塩バターフランスは大好きでよく買うパンだ。
グリルで焼くだけでもおいしいが、バルミューダだと
よりサクサクになって、オリーブ油をつけても、
マーマレードをつけても、ポタージュに浸しても最高だった。
わたしはパンが好きな方だが、これまでもったいない食べ方をしていたなあと思う。
というより、バルミューダで焼かずにたべるなんて、パンに失礼だった。

