元職場OB会では毎年の東京歴史探訪を実施している。下見に幹事数人と千駄ヶ谷で待ち合わせる。今回は、今話題のオリンピックスタジアム建設地から迎賓館への散策ルートと打ち上げ会場の探索が目的である。
千駄ヶ谷駅で待ち合わせ、まずはオリンピックスタジアム建設予定地へと向かい、千駄ヶ谷プールの二階テラスから眺める。敷地は思った以上に広大である。工事現場で動いている建設機械は意外と少ない。小池のオバサンの動向を見ているようだ。以前から税金を食い物にする東京オリンピック招致には反対だ。しかし、全国世論はいつの間にかリオの金メダルラッシュで、やたら国威発揚と大政翼賛的に政治的利用と利権的な本質を忘れて去っている。
決まってしまった以上、スタジアムの建設や築地を通る環状2号線が遅れても、今一度きちんと経緯を説明し公正で低廉な費用の支出をすべきである。せめて、次世代へ環境保護と地域の活性化に向けて、オリンピックとは関係なくスタジアム建設には国産材をふんだんに使った施設作りを推進すべきである。
略称「絵画館」といえば信濃町のアレかと思っているでしょうが、正式名称は「聖徳記念絵画館」という。絵画館は、明治天皇の崩御を契機に作られた施設で、単なる絵画中心の美術館ではなく明治天皇崩御後の大正時代に明治天皇の歴史を残すために作られた施設である。中身は天皇継嗣として明治天皇が皇太子に任命されて後の明治天皇の歴史を中心に、明治維新期の時代から絵画で年代を追って日本画と洋画(油絵)で展示している。維新の元勲の子孫の寄進や財閥の寄進などによるものが殆どで、寄進者の父などを絵にも登場させている。建物は、2011年に国の重要文化財に指定された。表参道のイチョウ並木の突き当たりにあり神宮外苑のシンボル的な建物である。
絵画館前では、なんと神宮球場での「乃木坂46のライブ」のファンの波波。夜に嵐が来ると言うのにご苦労様なこって。外気温度はゆうに30度越えだが、絵画館の中には今時冷房がないのはいただけない。自分で起動させる扇風機があるだけ。暑い絵画館から漸く出て、台風もめげずに押し寄せる「乃木坂46ライブ」のファンの整理員の制止を無視し、絵画館駐車場前にある日露戦争での戦利である樺太分割の「樺太領土境界標」のレプリカを確認。日露領土問題の原点はここにもあることを確認。
信濃町から四谷に向けて歩くと東宮御所の近くに明治記念館がある。明治記念館は昭和22年に憲法記念館を「明治記念館」として開館。元は赤坂御所の別殿で、ここで「大日本帝国憲法」と今話題の「皇室典範」の草案審議が行われている。その後、伊藤博文に下賜され大井の伊藤邸内に移築された後、彼の死後、明治神宮外苑に再移築されたという。
正面ゲートの真ん中には警備員が立ち、入りずらい雰囲気。建物の正面玄関でも御用を聞かれる。昼飯の下見だと告げても正面玄関から入らずに、誰もいない横手の日本家屋の玄関の引き戸を開けて入る。中に入ると廊下には、由緒あると思われる日本画や骨董類の陳列品がお出迎い。重厚な雰囲気に圧倒されつつ奥に進み、緑の絨毯を敷き詰めたような奥庭と松の絶妙な景色の眺められる食堂を覗き見る。
明治記念館を出て、皇太子、秋篠宮の一家が住んでいる東宮御所を右手に迎賓館に向って歩く。東宮御所は、周りを高い樹木に囲まれ周辺の市井の眺めが見られないように作られている。皇宮警察が各門を厳重に警護し、中に住んでいる皆さんもはさぞ窮屈で不便なことだろう。イギリスの皇室を見習ったらよさそうなものだ。ついでに言わせてもらうと「人間天皇の原点」に戻り、皇室典範を改正し男女差別を撤廃すべし。生きちゃいないと思うが「愛子ちゃん天皇」もいいことだ。
ようやく国民に開放された「迎賓館」は、国賓の来訪か生憎の見学不可。来月も一ヶ月近く見学不可とのこと。何処の高貴なお方がいらっしゃるのか知らないが、国民を上げての歓迎が大事と思ったら誰が来るのかくらいは公表すべき。四谷駅方面からの正面玄関からの迎賓館は、広い芝生の奥に荘厳な白亜の宮殿が素晴らしい。見物としては一流だが使われ方次第である。
玄関正面の通りの両側に植えられた「ユリノ木」の並木、年数は未だ若いが調和が取れていて全体構成から優れている。
さて、本日のもうひとつの難題、5時前からやっている30名くらい入れる飲み屋探しである。心当たりはないが四谷駅前からの新宿通り沿いに歩く。すると直ぐに「のぶさん」の看板。暑く脱水症状気味のオジサン連中、すかさず店に入り店員さんに五時前OKと開店時間と人数を確認。飲み放題の値段を聞くと予想外に安く候補予定にとりあえずキープし飲み会開始。ビールが喉にしみ渡る。白州や角のハイボールが180円と安く嬉しい値段だ。
「のぶさん」を出て、四ッ谷駅に向かって歩く。新宿通りからほんの少し入ったところに酒屋の看板、隣の併設店である老舗立ち飲み「鈴傳」に入る。狭いL字通路に20人ほどしか入れない店である。カウンターケースには「ポテサラ」などの定番のつまみ。キャッシュ・オン・デリバリー形式は変わらない。「獺祭」の3割9歩を代表に緑川や各地の銘酒が手ごろな価格で吞める店だ。以前に千葉の地酒「腰古井」を酒屋の前に樽を展示して飲ましていた頃を思い出す。