今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

新宿ゴールデン街の全共闘

2009年04月23日 | お酒

 北海道の友人が、仕事にカコツケ東京へやってきた。実は全共闘の写真展を見たいがためのようだ。興味は無いが、つき合わされた新宿。夕方、京王プラザで待ち合わせ、一階のラウンジ「樹林」でビールとジントニックそしてチーズの盛り合わせをツマミに小一時間。近況報告。

 もう一人の仲間が待つ「ヨドバシ時計館」前の「かど新」へ。二階へ上がると仲間が待っていた。「かど新」は、新鮮魚介を売りにする店で仲間が時たま利用するようだ。しからば、カワハギの活き造りサザエの刺身、なまこ酢を肴に、芋焼酎のお湯割りで控えめに飲む。久しぶりのカワハギは実に美味である。Blog

   さて、お値段それなりの「かど新」を出て、まずは一軒目の写真展、東口地下通路脇の喫茶「ベルク」へ。立ち飲みカウンターとテーブル席の細長い喫茶店だが、えらく混んでいる。コーヒー客が殆どだ。ビールを飲みながら壁に貼ってある写真を、カウンターに立っている客の肩越しにブラブラと眺める。長い年月が経ったせいか神田カルチェラタンの記憶は、自分の中では明らかに風化している。

 さて、本命のゴールデン街のバー「クラクラ」へ。花園神社脇の通り、二本目の筋を入った左に見つける。狭い階段を二階に上がると右にカウンター、左に大きな木テーブルの部屋がある。写真展の会場だ。帽子を被った女性が向かいに座っている。その人が写真家の佐々木美智子さんである。70数才というが若々しい。日大全共闘と共に行動し、撮り続けた写真を展示している。壁一杯に当時の写真が無造作に貼ってある。無造作が雰囲気を醸し出している。「クラクラ」では、時折、極小さな個展が開かれ、大テーブルを挟んでの客通しの交流が盛んだそうだ。

 ウイスキーの水割り隣室のバーから、ビール700円、ホワイト一杯500円のキャッシュ・オン・デリバリーで購入。明朗会計である。写真展を見ながら、佐々木氏と昔話とバリの戦友の消息を語りあう。今も昔の連中との交流がよく開かれているそうだ。写真の中に知っている顔を発見すると、何故か懐かしい。いまさら、今の若者は!などとは言わない。二世、三世の蔓延る世の中、安穏とすることが無難とする風潮なのだろう。

 何処かの雑誌のインタビューに訪れた若者二人と、チェンジのタイミング。仲間が「写真集」を予約すると共に、もう一人は定番「叛バリ叛逆のバリケード)」を購入。オジンは、佐々木さんの小説「ピンクイルカが笑った」を購入する。

 午後10時半、まだ宵の口の新宿ゴールデン街を後にする。今まで、足を踏み入れるのに躊躇っていた初の新宿ゴールデン街、かつての全共闘のたまり場がまだあるらしい。中々に懐の深さを感じたの「巻」でした。