散日拾遺

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玄暉峻朗 ~ 文は『文選』、揮毫は治勲

2014-05-03 07:33:38 | 日記
2014年5月2日(金)

 『圍碁研究』の購読を更新したら、オマケが二つ付いてきた。これがけっこう楽しみなのだ。
 ひとつは大竹英雄九段『布石の常識12』というパンフレット。充実の内容。
 もうひとつは治勲さんの揮毫(のコピー)。
 墨が薄いのが気になるが、これにも主張があるのかな。

 書かれた言葉は「玄暉峻朗」、画像を掲げ、同封された解説を貼りつけておく。




 玄暉峻朗(げんき・しゅんろう)、出典は梁代の詩文集『文選(もんぜん)』、作者は陸雲(りくうん、262~303年、西晋時代の詩人)。

 その詩の一句、

  玄暉峻朗 げんき、しゅんろうにして、
  翠雲崇靄 すいうん、すうあいたり

 玄は天、暉は日で、併せて太陽のこと。峻は高く、朗は明らか。
 翠雲は緑色の雲。崇靄は雲が盛んにたなびく様子を表す。
 趙先生が色紙等に好んで揮毫される詩句のひとつです。自分も太陽のように常に高く、明るくありたいという趙先生の崇高な志が感じられる詩句と言えるでしょう。
 ちなみに、色紙の右上に押されている印(引首印)は、
 柳絮随風(りゅうじょ・ずいふう)
 風のまにまに柳のわたが飛ぶ。取捨愛憎の念がない様を表すということです。

***

 いいなあ!
 「文は『文選』」と清少納言も言うぐらいだから、『千字文』の次は『文選』に行こうか。
 15年ほども前に済州島に遊んだとき、和風とはやや趣の違った韓国の書を随所に見て、とても面白かった。漢字と書、中国文明の偉大な発明を、朝鮮・韓国と日本それぞれカスタマイズして発展させる。わくわくするようなダイナミズムだが、惜しいかな韓国人は漢字をほとんど捨ててしまった。
 治勲さんは捨てていない。
 治勲さんは治勲さんだ。
 

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