2017年1月21日(土)
『なぜなに日本語』というのは読売新聞の人気コラムなのかな。読売はとっていないが、ある人が記事のコピーをくださったので面白く読んだ。以前ブログにも書いたが、還暦と数え年の基礎知識について関根健一記者が要領よく書いておられるので、転記しておく。同記者の似顔絵が秀逸で、もちろん赤いちゃんちゃんこをお召しである。
赤いちゃんちゃんこは長寿の祝いであると同時に、老境入りを社会的に宣言する社会儀礼でもあった。潜在的には「楢山入り」の意味を含んだことだろう。「還暦」は60の倍数でしかありえないから数え年の61歳から動かすわけにいかないが、赤いちゃんちゃんこに託される意味づけは十二支をもう一巡した数え73歳ぐらいが現状にあっていると思われる。
そんなことを考えながら迎えた正月5日、日本老年学会・日本老年医学会が高齢者の定義を「65歳以上」から「75歳以上」に改めようとの提言をまとめ、物議を醸した。一気に10歳引き上げは思いきったものだが、実際そんなものかもしれない。
ただしこれは医学的な観点からの軌道修正であって、年金や福祉のあり方と自動的にリンクするものではない。そうあってはならないということ、大方の論者の言う通りである。以上、念のため。
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新年になると「おめでとうございます」とあいさつします。どうして「めでたい」のでしょう? 昔の暦では春の訪れとともに新年が来ました。太陽が輝きを取り戻し、生き物が活動を始める季節に再び出会えるのはめでたいことでした。
そして、お正月には、みんな一緒に一つ年をとりました。生まれた時点で1歳、おせち料理を食べるごとに1歲ずつ加えていくこの計算法を数え年と言います。数え年によるならば、お正月はいわば全員の誕生日ということになり、お互いに「おめでとう」と祝いあったのです。
さて、今年は酉年ですね。動物にちなんだ呼び名の十二支と、十干(甲、乙、丙、丁…の順で並んだ十の言葉)を組み合わせ、60種類の言い方(干支)が作れます。年に当てはめると、60年に1度、61年目に同じ干支が還ってきます。それを還暦と呼びます。年齢を指す言葉です。2017年は、丁酉(ひのととり、ていゆう)で、1957年と同じ干支です。
57年生まれの人は今年、還暦を迎えました。満年齢では誕生日が来るまではまだ59歳ですが、還暦は数え年で計算するので、みな仲良く61歳です。めでたいのはいいけれど、2歳も年をとってしまうのはなあ、と思う人も!?
(関根健一)
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