プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

音の波の中に

2015-07-15 01:08:57 | 湯浅湾ツアー

 今年は7月に入ってもなぜか肌寒かったりしましたが、
 ここ数日やけに暑くなりました。
 次の台風が抜けると梅雨明けっぽいですね。
 やや太平洋高気圧の位置が東すぎるのが気になりますが、
 本格的に水の気持ちよい季節たけなわです。

 この季節こそ海にどっぷり浸かっておきたいところですね。
 というわけで水にどっぷり浸かりこんでいるようなカヤック写真をば。

 これ一見どうなってんの? と思うでしょう?
 ようするに波と波の谷間にカヤックが入った瞬間ですが、
 別になんてことない状況です。
 カヤックは波が上がると波とともに盛り上がり、
 波が下がると同じく下がる。
 完全に同調、シンクロしてるわけですね。
 
 同調するからこそ、なかなかひっくり返らないのがシーカヤックです。
 反発するのではなく、調和すること。
 その繰り返し。 

 で、波のリズムにシンクロするそんな一日が終わると、
 陸上に上がっても波のリズムが身体の奥に残ります。
 特に慣れない人はフワフワ感が残るのですが、
 その身体で音楽を聴くと、音の波とシンクロするような、
 乗るような感じでとても気持ちいい。

 それが結構、新発見な感覚。  

 特に水にどっぷりと浸かりこむ真夏は、
 すごく音楽に反応するようになりますね。
 特にぼくなんかのように毎日ツアーで海に出ていると、
 ほんとに身体がいい音楽を欲するようになる。
  
 というわけで、そんな流れで最近発見した、いいシンガー。
 この人らは多分韓国系のカナダ移民のようで、
 セミプロみたいなミュージシャンだろうけれど、
 ぼくは隠れファンだ。
 このハンビュル君はチャットベイカーみたいなアンニュイな歌い方が不思議に心地よく、
 サラ・リーちゃんは切なく美しい雰囲気を作り上げる稀有なる才能。
 二人とも音程の取り方が抜群にうまい。

 たとえば海辺のカヤックキャンプでは、
 こういう人の弾き語りを聴きたいね。
 焚火を囲んで。 

The Moon Song - Hanbyul & Sarah Cover


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不思議の空間

2015-07-15 00:38:58 | ニュージー&タスマニアカヤックトリップ

 海と違って湖では、
 閉じられた内水面であるせいか、
 時として不思議の国に迷い込んだような錯覚に陥ることがある。

 そういうトリップ感覚も好きだ。

 写真はニュージーランド南島・モノワイ湖。
 ここはほんとに不思議の世界、異次元の入り口のような空間だったなあ。
 立ち枯れた木がシンメトリックに水面に映し出され、
 押し黙っている。
 水そのものも表情がなく、生き物がいる気配もない。
 時間すら動きをなくしている。
 実際はレインボー&ブラウントラウトがいて、
 ぼくはそいつを狙ってカヤックフィッシングしていたんだけど、
 まったく反応なし。
 魚影すら見なかった。
 唯一見たのは、立ち枯れの木々の合間にいた1mくらいのウナギ。
 この世界におれとこのウナギしか生物はいない、と、
 錯覚すらする瞬間だった。

 寂しいような、切ないような、 なんともいえない気分。
 が、それもまた、悪くはなかった。


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