この句は、5月11日の読売俳壇に投稿し、掲載される前の原句。実際は、選者によって
あの人もこの人も居ず桜咲く
に添削され掲載されていた。確かに、現在に的を絞り、このように明るくした方が引き立つかもしれない。その点原句の「居ず・散る」の淋しさの重なりは、くどすぎるのかもしれない。
しかし、よくよく内容を考えてみると、桜は咲いて散るのであり、時間的に「散る」には「咲く」が内包されている。つまり、①花見を一緒に楽しんだあの人たちがいない。②花見にもいなかったが、桜散る今もいない。
つまり、「桜散る」の方が、解釈の幅が広がるのである。ここで、良し悪しを論ずるつもりはないが私は、添削する必要はなかった、と思う。
この花の名前知らんか親ツバメ