火星輝きサボテンの花開く 薪
「死に至る猛暑」糸尻よく洗う
炎暑帰路黄色帽子のごあいさつ 豊春
床下の猫の鼻先青蜥蜴
夕立あとどこかで魚煮る匂い 稱子
九体の仏像涼し浄瑠璃寺
いづこより称明のごと蝉しぐれ 佳津
紅花や古へ人の野にたてり
素っぴんの園芸女子汗清ら さくら
ペティキュアの青貝めくやプール底
炎昼や跡形も無き川の街 海人
炎天に挑むかのごとボール打つ
この夏の稼ぎ流され海の家 歩智
平成の最後の夏のこの無慈悲
生ビール念仏唱う喉仏 炎火
七夕の話序でに宇宙軍
蝉時雨より深きもの人の声 一煌
大バケツに今年も元気蓮の花
あいさつが暑いのひと言皆同じ 貴美
今日もまた「命に関わる暑さ」です
山百合がユラユラ揺れて風を呼ぶ 鞠
コオニユリ飛び火の如し日は沖に
音かすか少し淋しき遠花火 沙会
「海の日に」生まれた娘砂時計
蓮の花寄り添いて生く我と犬 洋子
具だくさん冷し中華をもてなせり
掃くゴミの山から蟻のもがき出る 余白
街中のトンボ帰れよ生誕地
吠える犬を吠えるに任す炎暑かな 雲水
桔梗をひょろひょろ咲かす暑さかな
ヒオウギ(檜扇)