一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2055  第272回 4月 岩戸句会

2019年05月02日 | 岩戸句会

たんぽぽの綿毛とばして願うのみ   洋子 

犬ふぐり踏まれる毎に拡がりて

 

かさこそと口割る鍋のあさりかな   待子

山笑ふひなびた宿のひのき風呂  

 

菜の花やハングライダー降下基地   炎火 

春霞りん郭のないホルスタイン

   

ふらここで揺れているかや遊石さん  歩智

北窓を週末には開く気分

   

春一番すべては風の吹くままに    沙会

入学児低く小さく傘の波

 

天空の星みな落ちて犬ふぐり     海人

大山の残雪背に一仕事

  

箱根路や緑の風と蓬餅        裕

まず針魚先代の話など熱燗で  

 

桜時ラジオに留守を頼みけり     薪

リラ冷えや猫の瞳孔みはるまま

 

木の芽雨隣も前も退職者       豊春

ゴミ出しのノルマ果たすや竹の秋

    

牧野氏を恨んで可憐イヌフグリ    美部

はやる気と酒を抱えて桜追う

     

道灌も分からぬ山吹かけ言葉     余白

タケノコを茹でれば正味四分の一

 

連れ添うて五十年余や春の旅     稱子

溢るるは他国の笑顔京の春

 

山間の音立つ小川水温む       イヨ

静けさの山々笑ひ明日令和 

 

春霖や老いては街に住みたきに    さくら

ハグ受けて気力溢れし春惜しむ    

 

黄木蓮三年越しに花開く       鞠

平成の最後の句会夏隣る  

 

春惜しむどころか今は冬戻り     貴美

公園で弁当箱に花吹雪

 

初蝶や川辺の暗きところより     雲水

聞く耳を持たぬ爺いへ春の雷

 

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2054 たんぽぽの綿毛とばして願うのみ 洋子

2019年05月02日 | 

   タンポポ(蒲公英)の種は、冠毛(綿毛)が付いていて、風に乗って遠くに飛ばすことで子孫を残している。最近は、日本たんぽぽより西洋たんぽぽがはびこっている。

  さて、願掛けは、神社、仏閣、教会などでするのが一般的であるが、作者はタンポポの綿毛を飛ばして願掛けをしている、という。それは単に、タンポポの種が根付くことを願っているとも受け取れるが、そうではなかろう。

  作者の願いが何か、さっぱり分からないが、「願うのみ」という言葉に、作者自身の強い願いがあると考えるべきだろう。そして願う以外に、成す術がないのだ。

キエビネ(黄海老根)

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