(ゆきまいて ちまたのあかり こおどりす)
「巷(ちまた)」とは、大ぜいの人々が生活している町や世の中、にぎやかな通りや街角をもいう。この句の場合、町である巷が、街灯によって明かるく照らし出されているのだ。
通りは、ビルによって風が乱され、降っている雪が乱舞している。その雪は、街灯によって明かるく照らし出されている、というのだ。
つまり、雪が風によって乱舞しているだけなのだが、まず「雪が舞っている」と言い、次に「明かりが小躍りしている」と雪の様を更に強調して言い替えているところが妙。
そして実際、小躍りしているのは、雪や明かりだけではなく、作者のこころも小躍りしているに違いない。現実の作者は、又、少女時代のことを回想しているのかもしれない。