線香花火呟くように落ちにけり 薪
昭和家族の真ん中にいた大西瓜
通販のカタログ厚し残暑かな 洋子
大夕立人も犬も走る走る
夏休み自由の刑に処せられる 炎火
無宗教のはずの俺が墓洗う
衛兵の頬に一筋汗の跡 海人
一杯で止せば良いのに酔芙蓉
炎帝やマスクマスカラ背にリュック 豊春
墓洗う父母の面影薄れゆく
風鈴の音色賛否の人模様 余白
蟻がいるアチラコチラに心にも
妹の美人薄命墓洗う 稱子
人っ子一人居らぬ公園蝉しぐれ
檜扇や老人ばかりの内科医院 雲水
乗っていたドローンタクシー昼寝覚め