夏の海辺の超高級ホテルで、日がな毎日飽きずに、ボーっと景色を眺めたり、読書をしたりできる人が、本当の大金持ちや貴族である。椅子に座ってボーイを呼び、冷たいカクテルを注文する。夜は、同じ人種とパーティを開く。そんな生活に、貧乏人は退屈して我慢できないのだ。
結局人々は、自由より束縛を望む。そうでなければ、不平不満を言いながらも、寿司詰めの満員電車に乗って毎日会社に通えるはずがない。
俳句の五七五という定型は、明らかに束縛である。しかし、現今の俳句ブームを見れば、結局私たちは束縛の中の小さな自由に満足しているのであろう。
キョウチクトウ(夾竹桃)