一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2236   第302回 10月 岩戸句会  令和3年10月

2021年11月04日 | 

残る虫群れにはならぬ下駄の音     裕

冬近し被災跡にも煮焚きの火

 

苅田這う煙にくしゃみ案山子かな    鯨児

黙もぐと葉虫が描く抽象画  

 

避難児の校門静か秋の雨        豊春 

残る虫骨董店の白釉壺

     

すがれ虫闇に沈んでいたき夜      さくら

長き夜や町のあちこち不眠症

 

気まぐれな電波時計や鰯雲       光子

物憂げにそよぐ河原の芒かな

 

稲の香や風友として大空へ       イヨ

暗き夜をなほ暗くして刈田伏し

 

鵙高音だれに気兼ねをするでなし    凛

大声のおしゃべりが好きちゃんちゃんこ

 

友逝きて我もいつしか残る虫      貴美

密なくて水をすするか秋の蝶

 

蜉蝣の風向くままや尾の細き      沙会

木犀の香と行く坂の石畳

 

小田急線秋めく空と受験生       杏

神無月九品仏を拝みたり

 

木犀が匂う陰より日向まで       鞠

秋草にマスク掛けてる悲しいよ

 

十三夜幸せ浴びている不思議      黄玉

収穫の歓び供う十三夜

 

鯨のおなかは音響装置秋深む      薪         

天国が在れば野菊の道辿る  

 

半導体の争奪戦秋刀魚焼く       炎火 

金秋や柱状節理を叩く滝 

 

枯葉散るウイーンの森の旅人に     パピ

今日もまた数独にはまったすがれ虫  

  

鳥渡る今日こそ髪をカットせん     洋子

新走り息子励まし送り出す

 

未舗装の道が少なく四季とぼし     余白

朝散歩足元からの秋の音

 

椋鳥の右往左往や暮泥む        稱子

秋夕焼ふわり白鷺神田川

  

爽籟や無口が飲める赤ワイン      雲水

弦胼胝がなくなったらし螽斯

酔芙蓉

コメント
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