カッチーニの「アヴェ・マリア」を、私がオルガン練習していることを知った友人が、カウンターテナー、スラヴァの「全12曲アヴェ・マリア」のCDを持って来た。
順に、カッチーニ、ヴェルディ、サン・サーンス、バッハ&グノー、ブルックナー、トスティ、ストラビンスキー、シューベルト、リスト、ブルックナー、ビゼー、モーツァルト。
そこで私の感想。バロックから今日まで時代と共に、音楽も科学と並行して進歩してきた。しかしその進歩とは、超速のテクニックだったり、行き過ぎた装飾音だったりして、次第に人々の心を離れて行ったような気がする。その究極が、通称「現代音楽」と言われている分野だ。
以下、宮本亜門氏のCDの解説より抜粋。
「バロック音楽が、なぜ、いま再認識されているか。この混沌とした時代、情報があふれかえり、時が止まることなく滑り続け、空回りする時代に、バロックは、立ち止まることを教えてくれる。淡々とした、余分なものをはぎ取ったシンプルな音階、旋律に、我々は癒されるのだと思う。 このCDにも、いま、我々がもっとも大切にしなければならない、人間の本質のようなものが隠されている。」
この解説をあえて訂正すれば、「余分なものをはぎ取ったシンプルな音階」ではなく、「余分なもののなかった時代のシンプルな音階」とすべきであろう。
更に、もう一つ付け加えれば、バロック音楽が再認識されているのは、ほんの一部の人達にであって、忘れ去られつつある、というのが事実に近いだろう。生意気なことを言って、亜門さん、ごめんなさいね。
ムラサキシキブ(クマツヅラ科ムラサキシキブ属)
http://www.youtube.com/watch?v=4U4EUFCori8