(おがらたく ひとはけのくも ながれゆく)
苧殻は、皮をはいだ麻の茎。盂蘭盆会(うらぼんえ)の門火(かどび)を焚くときに用いられる。麻殻とも言う。
この句の、苧殻を焚いているのは、たぶん送り火である。下五が「雲流れ来る」なら迎え火、「雲流れゆく」なら送り火、とするのが自然な解釈だろう。
つまりこの句の「苧殻焚く」は、お盆の全ての行事が終わり、先祖や身内の御霊をお送りする最後の行事の送り火をしているのだ。
先祖や親しかった身内の御霊が、一刷毛の雲となって帰ってゆくのであり、それを安堵して見送っているのだ。
ダイコンソウ(大根草) バラ科ダイコンソウ属
私も送り火なんかできません。マンション住まいですから。
そうですか。
現在の一般家庭で迎え火、送り火を焚く人たちがどのくらいいるのか?1%もなさそうですね。
確かにこの句、そういう意味でも貴重な存在ですね。