藪からしジパングに日は沈みゆく 吟
人なげやりなカラスの声よ梅雨深し 〃
ふるさとや弾む語らい柿の花 信天翁
噴水のしぶきに踊る子等の群 〃
鉢巻の折り目正しき夏祭り 豊狂
新調の法被肩張る夏祭 〃
歓声や田植えの子らの汗眩し 心
紫陽花や叱ってくれる師のありて 〃
完璧は叶わぬ齢胡瓜もむ 紅
たおやかに宙に伸びゆく立葵 〃
わさび田の蛍眺むる父の日に 流水
新緑に精気賜り深呼吸 〃
梅雨晴れ間汐風野点母上に 翠風
海上のお日様金魚となりにけり 〃
紫陽花が活けて活けてとせっつくの コトリ
床柱大山蓮華佇みぬ 〃
時の日や数字を持たぬ時計草 伊豆山人
父の日に父想う家に父は亡し 〃
雨上がり雲間にきらら梅雨の月 黒薔薇
帯の蝶々が華やぐ祭かな 〃
喧噪は海へと沈む祭り後 吠冲
裏庭に舞いとぶ蛍二つ三つ 〃
雨の中ミミズ這い出しどこに行く 余白
初孫を胸前に抱き藤の花 〃
風鈴に一茶の蠅を吊るしをり 釣舟
サービスの五月雨洗車してをりぬ 〃