一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2085  何時逝くもよろしき齢墓洗ふ  保子

2019年08月19日 | 

(いつゆくも よろしきよわい はかあらう) 

 7月30日に公表された日本人の平均寿命は、男性81.25歳女性は87.32歳で過去最高を更新した。ところが、健康でいられる健康寿命は、およそマイナス10年だ。つまり、長生きをしても10年前後は病気や介護で不健康な日々を送らねばならないことになる。従って、「長生きはしなくていい」と、長生きを否定的にとらえる人が増えているのである。

 先の参議院選挙で、「安楽死制度を考える会」は、26万票余りを獲得した。数としては多くないが、潜在的な国民の関心の強さを示している。薬漬けの延命治療を拒否する権利や安楽死の権利を立法化しようという議論さえしない政治家の無策は、困ったものだ。

 この句のように、平均寿命を過ぎたらいつ死んでも不思議でないわけで、ほとんどのご老人は、覚悟を決めているだろう。

 しかし一方、自動車がドローンになって、自由に空を飛べるのはもうすぐだろう。IPS細胞による臓器製作が可能になって、あらゆる臓器が移植できるようになるのももうすぐだろう。AIロボットの開発が進み、重労働や単純作業から人々が解放されるのは十数年後かもしれない。ベイシックインカムが導入されて、全ての人々が貧しさから解放され、人生を豊かに暮らすのも近いはずだ。そんなことを考えていると、長生きしてそんな世界を見てみたい、と思うのは虫が良すぎるだろうか。

 保子さん、今年は台風10号の余波の大雨が、我が家の墓を洗ってくれました。

クサギ(臭木)

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