社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

8月16日(日)

2015年08月19日 00時49分27秒 | 2015年

  7時半起床。昨日から実家に帰ってきており、今日は朝から彼女と結婚式場見学に行く予定なのにも関わらず、寝坊してしまった。急いで身支度を整え、8時過ぎに家を出る。

  大宮で彼女と待ち合わせ、式場へ向かう。2人で式場見学をするのは、これが2件目である。1件目は、明治記念館だった。会場の雰囲気は素晴らしく、スタッフの方々や立地も文句なかったが、料理の質が物足りずに却下した。これまでに様々な結婚式に呼んで頂いて感じたのは、参列者に対する最大のおもてなしは料理だ、ということである。感情的な面は別にして、頂いたご祝儀に応える形は料理と引き出物の2種類で、後者は人それぞれに好みもあるので難しい(結局はカタログギフトに落ち着くだろう)から、やはり料理が最大のポイントになる。それに、私の仕事柄もあるのかもしれないが、料理に力を入れたか入れていないかは、確実にわかる。というわけで、私が最も気にするのは料理の質で、それ以外は彼女の希望に合わせようと考えている。

  今日の会場は、結婚式専用の会場。大宮からだとタクシーで5分ほど、最寄駅は大宮からニューシャトルで1駅の鉄道博物館駅(から徒歩5分)。ちょうど彼女の実家(川越)と私の実家(川口)の間なので、お互いに高齢の祖母を持つ身としては、なかなか良い立地である。また、住宅街の中にあるのだが緑に囲まれており、敷地も広くて開放的な雰囲気を持っている。

  まずは、結婚式のチャペルを案内して頂く。ここの売りは、対面式のチャペルである。参列者が前ではなく中央に向かい合う形は全体が良く見渡せるので、新郎や新婦の入場の際に180度後ろを振り返るというようなことが必要ない。また、1人当たりのスペースが広く、ゆったりと座ることが出来る。若干雰囲気が軽い感じで神聖さには欠けるが、良い会場だと思う。

  ドレスやタキシードの見学を経て、3カ所の披露宴会場を巡る。1カ所目は雰囲気がラブリー過ぎる(壁紙がピンクのハート柄)。2カ所はシックな雰囲気だが若干手狭な感じ。良かったのは3カ所目の一番広い会場だった。広さがあるので座席間のスペースにも余裕があり、天井も高く演出にもかなり自由が利きそうな感じがする。この場所に決めるなら、会場は間違いなくこの部屋だろう。

階段の中段くらいからの全体像。

新郎新婦から見える景色。1段高くなったりしていないので、奥のほうの人は見えない。

  この会場で、料理の試食。ドレスや装飾類、引き出物などのパンフレットを見ながら、コース料理を頂く。ここのすごいところは、量は減らしているだろうとしても、フルコースの全てのメニューを食べられることである。料理にこだわりたい私にとって、全ての料理を口に出来るというのはありがたい。他の式場でも、有料でもいいから全ての料理を食べさせてくれるとありがたいのだが。そして、今回は伊勢海老や松阪牛の含まれた一番高いコースを頂いた。正直なところ「びっくりするほど美味しい」というわけではないが、参列者の立場になって考えてみるに、仮に3万円のご祝儀を払ったとして、この料理が出て来たら嬉しい。

大トロ創作寿司とイクラと玄米のリゾット。

オードブル3種。

フカヒレの姿煮。

伊勢海老のポワレ。

松阪牛のロティ。

デザート盛り合わせ。

  全体的にかなり気に入ったので、具体的な見積もりを出してもらって検討材料にしようと思ったのだが、担当の方から「今日は具体的な見積もりはお出しできません」と言われてしまった。今日は会場と料理を体験してもらうことが主旨なので、とのこと。今日のところはとりあえず仮で日程を押さえてもらい、今後既に見学予約してあるところを回ってから再度検討することとなった。これだけの料理を食べさせてもらったからにはゴリゴリの営業を覚悟していたのだが、拍子抜けしてしまった。いや、むしろ、もうちょっとゴリゴリに来てくれても良かったのだが…。もしかすると、大宮の別の式場も見に行くつもりだと正直に答えてしまったので、そこの見積もりを見てから自分たちの見積もりを出そうと考えているのかもしれない…というのは考え過ぎだろうか。もしくは、単純に私たちがお金を持っていなさそうに見えたのか。まあ、その見立てはあながち外れてはいないんだけれども。

  そんなわけで思ったよりも早く解放されてしまったので、急遽水戸へ移動し、ティファニーで指輪(婚約指輪と結婚指輪)を買うことにする。少し前から色々と検討していて、実はティファニーへ行くのはここ1ヶ月でこれが3回目。他にも色々と迷ったのだが、「指輪といったらまずはティファニーでしょ」と私が一番最初に連れて行った水戸店で、これまた一番最初に彼女が試着した指輪のインパクトが忘れられず、婚約指輪にはそれを購入することにした。そして、結婚指輪も選び、一緒に購入。結婚指輪にも色々なデザインがあって少し悩んだが、こちらは数十年つけ続ける物なので、時代に左右されないシンプルなものを選んだ。

  彼女と別れ、普通列車で石岡まで行ってから、19時14分発の特急ときわ88号に乗る。石岡まで来てから乗ると、水戸や友部から乗るよりも特急料金が500円も安くなるのだ。

  水戸駅で購入した駅弁「牛べん」を車内で食べる。すき焼き風に味付けされた常陸牛(黒毛和牛)のお肉と、煮卵、湯葉の高野豆腐巻の組み合わせ。お肉が美味しいのはもちろん、付け合せの2品のレベルが高くて驚かされた。同じシリーズで「豚べん」というのもあったので、次回はそちらも試してみようと思う。

  帰宅は21時半前。茨城への日帰り往復は、さすがにちょっと疲れた。

  書く順番がおかしくなってしまったが、先日、彼女の実家に伺い、ご両親とお祖母さんにご挨拶をした。「○○さんと結婚させてください」と頭を下げた時はさすがに緊張したが、無事にお許しを頂くことができたし、豪華な料理でおもてなし頂き、終始和やかな雰囲気でお話させて頂いた。そんな中で私が最も印象に残ったのが、帰り際にお祖母さんがおっしゃった一言だった。「○○ちゃんを大切にしてあげてください」。文字にすると何てことはないかもしれない。しかし、柔和で可愛らしい雰囲気のお祖母さんが、穏やかな口調ながらもはっきりと私の目を見ておっしゃったその一言に、孫である彼女へのとてつもなく大きな愛情を感じた。そして、振り返ってみると、私はその時になって初めて「結婚する」ということの本当の意味を理解したように思える。そういった意味でも、この訪問には大きな意味があったと思う。