JR西日本が期間限定で出した「西日本どこまで4DAYS」というきっぷを買って日帰りの旅に出てみました(既に発売は終了しています)。
「西日本どこまで4DAYS」は先日もご紹介の通り、JR西日本と智頭急行線の全線が連続する4日間乗り放題となります。「青春18きっぷ」と異なり在来線の特急に限り特急券を買えば乗車できるルールになっています(新幹線不可)。もちろん自由席でも指定席でも構いませんし、JR西日本が発売しているチケットレス特急券とも組み合わせることができます。
往復特急を使ってしまうと結構な出費になりますので、行きのみや帰りのみ、あるいは普通列車の運転が少ない区間のみという使い方もできます。
一般に「青春18きっぷ」で日帰り旅行をする際には「片道4時間」が一つの限界となります。往復8時間+現地観光4時間でちょうど半日となり、お昼ご飯の時間込みで十分に見て回る時間を確保できるからです。これが片道5時間になると往復だけで10時間かかり、午前6時に出発し4時間観光しても帰宅できるのは20時になります。20時では昼食に加え夕食も考えないといけませんから、観光どころではなくなってしまいます。なので「片道4時間」が日帰り旅行の限界と見るべきです。
大阪発で片道4時間圏は北から時計回りで福井、豊橋、紀伊田辺、高松、倉敷、城崎温泉あたりです(ただし高松は高速バスやジャンボフェリーの方が遙かに便利)。ところが「西日本どこまで4DAYS」であればこの「4時間の壁」を打ち破ってさらに遠距離に行けたり、滞在時間を長くすることができます。
どこに行こうか考えて和歌山の南部梅林と田辺市内を見て回ることにしました。帰りのみ紀伊田辺から新大阪まで特急を使うことにします。
大阪駅からスタート。かつて新大阪発紀伊田辺行きの快速が早朝にありましたが、廃止されてしまい天王寺・日根野・和歌山・御坊の4回乗り換えとなります。
乗り換え時間はどれも数分なので時間ロスは少ないものの、4時間近くかかってようやく南部駅に到着です。
南部駅から南部梅林までは龍神バスの臨時バスがあります。運賃500円で所要10分ほどですが、歩くと50分くらいの距離なので乗った方が便利ですよ。
南部梅林に到着。梅は見頃で駐車場が一杯だそうです。
でもって梅林の名物「かたやまのいももち」も大行列です。
私が並んだときで40分待ち、その後1時間以上の行列になっていました。
ふかしたサツマイモを混ぜて搗いた柔らかいお餅の中にこしあんが入ったものです。餅米を節約するための知恵だったといいますが、柔らかすぎて型崩れしやすいのでご注意を。
このゲートまでの沿道では農家さんがいろいろ売っていますが、柑橘類は南部駅に近いJAの直売所の方が種類が多いのでオススメです。梅は見頃で春が近いことを感じました。
では南部駅から2つ先の紀伊田辺に向かいましょう。
南部駅はこんな風にイラストで飾られています。
紀伊田辺駅は紀勢線の拠点駅で、特急含め全列車が停車します。普通電車はこの駅で運転系統が別れ、白浜まであと3駅ですが列車の本数はぐっと減り白浜まで青春18きっぷで日帰りで行くことは難しくなります。田辺や白浜からは高速バスもありますのでこれを利用するのもいいでしょう。
田辺市は人口7.9万人で武蔵坊弁慶の出身地とされます。
まずは闘鶏神社に行ってみましょう。
419年に創建されたとされ、11世紀の白河天皇の時代に熊野三山の神を勧請したとされます。その後熊野水軍が源平どちらに付くか紅白の鶏を闘わせて占った故事から闘鶏神社と呼ばれています。白が勝ち、熊野は源氏の勝利に貢献したそうです。
本殿は1661年の完成で、熊野の代表的な造りになっており国の重要文化財に指定されています。
境内には田辺城主だった安藤直次を祀る藤厳神社があります。直次は家康に仕え、紀州徳川家の家老となる一方で幕府の老中としても起用されています。田辺藩は独立した藩ではなく和歌山藩の家老格であったようです。
闘鶏神社の御朱印です。
藤厳神社の御朱印です。
少し歩いて蟻通神社があります。
765年に創建されたとされ、蟻通大神を祀っています。蟻通大神は天児屋根命の別名で、田辺にやってきた外国の使者から「ほら貝に一本の糸を通してみろ」と言われて貝の口に蜜を流し、糸を結んだ蟻を貝の穴に追い込んだことで解決したそうです。このため知恵の神とされています。
江戸時代は紀州藩から保護を受け、本殿は1740年の完成とされます。
蟻通神社の御朱印です。
蟻通神社の近くに宝来寿司があります。ここで「あがら丼」のお昼にします。「あがら丼」は「私たちの丼」という意味だそうで、地の素材を使った丼のことだそうです。宝来寿司では「漬けカツオとしらすの丼」や「太刀魚の天丼」などがあります。
「漬けカツオとしらすの丼」にしました。カツオもしらすも美味しくて満足です。ちなみにお吸い物には梅干しが1つ入っていました。お土産に「ひとはめ寿司」というワカメの巻き寿司を買いました。作り置きではなく注文を受けて作ってくれました。美味しいお店でしたが、人通りが少なく待たずに入店できました。
宝来寿司で料理を待つ間にスマホで帰りのくろしお号のネット予約を入れておきました。
駅までの道すがらに「鈴屋」があります。「デラックスケーキ」というお菓子が名物です。カステラにジャムを挟んでホワイトチョコをかけたもので、レトロな銀紙に包まれています。以前京都の高島屋で見かけて美味しかったのでお店で買ってみました。
今回の御朱印情報です(特記ない限り御朱印料は300円)
闘鶏神社 3種を授与所で授与。オリジナル御朱印帳あり。
蟻通神社 1種を授与所で授与。
「西日本どこまで4DAYS」は先日もご紹介の通り、JR西日本と智頭急行線の全線が連続する4日間乗り放題となります。「青春18きっぷ」と異なり在来線の特急に限り特急券を買えば乗車できるルールになっています(新幹線不可)。もちろん自由席でも指定席でも構いませんし、JR西日本が発売しているチケットレス特急券とも組み合わせることができます。
往復特急を使ってしまうと結構な出費になりますので、行きのみや帰りのみ、あるいは普通列車の運転が少ない区間のみという使い方もできます。
一般に「青春18きっぷ」で日帰り旅行をする際には「片道4時間」が一つの限界となります。往復8時間+現地観光4時間でちょうど半日となり、お昼ご飯の時間込みで十分に見て回る時間を確保できるからです。これが片道5時間になると往復だけで10時間かかり、午前6時に出発し4時間観光しても帰宅できるのは20時になります。20時では昼食に加え夕食も考えないといけませんから、観光どころではなくなってしまいます。なので「片道4時間」が日帰り旅行の限界と見るべきです。
大阪発で片道4時間圏は北から時計回りで福井、豊橋、紀伊田辺、高松、倉敷、城崎温泉あたりです(ただし高松は高速バスやジャンボフェリーの方が遙かに便利)。ところが「西日本どこまで4DAYS」であればこの「4時間の壁」を打ち破ってさらに遠距離に行けたり、滞在時間を長くすることができます。
どこに行こうか考えて和歌山の南部梅林と田辺市内を見て回ることにしました。帰りのみ紀伊田辺から新大阪まで特急を使うことにします。
大阪駅からスタート。かつて新大阪発紀伊田辺行きの快速が早朝にありましたが、廃止されてしまい天王寺・日根野・和歌山・御坊の4回乗り換えとなります。
乗り換え時間はどれも数分なので時間ロスは少ないものの、4時間近くかかってようやく南部駅に到着です。
南部駅から南部梅林までは龍神バスの臨時バスがあります。運賃500円で所要10分ほどですが、歩くと50分くらいの距離なので乗った方が便利ですよ。
南部梅林に到着。梅は見頃で駐車場が一杯だそうです。
でもって梅林の名物「かたやまのいももち」も大行列です。
私が並んだときで40分待ち、その後1時間以上の行列になっていました。
ふかしたサツマイモを混ぜて搗いた柔らかいお餅の中にこしあんが入ったものです。餅米を節約するための知恵だったといいますが、柔らかすぎて型崩れしやすいのでご注意を。
このゲートまでの沿道では農家さんがいろいろ売っていますが、柑橘類は南部駅に近いJAの直売所の方が種類が多いのでオススメです。梅は見頃で春が近いことを感じました。
では南部駅から2つ先の紀伊田辺に向かいましょう。
南部駅はこんな風にイラストで飾られています。
紀伊田辺駅は紀勢線の拠点駅で、特急含め全列車が停車します。普通電車はこの駅で運転系統が別れ、白浜まであと3駅ですが列車の本数はぐっと減り白浜まで青春18きっぷで日帰りで行くことは難しくなります。田辺や白浜からは高速バスもありますのでこれを利用するのもいいでしょう。
田辺市は人口7.9万人で武蔵坊弁慶の出身地とされます。
まずは闘鶏神社に行ってみましょう。
419年に創建されたとされ、11世紀の白河天皇の時代に熊野三山の神を勧請したとされます。その後熊野水軍が源平どちらに付くか紅白の鶏を闘わせて占った故事から闘鶏神社と呼ばれています。白が勝ち、熊野は源氏の勝利に貢献したそうです。
本殿は1661年の完成で、熊野の代表的な造りになっており国の重要文化財に指定されています。
境内には田辺城主だった安藤直次を祀る藤厳神社があります。直次は家康に仕え、紀州徳川家の家老となる一方で幕府の老中としても起用されています。田辺藩は独立した藩ではなく和歌山藩の家老格であったようです。
闘鶏神社の御朱印です。
藤厳神社の御朱印です。
少し歩いて蟻通神社があります。
765年に創建されたとされ、蟻通大神を祀っています。蟻通大神は天児屋根命の別名で、田辺にやってきた外国の使者から「ほら貝に一本の糸を通してみろ」と言われて貝の口に蜜を流し、糸を結んだ蟻を貝の穴に追い込んだことで解決したそうです。このため知恵の神とされています。
江戸時代は紀州藩から保護を受け、本殿は1740年の完成とされます。
蟻通神社の御朱印です。
蟻通神社の近くに宝来寿司があります。ここで「あがら丼」のお昼にします。「あがら丼」は「私たちの丼」という意味だそうで、地の素材を使った丼のことだそうです。宝来寿司では「漬けカツオとしらすの丼」や「太刀魚の天丼」などがあります。
「漬けカツオとしらすの丼」にしました。カツオもしらすも美味しくて満足です。ちなみにお吸い物には梅干しが1つ入っていました。お土産に「ひとはめ寿司」というワカメの巻き寿司を買いました。作り置きではなく注文を受けて作ってくれました。美味しいお店でしたが、人通りが少なく待たずに入店できました。
宝来寿司で料理を待つ間にスマホで帰りのくろしお号のネット予約を入れておきました。
駅までの道すがらに「鈴屋」があります。「デラックスケーキ」というお菓子が名物です。カステラにジャムを挟んでホワイトチョコをかけたもので、レトロな銀紙に包まれています。以前京都の高島屋で見かけて美味しかったのでお店で買ってみました。
今回の御朱印情報です(特記ない限り御朱印料は300円)
闘鶏神社 3種を授与所で授与。オリジナル御朱印帳あり。
蟻通神社 1種を授与所で授与。