先週の日曜日、横浜イングリッシュガーデンへ「英国園芸の極み 100周年のチェルシーフラワーショウを訪ねて」という題のセミナーへ行ってきました。
私の長年の夢の一つが、英国のチェルシーフラワーショウを観に行くこと。
今年も行けなかったので、どんな雰囲気で、どんなガーデンが作られるのか、詳しく知りたいと思って参加しました。
講師は花咲園芸総研代表で園芸コンサルタントの館林正也さん。
この方は英国のキューガーデンにも在籍されていたのだそうです。
スライドショーとわかり易く滑らかな解説で、まるでテレビのガーデニング番組を観ているかのようでした
チェルシーフラワーショウが行われる会場はロンドンの郊外にあり、中心部からさほど遠くない病院の広大な中庭。
会期は5月21~25日で、このショウは冬が長いイギリスの人々が春を迎える季節行事のような捉え方をされているのだそうです。
コンテストガーデン部門は三つに分かれていて、
1 Show Garden(15) トップデザイナーの手による大型ガーデン
2 Artisan Garden(8) 使用する素材を芸術的に見せる工夫をした中~小型ガーデン
3 Fresh Garden(11) モダンで革新的な発想のデザインを取り入れた中~小型ガーデン
主役の大型のショウガーデンで一位を取ったデザイナーには(世界中から)ガーデン制作のオファーが来るのだそうですよ。
コンテストの賞については各部門に
1 Gold
2 Silver Gilt
3 Silver
4 Bronze
の4種類があり、時にGoldが一つもない年もあれば、何個もGoldの庭のある年もあるのだそうです。
審査には明確な基準があり、審査員もガーデニングに精通した方ばかりで、大変信頼が置けるみたいです。
上記のGoldを取った中でも、大型ガーデンで「Best in Show」を得たガーデンが、一位となるのだそう。
「People’s Choice」という一般投票も行われているそうです。
大型ガーデンを中心に約10個のコンテストガーデンを、画像をふんだんに使って紹介。
一つ一つのガーデンに対する氏のコメントがとても面白かったです。
(例えば「ミニマリズム」という言葉の説明は、東福寺の重森三玲の市松模様の苔庭を使い、具体的にイメージできるよう工夫されていて、理解するのに助かりました。)
今年のテーマが「都会の庭」という事で、デザインの傾向が
「四角の多様」、「高低差による変化」、「水をつかう」
などであったこと。
ガーデンのトレンドは
在来種の保護に目を向けた「原点回帰」「シンプルで身近な庭」
野生生物や生物多様性に配慮した「環境」をテーマにした庭
アフリカの貧民や病気を持った人々など、「弱者救済」をテーマとした庭
が主だったところのよう。
そういった主張を打ち出して作られた庭が多かったという事なのでしょう。
ガーデンはとにかく本物志向ので、「置いただけ」とか「張りぼて」などと感じられるガーデンは論外。
とにかく、長く其処に存在してきたように作りこまれているのが、基本だそうです。
それ故、費用は桁違いみたい
どのガーデンにもスポンサーがついており、更に大型ガーデンを作るに至るには、デザイナーは中小型ガーデンである程度実績がないとダメなのだそうです。
チェルシーへの道は厳しいのですね。
今年Goldだったロジャー・プラッツ氏のショウガーデン(RHSのHPより拝借)
今年のチェルシーフラワーショウの様子はこちらのHPで
http://www.rhs.org.uk/Shows---events/RHS-Chelsea-Flower-Show/2013
そして、チェルシーフラワーショウのチケットは157000枚と決められているそうで、売り出しと同時に売り切れになるんですって
普通の外国のオバサンが個人でチケットを取るとなると、更に大変みたいだわ
ツアーでなく、気ままな一人旅で行こうとしている私の「チェルシーへの道」も、なかなかに厳しいことを知りました
今回のセミナーはとても勉強になりましたし、行った気にもなれました。
ありがとうございました
館林氏のブログ「花咲ジジイの花麗なる毎日」はこちら http://tatechan.blogspot.jp/