旅するガーデナー

いつも五感を刺激し、喜怒哀楽、幸も不幸も、哲学も瞑想も、言葉にできない多くが存在する庭は私のパワー・スポット!

ハウステンボス☆☆☆一泊二日ライフ

2012年10月05日 10時07分04秒 | ガーデンの旅~国内編

前回ハウステンボスを訪れた時から、次回はこのホテルに泊まりたいと思ってた「ホテルヨーロッパ
ツアー代金は若干割高になってしまいましたが、お値段と滞在の満足度を比べてみて、やっぱり此処にしました。

ホテルロビーの通路にはユリの花が飾られ、どこを歩いても良い香りがしていますし、到着時にはコントラバスとヴァイオリンの生演奏が聞こえてきました。
あちらこちらに飾られているフラワーアレンジメントの作品を、宿泊者は無料で見られます。
ロビー入口の大型ディスプレイもゴージャス


部屋のインテリアは落ち着いた色合いで、ロマンチックなイギリスアンティーク風
テレビや冷蔵庫などが右の写真のカップボード内に隠れているので、統一感があってGOOD
室内の広さはスタンダードですが、何と言っても、一人ですからね~ 広々です
ツインルームのシングルユースは、贅沢な気分。

 
着いてすぐ、ハウステンボス巡りへ。

運河沿いのフードコートテラスで「九十九島牡蠣」の看板発見
牡蠣は大好物~ 磯の香りのする焼き牡蠣、美味しくいただきました。


初夏は薔薇で覆われていいるアートガーデンも、只今バラは養生中
花は観られず残念でしたが、今年の残暑故、花が咲いていない方が良いのかも。
丁度広場から、空のクルーズ用のヘリコプターが飛び立ったところ。

 

 夕方は5時からのGWCナイトガーデン(1000円)を観に出かけた後、夕食のために再びハウステンボス内へ。

バラは無くても、夜はイルミネーションが綺麗な、ハウステンボス内。
白い観覧車が出来ていて、なんだか違和感を感じましたが、ライトアップの主役になっているようです。


夕食はイタリアンレストラン「プッチーニ」で「チエナコース」をいただきました。
カジキマグロのグリル(左)はボリュームがあり、柔らかい

 
ホテルに戻るとロビーの奥で、作家さんがフラワーアレンジメントを手直し中
生花ゆえ、スタイルの維持には神経を使います。だから綺麗なのよね。
フワラーショーとコラボした花の展示は、これで3度目の手直しだそうです。
ナイフ捌きと活け込みが素早くて見事
私以外にも眺めている方が数名いらっしゃいました。

 
                

ベッドの堅さが心地良く、珍しくぐっすり眠れて、翌朝。
ツアーについていた朝食券でルームサービスをお願いすることができると知って、朝食バイキングも気になりましたが、
めったにないチャンスなので、ルームサービスで朝食を
モーニング・シャンパンが付いてきて、イケル口の私は大喜び
お食事も美味しく、

部屋から眺めるホテル桟橋の風景も美しくこの選択は大正解
リッチな非日常体験に、大満足

 
この日はGWCを観た後、パレスハウステンボスの庭内にあるバラ園へ。
此方は繰り返し咲きのフロリバンダや修景用のバラなどが植えられているせいか、少し早目の秋バラが、楚々と綺麗に咲いていました。


GWCの会場内を巡り歩いて多少疲れたので、こちらで足と目のための小休憩を。
秋バラの咲き方って、可愛らしい

 

 
せっかくのハウステンボス、何かしら運河のクルーズをしようと思って選んだティークルーズ
運河内と湾内を回る40分ほどのツアー。
ケーキと飲み物が付いています。

運河の外に出る船のために、橋が跳ね上げられます
いったん水門を閉じて、運河と大村湾の水位を調整するのです。

湾側から見たハウステンボス
別荘をお持ちの方や、こちらを係留場所にしている方のクルーザーが一杯
この日はお天気も良く、海の上は心地良い風が吹いていて、一味違ったな景色と雰囲気を味わいました

 


お土産にはこの時期やはり球根を
丁度開催中の「幻のゴッホ展」に合わせてチューリップ「ビィンセント・ヴァン・ゴッホ」など買いました。
チューリップは我が家に、八重咲きの百合の球根は、実家の母へのお土産に。

幻のゴッホ展」は、貧乏だった時代にゴッホがいかに試行錯誤をしながら、様々な絵画の技法にトライした様子などがわかるよう作品が展示されていて、今までイメージしていたゴッホとは違う人となりを感じる、面白い展覧会でした。

 

アニメの海賊の絵の描かれた水陸両用車が園内を急がしそうに走っていたり、
バラの風景の背景になる場所に観覧車が建てられたり、運河に釣堀が出来ていたりと、
一年半前に来た時とは雰囲気が変わり、落ち着きが失われつつあるようでしたが、
ハウステンボスが継続するなら、それも致し方ないし、子どもや若い人々が喜んでいる様子を見ると悪くはないのだと思うことにしました。

 

リゾートして、ガーデンを観て、美術にふれて、美味しいものを食べて、この度もとても素敵な滞在になりました。
お財布に余裕があれば、また来年も訪れたいわ

 

                

 

さてユリの球根を携え明日から母の冬支度を手伝うために、北海道に帰省します
この時期の北海道は、すでに紅葉が始まっているのでは。

行ってきま~す

 


 


GWC2012 スモールガーデン部門&フラワーアレンジメント部門 他 in ハウステンボス

2012年10月04日 15時48分36秒 | ガーデンショウ・レポート

ガーデニングワールドカップには、もっと身近で庭作りのヒントになるようにと、スモールガーデン部門や、コンテナガーデン&ハンギングバスケット部門などが設けられています。

16個の作品の中から、気になったスモールガーデンをいくつかご紹介します。

ホームガーデン部門では

虹(虹の袂)

南国チックで明るく華やかな印象で、ガーデニングの祭典に似合っていると感じました。



私の好きなもの~庭と音楽と家族~

緑に囲まれた都会的な部屋。
抑えめの色合いに赤いクッションが目を惹き、オーナーの個性が感じられそう。

 

一期一会

キューブ型の蹲と市松模様の芝が、都会の茶庭という感じ。キューブの色合いも好きでした。

 

★ 特別展示 西日本短期大学

石組みとハーブと宿根草が、とてもナチュラル

 

ファンタジーガーデン部門

マッシュルームガーデン

一番インパクトがあり、話題となっていたキノコの庭
メルヘンです~観ていると楽しくなる~

 

子どもたちに未来をつなぐ

西日本高速道路株式会社制作だけあって、ガードレールや「鹿飛出し注意」の標識が面白くて、こちらも話題になっていました。

 

輝望の庭 Kibou no niwa

緑化された屋根と、其処から流れる水の壁がとても印象的でした。

 

妖精の森への入り口

大きな草花のボールから、小さな池に水がしたたり落ちている様子は、不思議な森の雰囲気たっぷりです

 


寄せ植え部門

大きなバスケットに植えこまれた草花の色合いや質感の違いなど、素敵に組み合わせて秋らしいと感じた作品。


ハンギングバスケット部門

半円のハンギングが多い中、軽石を使ったユニークな形が、面白かった作品。

 

こちらはコンテストではなく、お花屋さんの一角です。
今年は、コンテストガーデンに植えられたお花を販売しているお店が出ていて、気に入った花を購入できるようになっていました。
お花屋さんのディスプレイも素敵

 

パレスハウステンボス内ではフラワーデザインコンテストの展示がありました。
曲がりなりにも華道を経験してきているので、一つ一つ面白く拝見しました。

此方は入口の大きな空間デザイン
インパクト最高
中の展示を期待させます

 

フラワーアレンジメント部門

パレス室内の雰囲気がヨーロッパチックで、どのアレンジも更に素敵に見えるのでは
雰囲気抜群です

一番好きだったのは、流木にオレンジ色の花を組み合わせた作品かな
色合いと花材が秋っぽく、なんだか美味しそうでした。

 

ブライダルブーケ部門

私の結婚式の際、私の華道(草月流)の先生が、白い胡蝶蘭でブライダルブーケを作ってくれた事を思い出し、これまた興味深く拝見しました。

此方も教会チックなインテリアで雰囲気宜しい。
カラフルで個性的なブーケが多かったかな~。

 

会場内で案内やら、植栽やら、時にカメラマンなどこなしているスタッフたち。
若い人が多かったようです。
頑張れ若造

 

メインのショーガーデンが、大掛かりな作品だったので、スモールガーデンが、本当にスモールに見えてしまったのですが、
どれもレベルの高い作品でした。

パレスハウステンボス内も花一杯で、フワラーショーを観に来たんだと実感
ガーデンだけでなく、切り花も楽しめたので、とても嬉しかったです。

続く

 


 


ガーデニングワールドカップ フラワーショー2012 in JAPAN

2012年10月03日 15時35分31秒 | ガーデンショウ・レポート

 10月1日。
台風一過。おかげさまで飛行機も時刻表通りの運航となり、スケジュール通りハウステンボスへ行くことができました。
ハウステンボス内も素敵でしたが、まずは目的の「ガーデニングワールドカップ フラワーショー2012 in JAPAN」についてご報告します。
その3回目の今年は、更にフラワーアレンジメントや華道等とのコラボレーションも行い、昨年よりパワーアップしたそうです。

その中から、世界の招待作家による12ガーデンをご紹介します。
ガーデンのテーマは「花と緑で世界平和を!
会場に入るなり、驚き感動喜びの連続でした。


平和の芽が育つ森
国内予選で最優秀作品を受賞し、本作に挑んだ寺下弘氏の作品。金賞。

過去、戦(いくさ)の絶えなかった日本の歴史から、焼けた城跡に木々が育ち森になる様を表したガーデンです。
石組みが素晴らしく「最優秀施工賞」の受賞も納得
お堀の流れの中の白い花はうめばち草。赤い花はセンノウだそうで、表側は山野草が多く植えられていました。

石垣の裏側は青と白の花々。イワシャジンやクレマチス、キキョウなど。
表と裏の花色の違いが、面白かったです。


 

目をそらさずに、じっと見つめて (Eye to Eye}
マレーシアを代表するガーデンデザイナー、リム・イン・チョング氏の作品。最優秀作品賞 金賞。

開閉する中心の目の片側は、平和のない地球(地獄)の様子を、目が開いて、3つある目を通り抜けて見えてくるのが平和な世界「楽園」です。

淡い優しい色合いの花々で彩られた楽園の、それは美しかったこと
楽園の中心には、湧水の噴水。奥にはゆったりとしたソファが置かれていました。

 

『甘味にして適切なり (Duice et Decorum eat)
フランスのガーデンデザイナー、ジェイムズ・バッソン氏の作品。「平和と花」特別賞 金賞

実際に爆撃を受けたアフガニスタンの様子を再現した庭だそう。
植物はワレモコウやグラスなど、線の細い風になびく植物が多く、荒涼とした風景を髣髴させます。

爆撃を植えたリビングに、飛び散った家具で使えるものを集め、テーブルを囲んでいる風景。
水が穏やかな時間を感じさせていました。
シンプルなのに、ストーリーとハッキリしたイメージが湧くのはデザインの力でしょうか

 


 

床の間ガーデン
このショーの呼びかけ人でもあり、チェルシーフラワーショウにて三度金賞を受賞している石原和幸氏の作品。
ピープルズチョイス賞 金賞

ご本人も時間があると傍らに立ち、説明や写真に応じていらしゃた人気のガーデン。
「THE 和」に特に解説は必要ないでしょう。作りこまれた和庭園と東屋内の設えが見事でした。

左側には待合も。
そして、綺麗に色付いた紅葉が素晴らしい。9月末に紅葉しそうな木を選んでおいたそうです。

 

 

バタフライ・エフェクト
イタリアの女性ガーデンデザイナーのジョー・トンプソン氏の作品。銀賞。

昨年長崎の平和公園で見た原爆の跡と、ハウステンボスで見た美しい蝶たちにインスピレーションを受けた「光と影」がテーマとなっているガーデン。

ジャノメマツ、オオタデ、ブッドレア、フヨウなど、大ぶりの植物と、白い砂利や石との対比が印象的でした。

 

 

Garden of Memory 記憶の底に眠る庭
ロンドンで活躍する日本の女性ランドスープデザイナー、関晴子氏の作品。銅賞。

メビウスの輪のような池のあるガーデンは消滅と再生を表しているそう。
左に見える細い木に吊るされている風鈴が、風に揺らされて綺麗な音色を奏でていました。

ナイトガーデンにおいては、LED電球を用いたボールに明かりが灯り、日本人なら誰しもが思いつく平和の祈り「精霊流し」に。

 

 

 『ドラゴメッド・ガーデン
スペインのガーデンデザイナー、ガビーノ・カルパーヨ氏の作品。銀賞。

平和の象徴であるパティオを脅かすドラゴンと、その死(平和を取り戻す)が表現されています。
バルセロナでは雑多な都会生活により、庭でさえ被害を受けている事実があるそうです。
ドライガーデンの植物と白い砂と紫の壁、テラコッタ色のパティオなど、スペインっぽさが沢山


 

『心穏やか安らかなる庭
イギリスのガーデンデザイナー、リチャード・マイヤーズ氏の作品。銅賞。

水の流れる壁に囲まれたシンメトリーな庭で、ティ―パーティが開かれています。
庭は静かで穏やかな都市部のオアシス。

 



太陽の下の道
アメリカの女性ガーデンデザイナー、カレン・ステフォニック氏の作品。銀賞。

ナイトガーデンがとても素敵だったのでその写真から。
波打つ壁には水が流れていて、ライトアップするとグ~ンと大人の空間に

アメリカのガーデンでは、こうして椅子やテーブルを置くのが普通だそうです。
赤い花はデザイナーさんがとても気に入ったという彼岸花。
都会的なお庭で記念に一枚


 

水がもたらす命の再生。庭の世界平和の願いを込めて
ニュージーランドの女性デザイナー&マルチアーティスト、ザンティ・ホワイト氏の作品。
最優秀デザイン賞。 金賞。

丁度テレビ取材が入っていました。女性はアナウンサーさんみたい。
壁面緑化の庭です。

ガーデン内も、木製ベンチを囲むように壁面緑化に覆われていて、蘭をはじめとする植物の何と香りの良いことか
中でもうっとりさせてくれる花、クラリンドウ。

 

 

母の裁縫かご
韓国では公共アートを手掛ける女性デザイナー、ジヘ・ファン氏の作品。銅賞。

銀色の金属のオブジェは針と糸を表現。
韓国も少し前までは、貧しい暮らしの時代があり、その際に生活を支えてくれた母。
何より驚いたのは、このガーデンが1・5mも掘られた沈床(サンクン)ガーデンであることです。
恐るべしハウステンボス。よくぞ掘らせたものだと感心しました

内部には錆びた波打つ鉄板の屋根と、小さな汚れた沢山の靴が。
貧しいけれど幸せだった様子が浮かびました。

 

最期に、私が一番気に入ったガーデンをご紹介します。

融合、そして転機
南アフリカを代表して世界の人々に伝えるガーデンデザイナーの二人、デイビッド・ダビットソン氏&レオン・クルーゲ氏の作品。
銀賞。

高く大きな石の壁に仕切られたこちら側の平和な現在には、南アフリカの花である極楽鳥花をはじめ、明るい色の花や、乾燥に強いグラスなど。
石壁からは水も流れ落ちています。
色合いの違う丸石の塔やクラールという南アフリカの伝統的な柵など、多民族国家を表していて、難し事は分りませんが、バラエティに富んでいるけれど統一感のある、楽しい庭

しかし、過去は交配した砂漠
この対比は、とてもインパクトがありました。

 


どのガーデンも甲乙つけがたく、今まで見てきたガーデンより、はるかにスケールも大きく、作りこみ感も半端なく、素晴らしいものでした
4~6月ごろまでに各デザイナーさんから上がってきたデザイン画を、現実のものにすべく準備し、10日間でデザイナーとともに作り上げる日本の施工業者さんたちにも、感動モノ

なんて言うのかな~、様々な分野で、その道の専門家が、よく「本物を見なさい」って言うの、聞きませんか?
これがその「本物か~」って感じです。
見た瞬間に、分りました。

目の肥やし」って言葉もありますよね。
今までも何度かそういう機会がありましたが、こんなに効いた肥やしは初めてかも

こんなこと言うと誤解されてしまいそうですが・・・
私の目効き具合は、確実に一つステージを上がったと思いました

私は本家(チェルシーフラワーショー)は観ていません。
なので、一層「日本でこのようなガーデンショウを見ることができてラッキー」だと感じました

いや~、お金かけて出向いたかいがありました
お値段以上の収穫でした

 

続く