私はいとこ達の不穏な雰囲気を感じていました。しかし、自分の関心を上空の太陽から離す事が出来ないでいました。見るとも無しにちららちらと太陽を見詰めながら、この太陽自体の色、光の色は何という色なのだろうと考え始めました。考えては見上げ、思いあぐねては見上げしている内に、何時までも続くと思っていた日光の輝きが衰えを見せ始めました。私は眩しさをそう苦にする事無く太陽本体を見る事が出来る様になった事に気付きました。
私はおやっと思いました。そして、お日様を見詰め続ける事が出来る様になった事に嬉しさが湧いて来ました。やっぱり太陽も私に見てもらいたいのだ、そんな風に思うと私の喜びも一入という感じになりました。私は素直に感情を面に出すと、にやにやにやけてお日様を見詰めました。
その後日輪は大きく広がって見え、揺らめき燃え始める寸前には、はっきりとした朱色を帯びて来ました。私は眼前の太陽の変化を余す所無く眺めようと、より一層気持ちを込めて見つめ続けるのでした。
太陽が顔を出し、私がその正体を実際に知り、見詰め始めてからほんの僅かな時間の経過でした。その間に目に弾ける白金にまで輝いた太陽は朱を帯び、その色は温かみを帯びた親しみのある金色(こんじき)に変わりました。私はこの色に覚えがありました。色紙の金色です。
『お日様って金色なんだ。』
そうだ、正にその色だと私は合点しました。過去に色紙の金色を見た時にも思った感情です。とても奇麗な色だと私は思いました。お日様ってとても奇麗だなぁ。そして暖かいなぁ。きらきらとして特別奇麗な物だ。素敵だなぁ。『私お日様って本当に大好きだな。』そう思うと、『世界で1番大好きな物だ!』と感じました。そして私が素敵だと思うように世界中の人も皆太陽が大好きだろうという事に考えが及ぶと、つい自分と比べてしまいます。私は、太陽っていいなぁ、と、皆に好まれる太陽をとても羨ましく思うのでした。胸の奥から止めど無く溢れ出す太陽への憧憬を感じると
「お日様っていいなぁ。」
口に出して言ってみます。
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