「お前何かあったんだろう。」
母は直ぐ家に帰ろうとせずに私に尋ねるのでした。「私も親だから分かる。」というと娘の顔を覗き込もうとします。別に何でもないと、私は涙を見られ無い様に顔を背けます。と、何時もはあ、そうとばかりにあっさりしている母が、今日のこの日に限って嫌にしつこく問いかけて来ます。
「お前やっぱりおかしいよ。」
そう言うと、しゃがみ込んで私の顔を覗き込み、頬の涙に気付くと、「泣いてるじゃ無いの。」何で泣いているの?泣くような何があったのかと尋ねて来ます。私は困ってしまいました。
今までの例から行くと、私が母にこれこれと説明しても、「お前の言う事はよく分からない。」とか、「は、そんな事。」と取るに足らない、如何にも馬鹿らしいという粗略な応対か、時には無言のまま何処かへ消えてしまいそれっ切り、それでその後はと言うと、問題にした事には何も変化が起こらないという状態でした。
それで私もそんな母に、何か問題が起きてそれを母に話しても全く解決になら無い、いやそれ以上に相手にもされ無い、答えを出して貰え無い、何も対応して貰え無いという無い無い尽くしに気付くと、その内腹が立って来て、母への打ち明け話は全くしない事に決め、最初から何も話さないという態度に方向転換していました。そんな態度に如何やら母は気付いたのでした。
「今日でなくても、この頃お前おかしいよ。」
自分に何も話さなくなってしまった娘に、彼女も何だか様子がおかしいと気付くと、子供の変化が何だか気になるのでした。『前は煩いくらいによく喋って来たのに、全く無口になってしまって』こっちはこっちで楽でいいけど、反対にあっちが煩くなって、と心中ぼやきます。
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