そんなある日の事、私がかー君の家から帰る道で、道といっても彼の家の横手になります。勝手口に彼のお母様がしゃがみ込んでおられるのに出くわしました。
私が、おばさんお邪魔しましたとお別れの挨拶をすると、彼のお母様は、私にちょっと話があってあなたを待っていたのと仰るのでした。
「あなたが家に来られるようになってから長くなるから…」
と、あなたを見ているとそうでもないようだし、あの子の方は…と話が始まりました。
その後の話は、かー君は思い込みの強い子だから、あなたは女の子だし、このまま来ておられてあなたの方に何かあっても困るから、あなたの方で気持ちが無いのならもう来ないで欲しいというものでした。
私にとって憧れの母親像であるかー君のお母様の申し出です、考えてみてねと言われると、その日は見送られて帰りました。
その前後して、多分お母様より早かったかと思いますが、かー君のお父様からも私は面と向かって一言いわれていました。
全ての言葉をきちんと覚えていませんが、あなた何で家に来るのか、と言われ、
「財産目当てなんでしょう。私は将来あなたを嫁とは認めないからね。」
というような言葉でした。
もちろん、びっくりしましたが、確かにかー君の家は大きな商店でしたから、お金持ちです。
『そうか、お金持ちのお家に遊びに来る時には、こんなトラブルもあるのだと考えておかなければいけないんだわ。』
と感じいったものでした。一つの衝撃的な経験として受け止めました。
それで実際にまた来ていたのですから、お父様にされるとびっくりの呆れた事だったことでしょう。
これは何故かというと、私にするとここへやって来るのはもちろん財産目当てではなかったから、
加えて、お嫁さん云々の野望は、以前書いたように全く気にもしていなかった事柄だったからでした。
保護者の方が心配する程当時の私の成長年齢は成熟していなかったわけです。
『男女7歳にして席を同じうせず』
とも未だ言い合う時代でした。
私も小学校に上がった時点で、Junちゃんのちゃん呼びから、Junさんのさん呼びに周りが変わり寂しさを覚えたものです。
皆がそうでした。理由を尋ねると上の言葉を言われたものです、そうだからと。
私が未熟だったからと言えばそうですね。
ご両親にこういわれた時点でぱったりとかー君のお家の出入りを止めればよかったと思います。
祖父にも言われていたのですから。
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