Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

マルのじれんま 51

2020-06-22 11:37:02 | 日記
 釣りを終えたマルは、久しぶりの再会に話し込むミルと紫苑さんを見て、気を利かせると河原に2人を残し1人帰艦してきました。

 「あら、ミルは如何したんですか?。」

問い掛けて来るシルに、ドクター・マルはまぁねぇと、やや苦笑しながら「あの2人は仲良しだからねぇ。」と、嘆息気味に答えたのでした。

 それにしても、現実とシュミレーションは違っているねぇとマルはシルに話します。それは、勿論、シュミレーションは仮想世界ですから、違っているのは当然でしょうとシル。

 実際、釣り場所はお濠では無く河川であり、釣っていたのも川魚、現実には紫苑さんの方が何匹か魚を逃がしてやると言う結末になり、釣れずに坊主なったのがミルでした。マルは艦内の皆で食べようと、釣った魚を持ち帰って来ました。勿論、気に病みそうなシルには隠していました。

 にこやかな笑顔を浮かべて、マルはシルに話続けます。話していないと土産の魚の事をシルに読み取られそうです。彼は無心になろうと努め、現実の今日の出来事を思いつくままに話していました。

「地球人男性の恋愛話だがね、今回はうまく聞き出す事が出来たよ。」

 あら、面白そう。シルは興味深そうにドクターの顔を見詰めると、彼の話に熱心に耳を傾け
始めました。

「彼にすると印象深い出会いだったらしいが、…。」

語るマルの話では、紫苑さん夫婦は出会いこそ印象深かった物の、奥様の方は然程興味を引かれなかった様子だという事でした。そんな2人が何故結婚まで進んだんでしょう?。シルが問いかけると、マルはさも面白いという風に相好を崩し、

「物の弾みだそうだ。」

と答えるのでした。いつの間にか結婚して奥さんが家に居たそうだ。まぁとシル。やはり可笑しそうに目を細めてマル同様に笑顔になりました。「そしてね、彼はね、」、マルは語り続けます。私が「奥様はあなたの事を自分の物だと仰られませんでしたかと、聞くと、彼は酷くびっくりした顔をしてね、驚いたなぁと言うんだよ。

「そんな女性がいるんですか!?、これはまた驚きだなぁ!。」

そう言うと彼は、私は私個人、私自身の物ですよ。誰の物でもない。と、一寸不愉快な顔になってね。マルは遠い目をするとその時の紫苑さんの様子を思い浮かべていました。

「私がもしそんな、個の尊重をしないような言葉を女性から受けたなら、」

「即!、そんな女性とは縁を絶ってしまった事でしょう。」と言うんだよと、マルは酷く感慨深い顔付きでううむと唸るのでした。そうだな、マルは言うと、それが無難な人の感想という物なのだろう。と。

 2人は幸福な結婚生活だったそうだ、ごく無難なね。だからこそ幸福だったというんだよ、彼はね。マルはここで言葉を切りました。




今日の思い出を振り返ってみる

2020-06-22 11:34:33 | 日記

うの華 2

 緊張していた私は、それとなくちらちらと男の人を見た。何かしら彼に動きがあれば、すぐにこの寺の境内から退散しようと私は考えた。 しかしその内、本堂入口に座っていた男の人の様子は......

 曇り空です。雨は降らない予報なので、1日このお天気かなと思います。

マルのじれんま 50

2020-06-19 11:10:47 | 日記
 円萬さん、円萬さん、…。ドクター・マルは地球上での自分の名前を口の中で繰り返しながら、仮想人物へ移行する刷り込みを始めました。彼は地表へ降りる準備をしているのです。そしてそつなく釣りの準備を整えると、彼は着慣れた感じの服装に身を包んでいました。勿論洋装でした。それから彼は紫苑さんと約束してあった、とある河原へと出かけて行きました。腕時計を見ると、少し遅くなったようです。

 「やぁ、ここだよ。」

「遅かったですね。もう釣り始めましたよ。」

河原には約束していた紫苑さんと、彼の横に並んで鷹雄ことミルがいました。彼等はにこやかに円萬さんに手を振って来ます。やぁやぁと笑顔で照れながら、円萬さんはごろごろした石の上をひょいひょいと身軽に飛び跳ねて行きます。直ぐに彼等の傍らまで来ました。

 「お待たせ。」

そう笑顔のまま明るく言う円萬さんに、おうおうと、待ち構えていた紫苑さん、鷹雄の両者もにこやかな笑顔で応えました。

「君も来ていたのか、鷹雄君。」

円萬さんはミルの所在が意外でしたが、抜かりなく話を合わせました。

「紫苑さんから電話を貰ったんです。君も一緒に如何かと誘われたんです。それで…。」

伯父さん。と、ミルも調子よく彼に合わせました。地球上ではマルとミルは伯父甥の仲なのでした。紫苑さんの方は、そんな2人の遣り取りに全く違和感を抱く事無く、暢気そうに川の浅瀬に入り込んで釣りを楽しんでいました。

 その後3人は、離れて思い思いの場所に立つと、今の季節の鮎釣りを楽しみ始めました。紫苑さんは数種類の疑似餌を取っ替え引っ替え、その日の魚の様子を窺い釣り糸を清流に流していました。鷹雄も紫苑さんの真似をして、簡単な疑似餌を取り換えてみたりして釣りに勤しんでいましたが、その内網など持ち出して川面に投げたりし始めました。その姿を見た紫苑さんが、ほほおう、若者ねと、苦笑を漏らしたりします。円萬さんはというと、彼等からやや離れた場所で1人熱心に検証中でした。彼は資料で見た本格的な友釣り用のルアーなど用意してきていました。上手く釣れるだろうか?、『郷に入りては郷に従え』、この星の伝統的な釣り方で釣果を御覧じろと言う所なのでしょう。誰が一番釣れたのかは、釣り専門の方のご想像にお任せした方がよろしいようで。ちょん!

今日の思い出を振り返ってみる

2020-06-19 10:19:36 | 日記

梅雨空に思う 6

 ここで最初に戻り、この梅雨空を見上げながら、果たす気の無い約束の履行年(日にちが曖昧なので)を思うと、私はふと『約束なんて破る為にする物なんじゃないかな。』と考えた次第です。......

 続きが有り丁度良かったです。昨日書き忘れた事が有り如何しようかと思っていました。あの後書き足すのもしつこい様なので困っていたんです。
 今回オリンピックの様に延長は無し。日延べしません、これっきりです。思えば当時、考えてみますと言わずに直ぐに断ればよかったんですよね、私が。人の気持ちという物を考えると何だか申し訳ないような気がして、無具に出来なかったんです。
 でも、「考えてみます。」は、日本人にとって大抵の場合が断り文句。その場逃れです。当時もう断られたと判断して了承してください。私もだらだらと長引かせずに、即、「それ(今年、2020年の約束)は出来ないから、最初の話は無しで。」と、言うべきでした。「ごめんなさい。」です。

今日の思い出を振り返ってみる

2020-06-18 10:28:17 | 日記

梅雨空に思う 5

 そして、この事が私の人生において遠い過去の出来事になるだけに、私は何時しかこの出来事を忘れてしまいました。約束という言葉について纏わる私の決心についての経緯や、その時抱いた感情も......

 「今日の思い出を振り返ってみる」は、これです。一寸しつこいかなという気もしないでは無いのですが、先日の記事で事足りているとは思いますが、昨年の記事とも関連するので、念の為もう1度今年のここに書いておきます。

 一昨年の暮れより、私は何だか妙な焦燥感を感じていました。最初は原因不明でしたが、年が明けて1999年と思っても、私にはピンと来る物や差し迫った物が何も思い浮かば無い状態でしたから、体調が悪いのかもしれないと思っていました。
 が、ふと、来年が2020年と思うと、もしかするとと思う事がありました。しかし、あれはまだ当分先の事だと思うと、昔の記憶を辿りつつ、合点が行かない焦燥感や胸騒ぎを覚えたものです。その為でしょう、昨年の今頃、垂れこめた雨雲や物憂い雰囲気に誘われるように、この「梅雨空に思う」を書き始めたものです。
 当時は、まだ先の事を、その時になってみないと分からない、しかし『如何でもいいな、気分任せ』と感じたものです。私にすると、歳を降った分可なりいい加減な気分になっていた訳です。唯、約束は約束で確かにしたなぁと思うと、それを果たさないというのは悪いだろうなと、一寸罪悪感が有りました。これも確かです。それでも、私にとっては気の進まない約束だったというのは明らな事でした。

 今年になって、そう言えば確か今年(私の計算では)、あの後最初の約束を無しにするという申し出の条件があったなと、その事を思い出しました。今年の反古、それは無しにするという条件を思い出した訳です。
 新年、新型コロナ騒ぎが始まってから少しして、この条件を思い出した私は、それでも、思い立てば提示されていた条件は満たせるだろうと考えていました。思い立てばですが。 
 が、今になると全くそれは無理、現実的にとても無理、物質的に(というべきなんでしょうね)不可能になりました。それが現時点でもう分かります。そうすると、自然と第2の約束は不履行になり第1の約束も無かった事になると思い至りました。成る程ね。
 そこで、そうだなと私も思う所、、それで私も良いなと同意。考えてみればと、後の条件を提示してもらった事を感謝しました。何しろ、最初の約束が私に取って不本意な物だったので、長期に時間を空けた訳です。
 気付かれていたのか、と、苦笑いしますが、私にするとここはやはり感謝です。ここに書かなくても、どのみち向こうにも分かります。当時私がそれについては考えてみますと言い置いた事、こちらでもはっきりと同意しなかった事が、そうですね、確かに今年はっきりと決着がつく訳です。
 
 確かにそうです、今年が結論の出る年でしたね。早々とですが、「無かった事に」に、私も同意します。