来た来た、シルは笑顔になりました。ここランドリー室になっている1室で、彼女はそこに有るシューターの出口から、紫苑さんの衣類が洗浄され整えられて出て来るのを待っていたのです。
先程彼女と別れたドクター・マルが、風呂場の脱衣室に着いて、そこに置かれていた紫苑さんの濡れた衣類をその場所に有るシュータ入口に入れると、こちらの部屋のシュータ出口にその衣類が達するまでに、それらは洗浄され滅菌乾燥されるときちんと整理整頓された後に此処へとつつが無く出て来るのでした。
この様に、シルにすると全く手間いらずで1つの任務が完了する訳ですから、彼女は待ってましたとばかりに浮き浮きした笑顔で荷物を受け取ったのです。
「これで一仕事終了!。」
こう口にすると、彼女は清潔に仕上がった荷物以上に真っ新な輝く笑顔になりました。そうして、彼女は紫苑さん用の荷物をひょいと抱きかかえると、それらを同じ室内にある白いアイロン台の上に置きました。この様にこの部屋には如何にもという様にアイロン台や物干し竿など配置してあります。それ等は皆このランドリー室の室内用インテリアになっているのでした。
「次はおもてなしね。」
シルは続いて、客のもてなし料理に取り掛かるべくこの基地の厨房へと向かいました。
一見寺の造りのこの基地で、しかし厨房の造り勝手は普通に宇宙船と同じ形、同じ仕様になっていました。彼等に地球人と同じ料理や調理の仕方が出来る訳が無かったからです。