衆議院選挙であったと思います、いずれにしても国政選挙の時でした。
休日をつかって以前仕事の関係でつながりがあった方のお宅にある候補
者への支持を広げたいと伺ったことがありました。
その人は私たちと同じ地域にいる時にご主人と死別し、店もたたみその地
からかなり離れた町の身内を頼って暮らすようになっていました。 二人の男
の子と暮している筈でしたが、 伺ってみると一人でした。
上のお子さんは宿舎つきの仕事に就いたそうですが、下の子がいません。
すこし前からいないという、なにか訳がありそうで深く聞くことをためらってい
ましたが、相談されるという形で聞かされたことは未成年のその子が警察に
捕まっているということでした。
こちらへ移った学校で、非行仲間に誘われたようです。 上の兄もまだ未成
年でやっと就いた仕事のことで精いっぱい弟のことに頭が回らない、身内と
いっても近くにいるのは義理の姉で兄は海外にいるので相談も出来ない、
というのです。 私もその場ではただ聞くだけで、なにも知恵が浮かびません。
「選挙どころではないなー」 と感じつつ聞いていたことを思い出します。
いづれにしても身近に相談できる人が必要でした。 「私に出来ることはやっ
てみますから」 となにか言い訳めいた不確実なことを言って家を出ました。
幸いその地域にも当時私の仕事場と同じ組織があり、その人の近くにも相談
出来る人がいて、連絡を取り合い力になってもらえました。
その翌年の賀状に、「二人の息子と一緒に前向きに生きています」という趣旨
の言葉があったことが嬉しいことでした。